第30話『悲しき決意、世界を壊す者』
1,真実
激闘の果て、荒れ果てたアルナスの森には、凄絶な魔力の余韻が残っていた。
ラグ=ノクスの仮面は黒く染まり、彼の姿は人ならぬ“災厄の化身”そのものに変貌してい た。
スイ:「まだ立ってる……!? こんなにボロボロなのに……!」
レイ:「ちがう……これは、“意志”だ。彼の中にある、壊れた祈りの形……!」
シンは刀を握りしめ、前に進み出た。
シン:「……答えてくれ、ラグ=ノクス。なぜ、お前は……世界を壊そうとする?」 ラグ=ノクスは初めて仮面を外した。
露わになった顔は若く、穏やかな表情だった― 。
ラグ=ノクス:「……腐っていくんだ、この世界は。ゆっくりと、だが確実にな」
ラグ=ノクス:「人間たちは、力に魅入られた。自分たちが使う“魔法”が、どれだけ世界を蝕んでいるかなんて考えもしない」
ラグ=ノクス:「俺は、それに気づいた。そして止めようとした……クローディア四兄弟をな……」
ラグ=ノクスは話を続ける。
ラグ=ノクス:「ルチフェロの重力、ベルゼブブの骨、メギキュラの血……あいつらの魔法 は、世界の根幹を崩す“呪い”だ」
ラグ=ノクス:「けど、俺が訴えても、誰も聞いちゃくれなかった。むしろ、俺を化物扱いした ……!」
彼の叫びは、怒りというよりも悲しみに満ちていた。
ラグ=ノクス:「笑えるよな? 本当の災厄はあっちなのに、俺だけが“世界の敵”扱いだ ……!」
ラグ=ノクス:「……挙句の果てに、俺の故郷―アルナス族は、“正義”の名のもとに滅ぼされた」
ラグ=ノクス:「“悪魔の血が混じっている”だの、“災厄の民”だの……全部、作られた恐怖と 偏見の産物だった」
ラグ=ノクス:「子供も、老人も、何も知らない人々まで……何もかも、ルクシオ三兄妹の魔法によって消し飛んだ」
彼の拳が震える。涙は流れない。ただ、絶望と虚無だけがその瞳に宿っていた。
ラグ=ノクス:「俺は、ただ……守りたかったんだ。大切なものを。世界を。……けど、もう遅い」
ラグ=ノクス:「ならばせめて、“終わらせる”しかない。この腐りきった世界を……!」
厄災の雷鳴が轟く。ラグ=ノクスの背に、黒き仮面が再び浮かび上がる。
ラグ=ノクス:「これで最後だ。ガキども.......」
シン:「……そうか。なら、俺たちがやることは変わらない」
スイ:「壊すんじゃない、変えるために戦うの!」
レイ:「あなたの絶望は……私たちが背負う!」
三人の魔力が一点に集まり、災厄の王と希望の戦士たちの、最終の衝突が幕を開けた!
次回―
ついに、決着!!




