第39話『それぞれの誓い』
1,それぞれの朝
―リゼル=ファーレ近郊、避難地。
瓦礫の街を抜けた森の奥、小さな川のほとり。
スイとレイは、静かに朝霧の中に立っていた。
崩壊した都市を背に、それでも諦めぬ瞳で、空を見上げる。
レイ:「……シンは、生きてる」
スイ:「あいつが、あんな簡単にやられるわけないじゃん」
レイ:「でも、今は……私たちが、“追いつかなきゃいけない”」
ふたりは無言で頷き合い、剣と魔力の鍛錬を始める。
彼の隣に立つために―
2,スイとレイ、それぞれの修行
スイ。
霧が立ちこめる水辺。
スイの前には、風の精霊セリファと、水馬のルナリス。
セリファ:「風は気まぐれ。でも、あなたの心が“静か”なら、きっと応えてくれるよ」
ルナリス:「流れに乗れ。迷わず、止まらず……それが“生きる水”だ」
スイは深呼吸しながら、風と水の融合魔法を展開する。
彼女の掌から、澄んだ蒼の渦が空へと昇っていった。
レイ。
崖の上で、レイは剣を振っていた。
彼女の後ろでは、空間のアークネス、雷のレグルス、炎のフレ、そして影のシャドウがそれぞれ見守る。
レグルス:「迷うな。お前の剣は、守るためにある」
フレ:「感情に飲まれれば、冷たさは鋭さを失う」
シャドウ:「お前はもう、誰かに守られる側じゃない」
アークネス:「お前は、守る側だ」
レイ:「……私は、力を手に入れる。“あの人”の隣に立つために!」
岩を斬る音が空に響いた。
3,異国の地―シンとユイナ
その頃―
遥か遠くの異国の村。
和風の家屋が立ち並ぶその土地で、シンは焚き火の前にいた。
彼の傍には、静かに腰を下ろす少女―ユイナ。
ユイナ:「ねえ……また空、見てるの?」
シン:「ああ。あいつらも、きっと今どこかで空を見てる気がしてさ」
肩に乗るカイラが、ぽつりとささやく。
カイラ:「……でも、あなたの中の“E細胞”、どんどん反応が強くなってる。進化魔法の“根” が、目覚めかけてる……」
ゼルグは、後ろから現れる
ゼルグ:「いずれ制御できなくなるかもしれん。だが……それもまた“お前らしさ”
か」
シン:「だったら、“超える”しかない。俺の全部を、前に進ませるだけだ」
ユイナはそんな彼を、少し複雑そうに見つめていた。
ユイナ:《……シンってさ、そういうとこ……ズルい》
少し頬を赤らめた
リョウガ:「シン!!一つ頼み事があるんだがいいか?」
シンは少し不思議そうに言う。
シン:「いいけど.....どうしたの??」
リョウガ:「ユイナをお前の旅に連れてってやってくれねーか.......」
ユイナは、呆然とする。
ユイナ:「え...なんで....」
リョウガ:「俺だって不安はある....けど.....ユイナに世界を知ってほしいんだ....こんな古い村なんていたら......息ができないだろ??」
シン:「わかった....リョウガ....ユイナのことは任せてくれ...絶対に守る。」
リョウガ:「じゃあ決まりだな!!よろしく!!シン!!!」
ユイナは、少しほっぺを赤くする
ユイナ:《……気づかないくせに、あったかくて……ずるいよ……バカシン...》
4,一方、ルクシオ三兄妹
暗い遺跡の中。
ネクロとグラヴィは、“魔印”の拡張を進めていた。
ネクロ:「……シンのE細胞、俺たちの魔法構造すら書き換えられるかもしれない」 グラヴィ:「“進化”は脅威だが、同時に……鍵にもなる」
グラヴィ:「“世界の再構成”のために、あいつは必要になる。破壊ではなく―“融合”だ」
その言葉に、歪んだ魔印が応えたように脈動する。
5,夜―それぞれの誓い
スイは、湖のほとりで手を握りしめていた。
スイ:「絶対、迎えに行くからね、シン……」
レイは、焚き火の前で剣を膝に置き、目を閉じる。
レイ:「私も戦う。隣で……あなたを守るために」
ユイナは、窓の外の月を見ながらつぶやく。
ユイナ:「隣にいたい……ただ、それだけなのに……」
そして、シン。
焚き火を見つめながら、ふと呟いた。
シン:「もう、逃げない。進化がどうだろうが……俺が、俺のやり方で守る」
その夜、流れ星がひとつだけ―南の空を横切った。
次回―
シン、またもや進化!?




