第136話『異世界ニホンへ』
――世界線が重なり、少年が降り立つ。
その足音は、神話すら打ち砕く。
1,異世界転移直後
目を覚ますイツキ。
見知らぬ空。神社の鳥居。高層ビル。電線。車の音。
イツキ:「……ここ、どこだ?……日本……?」
立ち上がるイツキ。制服はボロボロ、魔印がうっすらと輝く。
イツキ:「魔力の流れが……妙に静かだな。……因子が、いねぇ……?」
辺りを見回しながら、イツキの表情が険しくなる。
イツキ:「……まさか、俺が来たせいで“全部消えた”ってか? チッ……やりすぎたか」
民衆のざわめきが聞こえる。神官庁のアナウンスが流れる。
「緊急事態です!因子がすべて消滅しました!!」
イツキ:「はぁ? ……しょうがねぇなだろ.....因子が消えたのは……」
イツキは拳を握る。
その眼は、もう戦う覚悟に満ちていた。
神官庁本部・上層会議室
動物的なシルエットの者たちが並ぶ。
八咫烏の羽根、九尾の尾、白蛇の瞳、麒麟の角。
数々の幹部。
それぞれ人の形をしていながら、どこか神話の“異形”をまとう。
八咫烏:「……イツキ・アークライド。あの者が来た瞬間、すべての因子が崩壊し た」
九尾:「我らに残されたのは“残滓”……それでも我らは、この世界を支配する」
白蛇:「民衆は、我らを信じている。“神”としてな」
麒麟:「だが、やがて気づく。“真の脅威”が誰かを……あの少年が、神話を終わら せる者だと」
その時。
───???:「…………まだ“本物”ではない」
会議室の空間が、一瞬だけ軋む。
八咫烏:「……ッ!? 今の声……」
九尾:「またか。近づいているのか、あの《融合体》が……」
白蛇:「《アダイブ》……神でも悪魔でもない、最初で最後の“融合核”。」
麒麟:「……その裏に、“真の支配者”がいると噂されているな。名もなき存在――」
八咫烏:「ふっ……その名は、まだ語られぬ。だが、誰かがこう呼んだそうだ。“真因子”とな……」
沈黙が走る。
麒麟:「くだらぬ妄言だ。“第18因子”は滅びたはずだ」
白蛇:「……だといいな」
──闇に響いた声は、それを否定も肯定もしないまま、消えた。
3,路地裏で
イツキが不良高校生グループに絡まれている。
不良1:「おいコラ、どこ中だ?制服みたことねぇなぁ?」
イツキ:「どこ中か知らねぇけど……てめぇら、“神官庁の犬”か?」
不良2:「は? お前……」
イツキ:「うるせぇよ。文句あるなら――」
構えを取る。拳に魔力が宿る。
イツキ:「ぶっ潰す」
一瞬で全員を地面に沈めた。
通りすがりの少女が目撃。驚きながらも興味を示す。
???:《あの構え……まさか、“神官庁の動き”じゃない……?誰?》
4,夜・廃ビルにて
ある仮面の男。
???:「報告によれば、中央区で“異質な魔力”が検出された」
その隣にいたのは、さっきの少女だった
???:「この力……“神官庁の因子系統”とはまるで違う。彼、神官庁の敵になる」
???:「ならば、接触するしかない。第零因子の封印が揺らいでいる今……希望は必要 だ」
???:「名前……調べておきました。“イツキ・アークライド”です」
???:「アークライド……“シン”の名を持つ者の血……!」
5,夜のビルの屋上
イツキ:「神官庁……因子の残りカスがイキがってんじゃねぇぞ。俺が全部――」
拳を強く握る。魔印が光る。
イツキ:「ぶっ潰す」
次回――
神の座に居座るものとは!?




