第69話『心を映す檻』
《虚無の心臓》へと続く黒の回廊―
一歩進むたび、空気が変わっていく。
魔力の揺らぎ。見えない「何か」が、彼らを見下ろし ていた。
1,異変の兆し
レイ:「……おかしい、道が……ずっと同じ景色が続いてる」
ユイナ:「結界……かな?」
スイ:「でも、誰の魔力……?....全然感じない……」
突然、空間が砕けるように軋む。
レイ:「…….!!」
そこに現れたのは、**彼女の“父親の背中”**だった。
顔は見えない、けれど、その背はどこか―
レイ:「……なんで、あなたが……ここに……」
声は出ない。思考も揺れる。
シン:「レイ!?」
レイは、何かを振り切るように頭を振った。
レイ:「……ごめん。なんでもない」
だが、その瞳には確かに―“迷い”が灯っていた。
2,アイン=ゼロの結界
ルチフェロ:「……これは、“意識共鳴結界”……アイン=ゼロの異能。精神に直接作用する空間だ」
モルス:「つまり、この空間では“最も弱い部分”が引きずり出される」
スイ:「……嫌な魔法。心に踏み込むなんて……」
ユイナ:「でも、それも……超えていかなきゃね」
仲間たちは、結界の奥へと進む。
3,過去の幻影
スイの目の前に現れたのは―小さな少女。
震える手で、自分の魔力に怯えている“過去のスイ”。
《魔法なんかいらない……こんなの、壊すだけ……》
スイ:「……もう、そんなふうに思ってない。あの時、シンに会って、私、変わったの」
“過去”は光に溶け、彼女はひとつ強くなる。
同じように、ユイナの前にも、昔の孤独な自分が現れる。
ユイナ:「私は……もう一人じゃない。家族も、仲間もいる……!」
幻影たちは静かに消えていった。
4,レイの異変
レイだけが、立ち止まったまま動けない。
空間の中心に―彼女の“父”の影が、再び浮かび上がる。
その影は、誰の言葉も借りず、ただ優しく、彼女に背を向けて立っていた。
レイ:《……これは、幻覚。わかってる。でも、どうして…》
シンが手を伸ばす。
シン:「レイ、大丈夫か?」
レイ:「っ……うん。平気」
しかし、その手は微かに震えていた。
《“父”の幻がどうしてこんなに……懐かしくて、悲しくて、怖い》
5,結界の崩壊
シンが一歩、強く地を踏む。
シン:「こんな幻……乗り越える。みんなで!!」
真魔法が炸裂し、空間全体に光の波動が走る。
レイ・ユイナ・スイ、それぞれの魔力が共鳴し、結界がひび割れ―
ついに、**“心を映す檻”**は砕け散った。
6,それぞれの胸の奥に
解けた結界の余韻の中、誰もが黙っていた。
ユイナ:「……私、やっぱりこの世界が好きだよ。守りたいって、思った」
スイ:「私は……魔法が怖くなくなったの、きっと、シンのおかげ」
シンは笑って、うなずく。
シン:「あ、そうだ....お前ら出てこい....」
シンの掛け声と同時にシンと契約している精霊・悪魔たちが一斉に出てくる。
「「どうした?」」
シン:「お前ら.....クロノ..いやアイン=ゼロと戦うまで俺の中で力を蓄えていてほしい.....」
「「了解!!!!!!!!」」
するとゼルグが前にでる
ゼルグ:「おい!!シン!!頑張れよ.....」
ゼルグは少し照れくさそうに言う。
シン:「おう!!相棒!!」
シンは、言う。
シン:「よし!!ここから別れて修行だ!!最後の修行になるかもしれない.....頑張るぞ....」
スイ&ユイナ:「「うん!!!」」
ただひとり、レイだけが、空を見上げていた。
レイ:《あの背中……あれが、本当に“父”だったとしたら……私、何を信じればいい?》
その迷いは、確かに彼女の中に根を張っていた―
だが、それを口にするのは、まだ早かった。
次回―
《虚無の心臓》へと続く最後の扉が開く。
クロノの真実が、ついに明かされる。




