第29話『交錯する想い、極限の力』
アルナスの森の中心部、かつて静寂に包まれていた聖域は、今や魔力の嵐に飲み込まれ ていた。
漆黒の風が森を引き裂き、空は不穏な赤に染まる。
仮面をつけた男―ラグ=ノクスは、静かに手を広げた。
ラグ=ノクス:「……さぁ。終末の始まりだ....」
白く神聖だった仮面は、戦闘の高揚と共に黒く変色していく。
角のように伸びた装飾は、鹿の気高さと羊の沈黙を併せ持つ、不気味な威厳を放っていた。
次の瞬間、空間ごとが震える。
ラグ=ノクス:「災害魔法.......黒嵐雷鎖...... !!」
雷と闇が混じり合う鎖が、空間を捩じって襲いかかってくる。
シン:「来るぞッ!」
シンが叫び、スイが水壁を展開する。レイはその前に立ち、拳を握る
レイ:「影魔法......影連舞.......!」
影が地面から鎖を絡め取り、爆発的な衝撃を受け流す。
スイは即座に氷の矢を放ち、
スイ:「水精霊魔法......氷月斬...........!!」
白銀の流れが空を裂き、ラグ=ノクスの周囲を包囲するが──
ラグ=ノクス:「美しいな。だが、それは脆い。」
ラグ=ノクス:「災害魔法...........灼黒波動....!!」
轟音と共に炸裂。氷は弾け飛び、スイの体が後方へ吹き飛ばされた。
スイ:「う……ぐっ……!」
シン:「スイ!!」
だが、スイはすぐに立ち上がる。その眼差しに、迷いはない。
スイ:「まだ……終わってない」
レイは己の内に問いかける。
フレとシャドウ、2体の悪魔が共鳴し始めていた
レイ:「私に迷いなんてない。ここで、終わらせるのよ!」
炎と影がレイの体を包み込み、双の角が生える。
レイ:「雷+炎+影魔法........終焉焦雷陣.......!」
影の中から無数の炎雷の槍が現れ、ラグ=ノクスに向かって、飛んでいく。
だが、その仮面が呟いた。
ラグ=ノクス:「仮面魔法.........虚空の面..........!!」
次の瞬間、レイの拳が届く直前に空間が“沈む”。
虚無に引き込まれ、攻撃の軌道が歪められた
レイ:「ッ……!」
ラグ=ノクス:「強くなったな、レイ。だがまだ、破壊に至るには足りん。」
シン:「なら、俺が埋めてやる!!」
シンが跳び出す。
ゼルグと完全同化し、背に炎の翼を持ち、霊魂の精霊カイラの力を得てその姿は
神領域に踏み込んでいた。
シン:「神領域.....断魔・終式......!!」
巨大な刃が雷と火を纏い、空を貫く。ラグ=ノクスに向かって一直線に放たれたその瞬間、 世界が震えた―
ラグ=ノクス:「くあぁぁ!!」
ラグ=ノクスに重い一撃が入る。
すると―
ガル・ラム:「ラグ兄!!!」
負傷したガル・ラムが走ってきた。
ラグ=ノクス:「なぜ!?安静にしてろと言ったじゃないか!!」
ガル・ラムが謝る。
ガル・ラム:「ごめん。ラグ兄。でもラグ兄が心配で.......俺の生命を使って。」
ラグ=ノクスが動揺する。
ラグ=ノクス:「いいのか?」
ガル・ラムは、黙って頭を上下に揺らす。
すると、ラグ=ノクスは、ガル・ラムの生命を吸い取り、回復した。
ラグ=ノクス:「ありがとう........ガル......やってやる。すべて、破壊してやる.........!!!」
ラグ=ノクスは、覚醒し、さらに力を得る。
そして、魔法を放つ。
ラグ=ノクス:「古代究極魔法......原初崩壊...!!
大地が割れ、空が砕け、光そのものがねじれるように消えていく。
シン:「くそっ……! まだ……力を…..!」
スイの水が守りを展開し、レイが拳で空間を抉り返し、シンがその中心を貫こうとする。
その力が、ついにひとつに重なった―
光、闇、水、炎、影、そして魂。
三人の魔力が呼応し合い、空間に共鳴のうねりが走る。
ラグ=ノクスの仮面が軋み、ひび割れ始める。
ラグ=ノクス:「ほう……これは……“想定外”だ」
彼の目が、かすかに揺れた。
この瞬間、彼にも見えたのだ。希望の“光”が―。
そして、戦いは最終局面へ。
次回―
ついにラグ=ノクスの真実が明らかに!!




