第165話『創竜魔法の胎動』
イツキは皆の姿を、静かに見つめていた。
クロの《天翔融合》、セナの《鳳炎融合》、ミリの《八雷融合》。
人型・獣型、それぞれの姿が、圧倒的な進化として目に映る。
イツキ:《みんな……どんどん強くなっていく……。だけど俺には──“形”がない》
見えない焦燥。
胸の奥に、ぽっかりと空いた穴のような感覚。
──そのとき。
精神の深層に、重く静かな声が響いた。
ラプセオン:「焦るな、イツキ。お前にこそ、為せることがある」
サタン:「形を授かるのではない……お前は“創る者”なのだ」
キエン:「存在しないのなら、創ればよい。お前には、それができる」
カイラ:「創世の魔力が、お前の魂と共にあるのだから……」
精神世界に、4柱が並ぶ。
ラプセオンの時計が刻み、サタンの闇が震え、カイラの霊が舞い、キエンの神光が降る。
その中央に、巨大な影が現れる。
──それは、金と蒼の混じった、威厳に満ちた巨大な龍。
大気を砕くような“存在の圧”。
???:「我が名は──バハムート。創竜の始祖にして、かつて世界を創った者」
イツキ:「バハムート……!?」
バハムート:「汝の創世により、再び顕現せり。我が魂は今、お前と共に在る」
サタン:「お前の“姿”を示せ。イツキ──今こそ、お前の創竜魔法を解き放て!」
──現実世界。
仲間たちが、力を見せ合っていたその時。
セナ:「で、イツキは?何か変身とか、ある?」
ミリ:「……嘘でしょ。あんた一番ヤバいんだから、何かあるでしょ」
クロ:「まさか、隠してるだけだったりしてな」
だが──イツキは静かに目を閉じると、手を前に出した。
魔法陣が、青白く浮かび上がる。
イツキ:「創竜魔法──創世を越えし、龍の力……」
空が震え、風が巻き上がる。
地が鳴り、雲が引き裂かれる。
ミリ:「ちょ、ちょっと!?イツキ何してんの!?」
クロ:「これ、尋常じゃない魔力……!」
イツキ:「来い……創竜──バハムート!!」
──空から、黄金と群青の光が落ちてくる。
その中から姿を現したのは──
背に巨大な翼を持ち、瞳に無限の光を宿す龍
──バハムート。
バハムート:「我が力、汝に預けよう。我らは一体……創竜融合!」
イツキの背中に、光の羽が展開し、身体が進化を始める。
獣型──羽を持ち、四足の龍のような形態。
その姿は、まさに“破壊と創造”の象徴。
そして──人型。
爪のような鋭い手足、広がる6枚の光の翼、額に黄金の角。
その姿はまるで、“神竜”そのものだった。
皆が目を奪われる。
セナ:「……あれが、イツキの……」
ミリ:「……創った、の?あんな存在を……」
クロ:「ヤバすぎでしょ……」
スイ:「……次元、違うんだけど……」
──空に浮かぶイツキが、静かに呟く。
イツキ:「これが……俺だけの“姿”だ──!」
次回──
戦闘の始まり???




