第33話『動き出す絶望の影』
1,静けさ
ラグ=ノクスとの死闘を終えた地には、倒木、焦げた大地、焼けた空気の名残が漂ってい た。
だが、シンたちの姿はそこにはなかった。
彼らはすでに旅立っていた。
戦いの痛みと重みを背負いながら、新たな一歩を踏み出していたのだ。
1.ラグ=ノクスの“意思”を継いで
森を離れた夜、彼らは焚き火を囲み、しばし無言の時間を過ごしていた。
スイ:「……ラグ=ノクスのやつさ、最後は、ただの“悪”って感じじゃなかったな」 レイ:「……うん。あの人も、何かを守ろうとして……でも、それを見誤ったのかもしれない」
シン:「……ああ。俺たちは、ああならないように進まなきゃな」
静かな風が、火の粉をさらっていく。
シンの頭の上では、小さくなったゼルグがふんぞり返っていた。
ゼルグ:「お前たちはまだ未熟だ。だが……気概だけは、認めてやろう」
スイ:「上から目線すぎない!?悪魔のくせに」
ゼルグ:「ほう? では貴様、次の修行地では泣かない自信があるか?」
スイ:「……」
笑いが零れる―ほんのわずかに、安堵が混じる。
2.再始動―そして、“都市”へ
レイがふと立ち上がる。
レイ:「このまま、森にいても何も変わらない。次に行くべきよ」
シンもうなずき、スイも立ち上がった。
シン:「よし、向かおう。“魔法都市・レゼル=ファーレ”へ」
その名は、古代より続く魔法と学問の中心地。
情報が集まり、魔導士たちが交差する都市
そして、あの“三兄妹”の影が囁かれ始めてい る地でもあった。
レイ:《レゼル=ファーレ……あの街には、私の“始まり”がある》
そして―彼らは歩き出す。
同じ頃、アルナスの森・戦場跡
ラグ=ノクスの死闘の痕が刻まれた焦土。
誰もいないはずのその場所に、ひとつの影が音もなく降り立つ。
黒いローブ、冷たい眼差し―その男は、崩れた大地に指を這わせた。
???:「……これが、“彼”の最期か。ラグ=ノクス……哀れな友よ」
その背後から、またつの気配が現れる。
歪んだ骨の仮面と、血の香りを纏った影―
ネクロ=ルクシオ(次男):「終わったな。だが、ここからが始まりだ。俺たちの計画が。」
クリナ=ルクシオ(三女):「 ねぇ兄さんたち、私、“シン”って子、やっぱり気に入ったよ。壊したくなるよね?」
グラヴィ=ルクシオ(長男):「ならば、会いに行くとしよう。俺たちの存在―その意味を、 教えてやろうじゃないか。」
そして、ルクシオ三兄妹は静かに歩き出す。
滅びを告げる三本の影が、世界に忍び寄っていた― 。
次回―
世界危機編、本格始動!




