第46話『獣の咆哮と響律の祈り』
1,解き放たれた咆哮
魔法獣の群れが四方八方から襲い来る。
空間を裂く咆哮。
振り上げられる鉤爪。
シンの体は完全に「モード:獣型」へと進化していた。
尻尾は二又に分かれ、先端に棘が生え、雷光のような魔力を放つ。
口元が開き、低く唸る。
シン:「―吠えろ、《エクス・ハウル》!!」
口から放たれた破壊の咆哮は、波動となって前方の大地ごと敵を薙ぎ払う。
その力は、まさに怪獣兵器のごとき破壊力。
ゼルグ:「……理性を保ってるのが信じられん。あれでまだ“フェイズ1”とはな……」
だが、敵は次第に“数”を増していく。
複数の魔法獣が、シンに同時に飛びかかる。
そのとき―!
ユイナ:「もうっ……黙って見てられないっ!! 響律魔法.....リフレイン・コード......!!」
ユイナの指先から、音波のような魔法陣が展開する。
彼女の**“響律魔法”**は、音を通じて味方の動きを補佐し、敵の行動を乱す特殊系魔法。
戦場に柔らかな旋律が響いたかと思えば、魔法獣たちの動きが一瞬だけ鈍る。
シン:「ナイス、ユイナ!」
ユイナ:「べ、別に……あんたが勝手に暴走しそうだったから助けただけよ!」
2,獣と少女の共闘
戦場の中心で、ユイナとシンは背中を預けるように並び立つ。
ユイナ:「……ねえ、ちょっとだけ頼ってよ」
シン:「……ありがとう。頼りにしてる、ユイナ」
ユイナの鼓動が高鳴る
ユイナ:「っ……!」
魔法獣が再び押し寄せる―
だが、今度は2人で迎え撃つ!
シン:「進化魔法....クロウ・ブラスター....全解放!!」
ユイナ:「響律魔法.....レゾナンス・ガード....!」
緑色の爆雷と音の盾が交錯し、戦場を支配する。
“力”と“音”―まったく異なる魔法が、完璧なタイミングで絡み合う。
その瞬間、どこか遠くから“誰か”がその様子を見ていた。
???:「……やはり、“E細胞”は本物だな。シン=レグレイド……お前の進化は、世界を変えるかもしれない」
その影は、静かに背を向け、闇に消える。
3,獣型の代償
戦闘が一段落し、シンは膝をつく。
ユイナ:「シン、大丈夫!?」
ゼルグ:「……あまり使いすぎるな。E細胞は、お前の命を削っている」
シン:「分かってる……でも、俺は……止まれないんだ……」
シンの体にはひび割れのような痕が浮かんでいた。
E細胞の“暴走の兆し”―確実に、何かが近づいていた。
ユイナ:「……だったら、止まらなくていい。私が、あなたを引き戻す。何度でも―」
その声に、シンはわずかに笑みを浮かべる。
夜が明けてゆく。
そして、遥か遠く。
ついに―“レイ”と“スイ”の修行が最終段階へと差し掛かっていた。
次回―
雷と風のものたち。




