第80話『虚構の祭壇』
王城地下の奥深く―
異質な気配を放つ空間、《虚構の祭壇》へと踏み込んだシンたち。
天井も壁も存在しない、ただ空間が“反転”したような異界。
1,虚構の護衛
虚ろな空に浮かぶのは、巨大な“歯車”と“眼球”のような魔術装置。
ユイナ:「なに、ここ……時空が、歪んでる……」
ロッシュ:「情報通りだ……ここが、アイン=ゼロの魔核。“虚構”の心臓部だ」
スイ:「つまり、こいつを壊せば……!」
だがその瞬間、空間に“赤い線”が走る。
雷のように閃き、彼らを包囲する。
ニャルス:「来たな……《虚構守衛》か」
次の瞬間、時空の裂け目から現れる三体の異形。
―歯車を背負い、瞳を多数持つゴーレムのような魔導兵たち。
シン:「戦うしかない……!!」
2,連携戦:VS《虚構守衛》
一体は魔法を吸収し、
一体は空間を切断し、
一体は幻影を操って仲間を惑わす。
だが、仲間たちはこれまでの修行と連携で応じる。
スイ:「今だよ、ユイナ!」
ユイナ:「わかった!!いくよ!!リェン!!」
リェン「了解!!!」
ユイナ:「幻精霊同化....響律+幻創魔法....クリスタル・バイン........!」
魔法吸収型の敵の内側に、反射魔法を打ち込む。
内部から弾け飛ぶ。
レイ:「次は私が……! “幻”には、“感情”を」
幻影を見抜き、《心眼魔術》で叩き斬る。
ロッシュ:「―いけっ、ニャルス!」
ニャルス:「千眼魔法.....オーバーサイト・レイ......」
空間切断型の敵の軌道をすべて見抜き、先手で撃ち抜く。
戦いは徐々に優位に傾き―
ついに《虚構守衛》すべてを撃破する。
だが―その瞬間。
空間の中心に、“黒い裂け目”が浮かび上がる。
その中から、ひとつの人影が歩み出る。
???:「まさか、ここまで辿り着くとはね」
姿を現したのは―クロノ。
以前と変わらぬ外見。穏やかな声。
だが、その目は……深い虚無を宿していた。
シン:「クロノ……!」
レイ:「……ッ!」
スイ:「でも、違う……“あれ”はもう……!」
クロノの口元が、うっすらと歪む。
アイン=ゼロ:「違わないよ。私は“クロノ”でもあり、“アイン=ゼロ”でもある。 時間を遡るこ とに、私は意味を見出した。それが、唯一の《正しさ》だと信じてる」
ユイナ:「記憶を捻じ曲げて……過去を偽って……それが“正しい”って言えるの?」 アイン=ゼロ:「君たちはまだ、“終わり”を知らない。世界は、いずれ“崩壊”する。それなら、 最初から……」
シン:「ふざけるな!!」
その叫びとともに、剣が抜かれる。
シン:「俺たちは、お前に止められたくてここに来たんじゃねぇ!もう一度“選ぶ”んだよ。俺たちの《未来》を―!!」
アイン=ゼロ:「ならば……見せてみろ」
魔力が爆発する。
と同時にアイン=ゼロは消える。
空間が軋み、周囲の“記憶”そのものが崩壊していく―!
ロッシュ:「すまない....俺とニャルスは、ここまでだ.....ここから先はあんたたちしか行けない。」
シン:「わかった.....ロッシュも気をつけろよ...」
ロッシュ:「うん....あと!!これ...持っとけ...」
ロッシュは、インカムのようなものを差し出してきた。
シン:「なんだこれ」
ロッシュ:「それは通信魔具だ....これでいつでも連携を取れる.....地上の情報は、新しいこ とがあり次第すぐに連絡する....地上は俺達に任せろ.....」
シン:「ありがとう!!!ロッシュ!!ニャルス!!!!」
シンたちはロッシュたちを後にし、走り出した。
次回―
《最終決戦》への幕が、静かに……だが、確かに開き始めた。




