第150話『悪神の試練』
1,崩壊の兆し
――サタン。
それは、悪魔たちの核が統合されて誕生した、“世界の敵”とも呼べる存在。
だが、力は強大すぎた。
イツキ:「っ……くそ……! この力、制御しきれねぇ……!!」
空間が裂ける。
スイ:「イツキ!!!」
空が赤黒く染まり、天と地の境界が消える。
イツキの身体から漏れ出る魔力が、辺り一帯の魔力構造を崩壊させていく。
ラプセオン:「――貴様は“創る者”であって、“滅ぼす者”ではないはずだ」
だが、サタンの核は呻いた。
サタン:「“力”は孤独に集まり、“神”をも殺す。ならば、創る必要がどこにある?」
イツキ:「……俺は、お前になんかなりたくねぇよ」
2,試される意思
崩壊の中心で、イツキは立ち尽くしていた。
声が聞こえる。
ルチフェロ、メギキュラ、モルス……八体の悪魔たちが、それぞれの記憶を見せてきた。
自分の力を奪われ、封印され続けた日々。
人間に“利用”され、“殺戮兵器”として扱われた時代。
滅ぼされ、“名前”を忘れられた存在の悲しみ。
その全てを“サタン”という存在に統合しようとしている。
イツキ:「――俺は、そんな過去を認めた上で、“未来”を作るって決めたんだ!」
瞬間、ラプセオンが時間を“止めた”。
ラプセオン:「今だけ、神の権能を使う。“対話”せよ、己の影と――」
3,サタンとの対話
イツキの前に現れたのは、自分そっくりの男。
その顔は、冷酷で絶望的に美しかった。
サタン:「お前には無理だ。全てを受け入れるには、心が弱すぎる」
イツキ:「……違う。心が弱いから、全部背負うしかないんだよ」
サタン:「だったら、証明してみろ。お前に、“俺”を超えら
れるか――!」
光と闇がぶつかる。
創世魔法 vs 悪神魔法。
時間が消える。
世界が白く、黒く、そして赤く染まる――
4,覚醒:制御の完成
そのとき、イツキの背後にラプセオンが現れた。
ラプセオン:「今こそ、“創世”を使え。“滅びすら抱いて、希望を織れ”」
イツキは叫んだ。
イツキ:「――創世魔法《織理の書》!!」
イツキの周囲に、魔法の文字が浮かび上がる。
それは、万象、時間、因果、概念を“書き換える”力。
彼は、自らの魔力で“サタン”という存在に“意思”と“制御”を与えた。
サタンの魔力が、イツキの身体に順応していく。
黒い翼が白黒に染まり、漆黒の紋章が“聖印”へと変わった。
ラプセオン:「……融合完了。《神・悪魔同化》、完全制御」
イツキはゆっくりと目を開ける。
イツキ:「――行こうか。全部、終わらせるために」
5,決意の行方
遠くから見ていたスイは、息を吐いた。
スイ:「……バケモンになっちゃったね、あんた」
ラプセオン:「否。これは、“人間”のまま、“神”に挑む存在だ」
空が戻る。
世界は静かに、“破壊者”ではなく“創造者”を受け入れ始めていた。
──イツキ、“悪神を超えし創造者”となる。
次回──
精霊との契約へ!!




