第177話『神・悪魔同化』
バハムートの魔力が限界を迎え、青き竜の輝きが静かに消えていく。
イツキの身体から、蒼い光が抜け落ち、次に現れたのは――
1,悪神・降臨
漆黒の炎。
クロ:「……来る……!」
セナ:「まさか、今ここで“アイツ”が……!」
ミリ:「イツキ、大丈夫……? 意識が……!」
イツキの周囲に、黒き魔紋が展開される。
重く、冷たく、それでいてどこか懐かしい存在――
その声が、イツキの中から湧き上がった。
サタン:「……やれやれ、ようやく俺の出番かよ。バハムートも無理しやがって……」
イツキ:「……頼む、サタン。今は“壊す力”が必要なんだ……!」
サタン:「チッ……まったく、相変わらずお人好しだな、イツキ。だがいいぜ。壊してやるよ ――全部な!」
黒炎が弾け、イツキの姿が変貌する。
2,神・悪魔同化
――《神・悪魔同化》、発動。
バハムートの神聖さとは対極にある禍々しい姿。
全身を漆黒の鎧で包み、背中には炎を帯びた悪魔の翼。
瞳は血のように赤く、空気そのものが震え始める。
セナ:「……っ、これが“本気のサタン”……!」
ミリ:「バハムートとは違う……これは、“完全な破壊”の姿……!」
クロ:「……でも、あれはイツキだ。私たちの……!」
サタン:「オイオイ、感動してる場合か? ここからが地獄の本番だぜ」
シン:「……魔神の力か。かつて俺が破った存在が、今さら何を──」
イツキ:「やるぞ...サタン....」
サタン:「あいよ.........」
バンッ!!
3,サタン・反撃
その瞬間、サタン(イツキ)が視界から消えた。
シンの頬が切られ、黒い血が滲む。
シン:「……!」
サタン:「オイオイ、今のが見えなかったのかよ、“神”さんよォ?」
圧倒的なスピードと攻撃力。
バハムートとは違う、“破壊の本能”がサタンの一撃一撃に宿っていた。
セナ:「すごい……今のは、完全に……!」
ミリ:「戦闘スタイル自体が……全然違う……!」
クロ:「破壊に特化した……“魔神そのもの”」
シン:「……だが、“秩序なき力”に、未来は託せん!!」
――ドオォォォン!!
シンが堕神魔法《斬界の光》を放つ。
空間そのものを切り裂く波動が、サタンに直撃――
だが。
イツキ:「……遅ぇよ」
イツキの腕が、真横からシンの腹を貫いていた。
シン:「……ぐっ……!」
サタン:「これが俺たちのやり方だ。破壊で語る、魔神の戦いだァ!!」
空が砕ける。世界が怯える。
《神・悪魔同化》
それは、神に匹敵する悪神・サタンと同化する技。
同化すると、圧倒的な力と能力が手に入る。
しかし、当たり前のように代償がある。
それは、使いすぎるとサタンに精神を侵食させる。
これは、サタンの性質的な問題で、たとえサタンがいやだと拒んだとしても、侵食は続く。
だがその中で、イツキの本来の意識が微かに残り続けていた。
イツキ:「サタン………“壊すだけ”じゃなくて……守るぞ……みんなを……」
サタン:「チッ……お前ってヤツは、どこまで“人間”なんだよ……」
サタンの瞳が、わずかに揺れる。
だがその拳は、止まらない。
次回――
悪神の力がイツキの体を侵食していく中、ある人が現れる。




