第174話『断界』
堕神・シンが魔領域を展開し、戦場全体が呑み込まれた。
空気は重く、魔力の流れが狂い、各国の軍は行動不能寸前。
それでもイツキたちは、獣型で反撃に出る。だが――
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シン:「ここが“限界”だと信じていたか?」
その言葉と同時に、漆黒の魔力が地を這い、空を裂いた。
魔領域が脈打ち、まるで巨大な心臓のように戦場全体を支配していく。
セナ(フェニックス・獣型):「あの圧力……翼が焼かれる……っ!」
ミリ(八雷神・獣型):「魔力の流れが……逆流してる……!!」
クロ(ユニペガス・獣型):「まずい……一歩動くたびに、体が裂けそう……」
「ああああああああ!!」
「ぐっ……!!魔法が……発動しない!」
ロッシュ(通信):「今すぐ魔力フィールドを再構築しろ!散開して死ぬな……ッ!」
シンは、ゆっくりと空中を歩きながら、手を翳した。
シン:「“人”の限界を……この手で終わらせよう。」
そして――
堕神魔法《断界・滅》
空そのものが焼け落ちるような暗黒の業火が降り注ぎ、戦場の中心が陥没した。
ミリ:「くっ……!!避けきれない!!」
セナ:「ミリィィィィッ!!」
瞬間。
ガァァアァァンッ!!
蒼き竜の咆哮が、世界を突き破るように響き渡る。
イツキ(バハムート・獣型):「下がれ……っ!!!」
彼の巨大な翼が展開し、ミリとセナを身体で庇うように立ちはだかった。
シン:「……ほう?」
炎の直撃を、蒼き竜がその全身で受け止める。
爆炎が弾け、土煙の中に揺れる影。
その中から、ゆっくりとイツキが姿を現した。
身体は焦げ、翼は裂け、それでも――その瞳だけは、揺るがなかった。
イツキ:「……この程度で……止まるかよ。」
バハムート:「見事だ、イツキ。今こそ、お前自身の魔領域を展開せよ。」
イツキ:「ああ……ッ!!」
――蒼竜魔領域《創界・ノヴァリス》展開!!
空間が反転し、真白の光が闇を裂いた。
セナ:「これは……イツキの魔力領域……?」
クロ:「空気が……軽くなった……!?動ける……!」
ミリ:「すご……これ、全部イツキの魔力で……!」
イツキ:「全軍!!反撃開始だァァァァァァ!!!!」
魔法帝たちの軍が一斉に動き出す。
炎、氷、雷、重力、聖光、魔毒、時空の魔法が交差し――
まるで戦場が一つの巨大な生き物のように蠢き出した。
イツキ:「創竜魔法.......創星破牙!!!」
地を裂き、空を焦がすような龍爪の連撃が、堕神兵を一掃する!!
シン:「……それでこそ、我が息子だ。」
彼の眼に、わずかに宿る人の色――それは、まだ滅びていない証。
次回――
神の檻、襲来。




