第19話『雷と誓い』
1,影の存在
漆黒の空間、そこは“己の影”と向き合う魂の試練の場。
雷鳴すらも凍てつくような沈黙の中、レイはひとり、冷たい大地を見据えていた。
レイ:「ここが……私の心の闇?」
どこか懐かしく、それでいて薄気味悪い―そんな空間。
ふと前方に、もう一人の“自分”が現れる。
だが、その姿はボロボロで、瞳には絶望しかない。
影レイ:「戦士? 笑わせないでよ。あんたが誰かを守れたことなんて、一度でもあった?」
レイ:「……!」
影レイ:「力もない、覚悟も中途半端。いつも仲間の後ろに隠れて、なのに理想ばっかり掲 げてる」
レイは言い返せなかった。
心のどこかで、自分がそうだったことを知っていたから。
そのとき、脳裏に声が響く。
???:《お前がここで倒れたら、それで終わりだ。力を使いこなせ、“雷の悪魔”としての契約を忘れるな―》
それは、彼女の中に眠る存在―
雷の悪魔の声。
2,過去との対峙
レイの試練は、“自身の無力だった過去”と“悪魔の力への恐れ”に向き合うこと。
影レイ:「あのとき、力があれば救えた命があった。なのに、あんたはただ泣いてるだけだっ た」
レイ:「……それでも!」
槍を手に構えるレイ。
瞳には怯えではなく、確かな決意が宿っていた。
レイ:「今の私は、違う! レグルスの力も、この手で制してみせる!!」
すると、レイの腕には、新たな魔印が浮かぶ。
稲妻が轟く。
雷が彼女の身体に流れ込む。
悪魔の力が共鳴し始める。
レイ:「.....悪魔同化(デビル•ダイブ)...........モード レグルス.............!!」
──その姿は、“雷の戦乙女”のような、雷光に包まれた美しき戦士。
影レイ:「本当に……その力を制せるの?」
レイ:「私が誰かの背中を見て怯えるのは、もう終わり!」
天から落ちた雷が、彼女の槍を通して閃光となり、影の自分を貫く!
影レイ:「ぐっ……!」
雷鳴とともに、幻影の影が砕けていく。
3,雷の誓い
静寂が戻る空間で、レイはゆっくりと目を閉じた。
胸の奥には、燃えるような“誓い”があった。
レイ:「私は、あのときの自分を超える。もう誰も、失わせない」
その瞬間―
空間が震え、「魂の修行の扉」が開く。
遠くで感じる二つの魔力。
それはシン、そしてスイの気配。
雷の悪魔レグルスの声が再び響く。
レグルス:《その誓い、見届けさせてもらおう。雷の名にかけて》
そして、レイは歩き出す。
次回―
新たな力と共に。新たな意志と共に。