第60話『裏切りの審判、そして喪失』
1,最後の兄弟戦
虚空に浮かぶグラヴィの漆黒の翼が、次元を裂く。
グラヴィ:「重力+死神魔法......終刻の鎌―!」
地面が重力で砕け、黒の魔圏が空間ごと沈み込むように広がっていく。
一方で、シンの身体からは、Ω細胞の共鳴により蒼白い魔力があふれ出ていた。
シン:「行くぞ……。これは、“進化の終着点”だ!!!」
―ぶつかり合う魔法と魔法。
鎌と拳、重力と抗重力、死神と希望の光。
シン:「魔領域....霊魂+進化魔法....魂殻領域....!!」
シンは、自分の魔領域を広げ、スイたちに、一時的な覚醒を与えた。
スイ:「力が...湧いてくる..!!」
レイ:「さすが...シン!!」
ユイナ:「これで.....戦える.....!!」
グラヴィ:「……!! 本気だな、シン……だが、俺も止まれない」
重力場のなかを縫うように、シンの拳がグラヴィの胸に届きそうになったが、グラヴィは華麗に避けた。
両者とも魔力はほとんどない。
グラヴィは一瞬、悪魔たちと会話をする
グラヴィ:《おい...ルチフェロ....モルス....もう俺の魔力は、ほとんどない.....お前らの心臓を くれ....》
ルチフェロ:《俺達の心臓を?一体なにを代償にするんだ?ww》
グラヴィ:《俺の心臓だ......ほんとはシンに勝てるかわかんねぇからな....全部くれてやる......》
モルス:《いいだろう........その代わり……10分間だ......お前がもっと強ければ...もっと長く 使える....》
グラヴィ:《十分だ》
グラヴィ:「.......悪魔同化...モード ルチフェロ+モルス....悪魔の力1000%...重 力+死神魔法....死重神...!!」
グラヴィは、ルチフェロ・モルスの力を最大限に発揮し、頭の横と前に、角が生え、死神の ようなマントをはおり、死神魔法のモルスを使い、鎌に具現化されている。
グラヴィ:「重力+死神魔法......死落......!!」
バァン!!
シン:「っく....!!」
シンは、重い重い重力に潰される。
だが、シンは、腰に掛けてあった刀を手に取り、
シン:「....悪魔同化モード ゼルグ 反魔法....全反斬....!!」
シンも負けじと反魔法で対応し、激しい戦いが続く。
その時....
パァン―ッ!
次元が裂ける音。空間が白く染まり、誰かが降り立った。
2,暗黒の兄
漆黒の宇宙のような装束。無機質な笑み。
彼の名は、クロノ―本名、クロノ=ルクシオ。
クロノ:「やあ、弟たち。美しい戦いだ。実に、進化の意味を見せてくれる」
シン:「……クロノ……ッ!!!」
クロノ:「シン........見損なったよ....進化を拒絶するとわ...」
シン:「俺は、未完成のままでいいんだ!!」
クロノ:「だから......お前は....出来損ないなんだよ...」
シン:「黙れ!!!!!」
シンは一瞬で加速する。
Ω閃駆―超最速の移動魔法。
狙いはただ一つ。クロノの心臓。
しかし―
クロノの動きは、それすら上回っていた。
グラヴィ:「……えっ……?」
クロノは、グラヴィの身体を自分の前に引き寄せ―
グシャッ!!
次の瞬間、シンの拳が、グラヴィの胸を貫いていた。
3,真実の告白
グラヴィ:「あ……兄ちゃん……なんで……?」
クロノ:「私はもう、お前たちが知っている“兄”ではない。」
映像が浮かび上がる
―宇宙からの干渉者、《原初の意志》との接触。
それは、かつてクロノが偶然アクセスしてしまった、宇宙の意識だった。
そしてクロノは、その存在に“身体と魂”を明け渡した。
彼は嘲笑する。
クロノ:「やはり、人間は面白いよ。たかが一人の人間が死んだだけで、こんなに泣くとは」
クロノ:「“感情”というエラーコードこそ、君たちの限界さ」
クロノ:「それに、あの時を思い出すよ。乗っ取る瞬間、クロノは泣いていたよ。家族だけは ……ってな」
グラヴィの口元が、わずかにほころぶ。
シン:「グラヴィ!!.........ごめん........ごめん...ごめんなさい....」
グラヴィ:「…お前のせいじゃない…シン。……あいつを……兄ちゃんを、止めてやってくれ ……頼む……」
そして、光の粒となって、彼の身体は消滅した。
そして、グラヴィの力は、すべてシンへと受け継がれた。
4,怒りの爆発
クロノ:「やはり.....人間の血は汚いな....」
シン:「クロノ!!!!」
感情の限界が、魔力の限界を超えた。
シンの魔法は、暴走。誰も抑えられない
無数の星が砕けるような轟音と共に、クロノへと魔力が殺到―
だが。
クロノは、指を一本動かしただけだった。
そしてその全ての魔法が、無に帰された。
クロノ:「レベルが違うよ、シン。君はよく頑張った」
次の瞬間―
シンの腹部を、黒い刃が貫いた。
ユイナ:「シンくん!!!」
スイ:「やだ!! シン!!」
レイ:「シン!!!」
しかし、クロノは冷淡に背を向けた。
5, 審判の刻、迫る
クロノ:「来る審判は―1年後だ」
クロノ:「それまでに、最後の稽古をつけるといい。君が“俺”を殺せるようにな」
クロノ:「……まぁ、無理だと思うけど」
そう言って、彼は虚空に溶けて消えた。
残されたのは、倒れ伏したシン。
その指が、虚空へとわずかに伸びる。
シン:「……やる……してやる……殺してやる……」
その言葉を最後に、意識が途絶えた。
―ついに、物語は、世界危機編(最終)へ!!
次回―
敗北の目覚め。




