第169話『それぞれの決意』
夜が明ける前の静寂の中、《ゼオ・アーク》には、嵐の前のような空気が 漂っていた。
1,クロの決意
巨大な空中要塞の一角。魔導会議を終えたロッシュが、クロと肩を並べて空を見上げる。
ロッシュ:「イツキ……奴が、“堕神”を超える鍵になるとはな。まったく、時代は動くもんだ」
クロ:「でも……彼一人に全部を背負わせていいのか? セナもミリも、俺も……まだ何も返 せてない」
ロッシュ:「なら、お前らが“背負わせない”道を創れ。アイツの戦いが“孤独”にならないよう にな」
クロは小さく頷き、足早にその場を去る。
2,眠れない二人
──その頃、屋上。
ミリが一人、夜空に魔法陣を描いていた。
小さな光球が生まれ、ふわりと空に舞い上がる。まるで星屑のように。
???:「きれいだな」
振り向くと、イツキがいた。
ミリ:「……眠れないの?」
イツキ:「まぁね。親父と戦うのに、眠れるほど強くないよ」
ミリ:「それでも、あなたは前に進んでる。だから私たちは、あなたの“隣”にいる」
イツキは、言葉を飲み込む。そして小さく微笑む。
イツキ:「ありがとう。……守るよ、必ず」
ミリもまた、微笑みを返す。
3,翌朝
世界各国の魔法帝によって構成された“世界連合魔導軍”が、異空間ゲートの前で布陣を整えていた。
結界兵、竜騎兵、スピリット融合兵――
あらゆる種族と魔法が、ひとつの目的のもとに集結 していた。
指令官:「各国連携魔法、発動準備完了! ゲート転移座標、固定!」
魔導艦隊長:「全艦、展開準備! 『ゼロ・カテドラル』への突入、Tマイナス60秒!」
作戦名:《ラグラロク・コード》
地球を、そして人類の未来を賭けた最大戦線が始まろうとしていた。
その時、世界のどこかで――
黒い霧の中、無数の異形が呻き声をあげる。
シン:「“ヒト”とはなんと愚かで、愛おしい……」
その背後で、彼が創った“堕因子”の眷属たちが歪に形成されていく。
シン:「来るがいい、我が息子よ。そして証明してみせろ。お前の未来が、本当に正しいの かを……」
そしてイツキ。
その胸の奥で、バハムートの声が再び響く。
バハムート:「そろそろだな……イツキ。“創竜融合”の真なる力、その扉の先を共に行こう」
イツキ:「ああ。誰かのためじゃない……これは、俺自身の意志だ」
蒼く光る創竜の紋章が、彼の背に浮かぶ。
次回——
“運命”が混じり合う時、新たな戦いが生まれる!!




