表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/195

第43話『進化するもの』

1,火花と爆煙

クリナ配下の刺客が、ユイナに迫る。

魔法が発動され、紅い魔弾が放たれる―

そのとき。

???:「……そこまでだ」

風が、爆炎を裂いた。

ユイナの前に現れたその影は、ボロボロのコートを羽織り、腕から血を滴らせていた。

ユイナ:「シ……ン……!?」

シンは視線も逸らさず、敵を睨みつけたまま言う。

シン:「悪い。遅れた……けど、もう大丈夫だ」

ユイナは言葉を失った。

その姿は、どこか……“異質”だった。

その瞬間、シンの右手が静かに胸元へと動く。

1,E細胞発動

シン:「……これ以上、手加減してたら死ぬな….」

静かに呟き、瞳を閉じる。

そして、次の言葉が空間を震わせた。

シン:「... 進化魔法......《E細胞》起動...!!」

魔力が、爆発的に拡散する。

世界が一瞬、無音になった。

まるで時間が凍ったかのように、全てのものが動きを止める中―

“それ”は目覚めた。

2,E細胞(Evolution Cell)とは

かつて失われた超古代魔法の一種。

生物の遺伝的限界を打ち破り、外部環境や戦闘状況に応じて、持ち主を“適応・進化”させる。

だが、それは同時に“人の形”を捨てる魔法でもある。

E細胞は、シンの魔力核の奥深くに潜んでいた。

いつ植え付けられたのか、なぜ彼だけがそれを持つのか―未だ謎に包まれている。ただ、確かなのは............

この細胞は、“生き残ること”だけに特化している

3,姿の変化

爆発音と共に、シンの身体が変化していく。

黒銀の鱗が首元から腕へ、胸元へと広がっていく。

両手は鋭い鉤爪状となり、指先が“獣”のように変化する。

背中からはしなやかでしなる、**三節のしっぽが伸びる。

口元はわずかに裂け、牙が見えた。

瞳は鮮やかなエメラルドグリーンに輝き、縦長の爬虫類のような虹彩が浮かぶ。 全身からは濃厚な魔力と、“適応圧”**と呼ばれる圧力波が放たれる。

ユイナ:「本で見たことある……まるで、宇獣みたい……」

彼女はそう呟いた。

だが、恐怖ではなく、目に映るのは“圧倒的な安心”だった。

4,戦闘開始

敵が動く―が、もはや視えない。

シンの鉤爪が一閃し、空間を断つ。

シン:「進化魔法....牙迅裂がじんれつ....!!」

その一撃で、空気が砕け、刺客の身体は裂かれた。

後方から襲いかかるもう一体の魔法士へ、シンは尾を回転させて叩きつける。

シン:「進化魔法.....尾撃・斬尾螺旋おげき・ざんびらせん........!!」

一瞬のうねり。

回転と同時に閃光が走り、尾の切先が爆発を起こした。

残党が震える中、シンの身体からはさらに魔力が吹き上がる。

その手のひらに、緑色のビーム状のエネルギーが集中する。

シン:「進化魔法......ビオスブレイザー....!!」

放たれた緑の砲撃が、周囲をなぎ払い、森の木々を消し飛ばす。

5,感情と静寂

戦いが終わる。

ユイナは駆け寄るが、すぐそばで止まる。

なぜなら、彼の背には“獣のような影”が宿っていたから。

ユイナ:「……戻って、シン!!」

シンは一歩、踏み出す。

鱗がゆっくりと剥がれ、爪が人の形へと戻っていく。

だが―その目は、どこか“遠く”を見ていた。

6,終幕の会話

ユイナ:「ありがとう……助けてくれて。でも、もう無茶はしないで」

シン:「……無茶じゃないさ。俺は、そういうふうに造られてる」

ユイナ:「……?」

彼女には、その言葉の意味は分からなかった。

けれど―

胸の奥が、ざわめくのを感じていた。

まるで、“彼が遠くへ行ってしまう”ような感覚。

そして、彼女の心の―

小さな感情が、名前を持ち始める。

それが、“恋”という名だと気づくには、もう少しだけ時間が必要だった。

次回―

進化の代償とは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ