第34話『巨大魔法都市・レゼル=ファーレ』
朝焼けが、彼らの行く道を赤く染めていた。
旅路の先に広がるのは、空に浮かぶ巨大都市《レゼル=ファーレ》。
かつて魔導の都として 栄え、今は世界中の魔法士たちが集う“中心”―
そして、情報と陰謀が渦巻く、策略の 街。
シンたちは、緊張と期待を胸に、その門をくぐる。
1,リゼル=ファーレの風景
高層建築が空へ向かって伸び、空を駆ける浮遊列車が音もなく都市を巡る。
異種族、精霊族、獣人族、様々な存在が共に暮らすこの都市は、まさに「交差点」。 レイ:「……すごい、まるで別世界」
スイ:「すっごい人混みだね……迷子になりそう」
その肩で、水馬・ルナリスがぷかぷかと宙に浮いていた。
水のしずくを跳ねさせ、くるくると回る。
ルナリス:「人間がいっぱ〜い!おまつりみたいだね〜!」
スイ:「ちょ、ルナリス、浮かないで!目立っちゃうでしょ!」
その隣で、風の精霊・セリファがため息をつく。
セリファ:「騒がしすぎるわ……風が乱れる」
スイ:「セリファの潔癖センサー、ここだと壊れちゃうね」
ゼルグ:「全員、気を引き締めろ。ここでは“誰も信じるな”だ」
シンは街の空気を肌で感じながら、小さく頷く。
レグルス:「都会ってこんなに……エネルギーが濃いのか」
シャドウ:「気配がごちゃついている。……隠れるには都合がいいがな」
アークネス:「歪みも強い。この都市、普通じゃないな……」
彼の足元には、カイラ(霊魂の精霊)が淡く光る姿で佇んでいた。
カイラ:「……シン、気をつけて。この都市、“何か”が眠ってる」
彼の視線の先―
そこには“気配”があった。潜む視線。ざわつく空気。誰かが、彼らを見 ている。
2,情報収集と接触
一行は、シンのかつての仲間が経営する情報屋を訪ねる。
ロッシュ:「シン坊!!やれやれ、生きて帰ってくるとは……地獄から這い上がってきたみたい な顔してるぜ」
ロッシュは口元に笑みを浮かべながらも、真剣な目で言った。
ロッシュ:「見慣れねー顔だな。俺は、ロッシュ。よろしくな!!」
スイとレイは一瞬ぽかんとするが、すぐに挨拶を返す。
ルナリス&セリファ:「よろしく〜/ふん、礼儀はあるのね」
レイ:「私はレイ。この間、転校してきたの。」
フレがレイの肩からひょこっと顔を出す。
フレ:「オレもいるよ〜!よろしくぅ!」
ロッシュは、少し驚いた顔で言う。
ロッシュ:「こいつら……悪魔と精霊?まさか、全員、契約してんのか……」
ゼルグ:「文句あるか?」
ロッシュ:「いや……とんでもねぇな……」
シン:「あ、そっかお前らは知らないんだっただな。こいつは、ロッシュ。俺が、中学の時、転校した先の学校で、意気投合してな。親友になったんだよ。」
ロッシュはやややや圧されながらも、ロッシュは言葉を続けた。
ロッシュ:「今、世界は動き始めてる。“ルクシオ三兄妹”が、各地で不穏な動きをしてるって 話だ。何か……でかい戦争が、来るぞ」
シンたちは、互いに目を見交わす。
カイラが小さく震え、静かに囁いた。
カイラ:「……また、“時”が揺れる……嫌な予感がする」
一方.............
街の片隅。黒いフードの者たちが集まっていた。
ネクロ:「……リゼル=ファーレに、シンたちが入った」
クリナ:「どうする?襲っちゃう??」
グラヴィ:「まだだ……まずは“試す”。我らの計画のために、彼らがどこまで価値ある存在か。 壊すのは、それからだ」
影はすでに街に潜り込んでいる―その足音すら、感じさせずに。
3,シンたちの新たな目標
情報を得たシンたちは、都市で出会うはずの“ある魔導研究者”の元を訪ねることを決める。
その男の名は―《ヴァルナ=シュタイン》。
かつて、ルクシオン家に雇われていた魔導工学の第一人者。
そして、“四兄弟”に通じる何かを知っている、鍵の人物。
ゼルグ:「ここからは、本当の戦いになるぞ、シン」
セリファ:「……私たちの力も、試される時が来る」
アークネス:「次元の狭間が騒ぎ始めた……急いだ方がいいな」
シン:「分かってる……だけどもう、迷わない。俺たちは、進むんだ。―ラグ=ノクスの意志を継いで」
空を見上げたシンの瞳に、レゼル=ファーレの塔が映る。
その影が、世界の運命を覆う前に。
次回―
静寂の中の研究所へ!




