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第71話『風神と水翔馬』

《虚無の心臓》の深奥。

風なき空間に、静かな水の波紋が広がる。

スイはその中心で目を閉じていた。

風もなく、音もない。まるで、彼女一人だけが置き去りにされた世界。

―でも、彼女の中には確かに、風が吹いていた。

1,呼応する精霊たち

スイ:「……セリファ、ルナリス。お願い。私に……もう一度、力を貸して」

淡く光る魔石が震える。

その中から舞い上がる風の光、揺れる水の波。

姿を現すのは―

水馬・ルナリスと風の精霊・セリファ

ルナリス:「心が曇っている。スイ。お前が恐れているのは、戦いか、それとも―“力を持 つ自分”か?」

スイ:「……私は……私が怖い。仲間と一緒にいたいのに、足を引っ張ってしまいそうで ……!」

セリファ:「じゃあ、証明してみせなさい。“風”と“水”を、一つにできるということを」

2,試練の始まり

突如、空気が震えた。

セリファが両手を広げると、真空の風が四方から襲いかかってきた!

スイ:「くっ……!」

水で盾を構えたその瞬間、ルナリスの水槍が襲いかかる。

風と水の精霊―契約者である彼女に、容赦ない試練を与えてくる。

セリファ:「“力を手に入れる”ことは、“責任を背負う”ことよ」

ルナリス:「恐れながら進め、スイ。それでも前へ進むと、選ぶなら!」

スイ:「……逃げない!!」

風と水が、衝突する。

スイ:「―セリファ! ルナリス!! 私は、もう一人で立ち止まりたくない! レイも、 ユイナちゃんも、シンも……みんな、前を見ているのに!」

3,極の開花―風神と水翔馬

風の精霊の刃が空間を切り裂く。

水馬の突進が世界の重力すら撥ね飛ばす。

その真ん中で、スイが叫ぶ。

スイ:「風精霊魔法.....極・風神!!」

風がスイの背から翼となって現れ、彼女を宙に舞い上げる。

回転する気流が周囲を守り、さらに加速する。

セリファ:「……やっと、風と一つになれたのね」

スイ:「まだ……終わってない!!」

ルナリスの水の波が、巨大な螺旋を描く―

スイ:「水精霊魔法....極・水翔馬ハイドロ・ギャロップ!!」

水と一体化したスイの体から、蒼銀の鎧が立ち上がり、

脚にはしなやかな馬の脚、背からは流れる水のたてがみ――

まさに、水馬そのものとなった姿。

ルナリス:「……この姿は……」

セリファ:「精霊融合の応用……精霊の魂と自分の想いを重ねた、擬精霊化ぎせいれいか……!」

スイ:「そして.........」

スイは、手を広げると、ルナリスを具現化し、水馬として姿を現した。

ルナリス:「すごい!元の力を存分に発揮できる!!」

4,心の叫び

スイ:「私は、“力”が欲しいわけじゃない!! “みんなと並んで立つ力”が欲しいの!」

風と水が重なり、彼女の足元に精霊の紋章が広がる。

空間が震え、風が息吹き、水が歌う。

ルナリスとセリファが、ゆっくりとスイに跪いた。

ルナリス:「お前の“怖さ”は、優しさだったのだな」

セリファ:「ならば、その優しさで切り開け。風と水の道を」

5,再び、進むために

静かな風が、スイの髪を撫でる。

蒼い光が、彼女の背を押した。

スイ:「私、行くよ。次はユイナちゃんの番だね。……ちゃんと、追いつくから!」《虚無の心臓》の奥に、また一歩、風と水が交錯する道が生まれた―。

次回―

ユイナの試練。

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