第156話『鳳炎の本能』
1,獣型へ
紅炎が夜空を染める中、セナの背から翼が生える。
神々しい輝きとともに、人型の《鳳炎融合》が完成していた。
空中に舞う彼女を、静かに見上げるユイナとリェン。
ユイナ:「……美しい。まるで、伝説の聖鳥」
リェン:「いや、違うな。これは……“災いの化身”だ」
セナの瞳には──揺れる∞の炎。
目の奥が、ゆらりと紅蓮に燃えていた。
その時、セナの意識の中で──フェニックスの声が囁く。
フェニックス:「セナ。お前はまだ、本質に届いていない。 “再生と破壊”、その両極を内包する真の姿がある。……お前に見せよう、“獣の形”を」
セナ:「……まだあるの?この先が……!」
フェニックス:「“命を喰らい、命を産む”──それが我ら、災炎の本質だ。解放するか? お前 の“本能”を」
セナ:「……あぁ。私に迷いはない。誰かを守るためにも、自分の過去に向き合うためにも ……!」
フェニックス:「ならば、受け取れ。さいか《鳳炎融合・獣型》」
ゴオオオオオオッ……!!
天が裂けるような音と共に、紅蓮のエネルギーがセナの身体を包み込む。 肉体が再構成されていく──
両手が炎の翼に変わり、宙を裂く刃となる。
両足には巨大な炎爪が生まれ、災厄を掴む力を持つ。
その身体は、まるで炎そのものを纏った獣の骨格に近づき。
背中から尾のような“揺らめく炎の鞭”が現れ。
額には紅き“獣の角”のような意匠が浮かび上がる。
そして──目の奥に、紅炎でできた∞の紋章が刻まれた。
その姿は──人間の理を逸脱した、“火の本能の化身”だった。
リェン:「……あれは……四足の災厄……! 完全な融合体……!」
ユイナ:「フェニックスは“再生”の象徴のはず……それがここまで“攻撃的”になるなんて ……!」
だが、セナは何も言わず、ただ地を蹴る。
──ズガアアアアアッ!!!
地面を四足で疾走。
2,フェニックスの実力
その残像は、彗星のように光を引き、周囲に熱風が巻き起こる。
セナ:「行くよ──災炎魔法.....鳳牙烈爪!」
炎の翼と炎の爪が、同時に空間を切り裂く。
その軌跡は、フェニックスが飛翔しながら災厄を断ち切る幻影のようだった。
さらに、空間そのものを飲み込むように──
──ドオオオオオッ!!!
燃える空間に、いくつもの“炎の羽根”が出現。
それが舞い踊りながら、炎の結界を築いていく。
そこはまさに、紅蓮の天界。
そして、“セナという少女”が司る“災厄と希望の神域”だった。
ロッシュ:「……すげぇな。あれが“実験体”だったなんて ……。だが、あの力……前線でも“主力”を張れる。いや、張らせるべきだな」
セナ:「私は……もう、ただ守られる側じゃない。力を得た。だから今度は、私が……全部、 燃やしてみせる。未来のために」
空を見上げるセナの瞳は、もう揺れていなかった。
紅蓮の獣は、ただ“進む”と決めたのだ。
──その身を、全て焼き尽くしても。
次回──
天と炎の融合へ!!




