第79話『記憶を裂く』
王城地下に現れた、アイン=ゼロの分体。
重く黒い魔力が空間を圧迫する。
アイン=ゼロの幻影:「見せてあげよう。君たちが《守れなかった記憶》をね……」 次の瞬間、空間がねじれ、全員の意識が“記憶の領域”に引きずり込まれる。
1,スイの記憶
燃える村。崩れゆく家々。
両親の絶叫。自分の無力さ。
スイ:「私は……変わったんだ……!逃げないって決めたんだ!!」
その叫びが、精神空間に“槍”を生み出す。
彼女の意志の結晶が、幻の魔物を穿ち貫く。
2,ユイナの記憶
孤独だった少女時代。
声をかけられても、誰にも頼らなかった自分。
でも今―支え合える仲間がいる。
ユイナ:「……みんなの力になりたい。だから、私はここにいる」
3,レイの記憶
王都の並木道。
かつての、微笑む“父”の姿。
そしてその隣には、自分の幼い姿があった。
レイ:「……どうして、私はこの記憶を……?」
彼女自身も理由がわからない。
だが、その“懐かしさ”と“痛み”だけは、確かに胸を締めつける。
4,シンの記憶
血に染まる草原。
父・アランの最期。
アラン:「……シン。あの子を、どうか救って。お前なら、できる」
その言葉が、彼に“何かの決意”を刻む。
シン:「……父さん、わかってる。俺は……絶対に諦めない」
現実世界に、彼らは同時に目を覚ます。
アイン=ゼロの分体は、揺らぐ魔力の核を中心に浮遊しながら言った。
アイン=ゼロの幻影:「“過去”に触れ、“今”を知ったか。ならば次は、《未来》を選べ。君たちの意思で」
黒い魔力が地下を満たす。
空間の奥で、“祭壇”のような構造が浮かび上がった。
ニャルス:「あれが……《虚構の祭壇》。アイン=ゼロが完全になる場所」
ロッシュ:「間に合うのか……?」
スイは立ち上がる。
スイ:「間に合わせる。……それが、今の私たちの戦いでしょ」
シンが前へ一歩、踏み出す。
シン:「俺たちの意志で、《未来》を斬り拓く」
全員が武器を構え、進む。
アイン=ゼロの幻影:「では……証明してみせて。君たちの“選択”の強さを」
―そして、戦いは始まる。
次回―
《記憶》を越え、《真実》の奥へ―。




