第54話『残響の記憶、クリナの涙』
1,響律の魔法
ユイナ:「……届いて、クリナ。あなたの、残した声に……!」
ユイナの手が震える。
だがその指先に、確かな音が宿る。
ユイナ:「.....響律魔法.....パストリズム ―再奏」
流れる音は、やさしい日々の記憶。
―「ほっぺで許してあげる……大好きだよ、シン」
―「誰かのために戦うあんた、カッコいいよ」
―「でも……私は、私の“願い”を諦めたくなかったの」
クリナの足が、ふらりと止まる。
クリナ:「あ……あぁ……」
その目に、赤い呪印とともに、一滴の“涙”が浮かぶ。
ネクロ:「……くだらん」
ネクロの骨の腕が振り下ろされ、響律の音をかき消そうとする。
だが―。
2,シンの“覚悟”
シン:「……もう、止まれない」
E細胞が活性化する。
緑の光が身体を包み、骨が軋む。
シン:「“モードチェンジ・宇獣型... 進化魔法.....ヴォルカニック”……!」
手から鉤爪。背からは光を放つ尻尾。
そして、胸から放たれる―
地面をえぐり、骨の軍勢を貫く!
ネクロ:「……進化か。ならば、こちらも“過去”を突きつけよう」
ネクロが再び《屍兵団》の札を掲げる。
ネクロ:「起きろ―“死者たち”よ」
そこには……また、見覚えのある顔が
レイ:「まさか……あれは……!」
スイ:「ウソでしょ……?」
戦いの中、次々と“誰かの過去”が、亡霊として現れる。
3,クリナの“心”が戻る瞬間
響律の音が、かすかに鳴り響く中―
シンの前で、クリナの足が止まる。
クリナ:「し……ん……?」
その声は、もう“機械の命令”ではなかった。
涙が、頬を伝う。
シン:「……戻ってこい、クリナ。俺はまだ……お前に、ちゃんと“ありがとう”って言えてねぇから!」
クリナ:「ごめんね……私……ずっと……」
その瞬間、胸の呪符が砕け、光が爆ぜた―!
ユイナ:「成功……したの?」
クリナの身体が力なく倒れる。
だが、もうその目には“正気”が宿っていた。
クリナ:「……こんな形で、もう一度会うなんて……ずるいよ、シン」
シン:「……もうこれ以上....仲間を失いたくないんだ……おかえり」
4,終焉と、新たなる決意
ネクロ:「……チッ。想いが死者を縛るとは、皮肉なものだな」
シン:「言っただろ? “死者”だって、“生きてた”んだ。その記憶も、願いも、俺たちが背負っていく」
ネクロ:「ならば、次は―“俺の全て”で試してやろう」
骨の魔印が解放され、彼の身体に“黒き王冠”が浮かぶ―
レイ:「……本気、くるよ」
スイ:「負けられないね……だって、あの人があそこまでやってるんだもん!」
ユイナ:「……クリナを取り戻せたなら、今度は“勝ち取る”番!」
クリナを取り戻したシンたち。
次回―
本当の戦いがここから始まる




