第145話『父・神を超えて』
1,封印の間
神官庁・因子研究施設の最奥。
そこにあったのは、巨大な因子格納炉。
そして、中央に封 印された男──シン。
イツキたちが慎重に近づく中、封印の結界がゆっくりと解かれていく。
イツキ:「……ここにいたんだな、親父」
セナとクロは警戒を強める。
だが、ミリはその場から動けずにいた。
何か、凄まじい気配が 漏れ出していたからだ。
クロ:「気を抜くな。これはただの人間じゃない。……“第∞因子”の気配だ」
2,シンの覚醒
封印が解けた瞬間、黒い粒子が空気中に広がり、空間がねじれる。
男が姿を現した。白髪 に黒衣、目には光がない。
シン:「……誰だ。お前たちは」
イツキは一歩、前へ出る。
イツキ:「俺だよ。イツキだ。……親父、俺だ」
シンの目が微かに揺れる。 だが、すぐに冷たい笑みを浮かべる。
シン:「……イツキ。そうか。まだ生きていたか」
イツキ:「……全部、知ってたんだな。因子を作り続けてたことも。闇に堕ちていったことも」
シン:「“堕ちた”?違うな。俺はようやく“気づいた”んだよ。この世界の終わりに」
3,真実と決別
シンは語り始める。
かつて彼は、因子を完全消滅させるため、日本のある世界線に来る。
しかし、そこでは、侵略者と言われ、“神官庁”に追われていた。
そんな時、彼を匿った女性・ミヅキとの間に子が生まれた。
だが神官庁は彼を見つけ、襲撃。
ミヅキは彼を庇って死亡。
その瞬間、彼の中で何かが壊れた。
シン:「俺は“人間が神を超える”未来を信じていた。だが──」
シン:「俺は、誰ひとり守れなかった」
イツキ:「それでも! 戻ってこいよ、親父!! まだやり直せる! 俺たちで!!」
だがシンの顔に、皮肉な笑みが浮かぶ。
シン:「やり直す? ふざけるな。……俺は、“超えてしまった”んだ。もう戻れはしない」
その言葉に、イツキの胸が締めつけられる。
4,父子の激突
イツキが拳を構える。
イツキ:「それでも、俺は止める!!」
シン:「来い。“真魔法”の意味を、教えてやる」
その瞬間、空間が反転し、周囲の因子構造が一瞬で崩壊。
イツキが踏み込もうとした刹那─
──視界が、消えた。
5,敗北と撤退
クロの結界によって、イツキは間一髪で回収される。
彼の身体は焼けたように裂け、全身が痺れていた。
セナ:「無理よ……あんなの、今の私たちじゃ太刀打ちできない……」
ミリが唇を噛む。
ミリ:「イツキを……こんな……」
クロ:「今は退く。だが……これは“神の因子”との戦いだ。覚悟しろ」
6,稽古と決意
イツキが意識を取り戻したのは、遠く離れた地下避難所だった。
イツキ:「……クソ……俺は、何も届かなかった……」
だが、彼の目はまだ折れていなかった。
イツキ:「もう一度立つ。……どんな手を使ってでも、あの人を──取り戻す」
ミリがそっと横に座る。
ミリ:「だったら、私も戦う。あんたが諦めない限り、私も雷を手放さない」
イツキは静かに頷く。
そして再び拳をに握る。
──神を超えるために。 ──父を、超えるために。
次回──
稽古編・始動!!!




