第133話『懐かしき灯火』
静かな夜。
因子戦争から2年が経った。
スイ・レイ・ユイナ・アネモネ・カリナ・ミゼルは、22歳となった。
第4部隊の仮拠点には、久しぶりに笑い声がこだまする。
焚き火を囲み、集ったのは……“家族”と“仲間”、そして、“かつての敵”たち。
精霊も、悪魔も、いまはただ――優しい焰に照らされていた。
1,同窓の輪、再び
スイ:「ちょっと!ルナリス、勝手にスープに砂糖入れないでよ!笑」
ルナリス:「えー?おかしいな〜、精霊料理では甘さが正義なんだよ〜?」
セリファ:「あはは、そりゃあ風の味覚とは合わないね〜」
アネモネ:「いや、マジで風の味覚ってなに?笑」
カリナ:「……でも、なんか……嬉しいね。こうして、また笑えるのが笑」
レイ:「ったく……戦場で再会したと思ったら、今度は料理バトルかよ。……悪くないね笑」
2,集いし家族と、その想い
静かに歩いてくる影があった。
ロッシュ:「おいおい……懐かしい顔が揃ってるじゃねぇか」
スイ:「ロッシュ!?……えっ、生きてたの!?」
レイ:「情報屋のくせに、情報遮断してんじゃねえよ。バカが」
ロッシュ:「へへっ。死んだと思ってたろ? 情報屋は死に場所選ばねぇもんさ」
ロッシュは続けて言う。
ロッシュ:「それに.....シンに頼まれたんだ...もしものことがあったら...お前が魔法大帝にな れってな......だから....死ねない....」
——そして、そこに。
シンの家族が現れる。
母・アリア、兄・グラヴィ、弟・ネクロ、そして妹のクリナ。
スイ:「……アリアさん……!」
アリア:「久しぶりね、皆さん。シンの代わりに..ありがとう。生きていてくれて」
ユイナ:「……クリナも……生きてたんだ」
クリナ:「……うん。ちょっとだけ、遠回りしちゃったけどね」
——その横に、ひとりの影が頭を深く下げる。
カース(呪符悪魔)
カース:「……本当に、すまなかった。……君を、殺したのは俺だ」
場の空気が凍る。
だが、クリナは一歩前に出て、笑みを浮かべる。
クリナ:「……でも、弟を……いや、シンを手伝ってくれたんでしょ?」
カース:「……ああ。命を懸けて……あいつに賭けた」
クリナ:「……なら、許すよ」
精霊たちが微笑み、悪魔たちが黙って頭を垂れる
——その背後に、スッと姿を現す男。
ユイナの父・リョウガ
リョウガ:「よかったな、カース。あいつらの絆は、やっぱり俺たちの想像を超えてる」
カース:「……あぁ」
3,気づきと確信
ふと、レイが立ち上がる。
レイ:「……そういえばさ。聞いてもいいか?」
ルチフェロ・カース・メギキュラ……そしてリェン・ルナリス・キエンたち、契約精霊と悪魔たち を見渡す。
レイ:「あんたたち、なんで生きてんの? 契約者……つまり、シンが死んだら、あんたたちも “消える”んじゃないの?」
——静寂。
スイ:「確かに....シンが全魔法を打つときに...私達の精霊・悪魔もシンに取り込まれて.....」
キエン(神精霊)がゆっくりと言葉を紡ぐ。
キエン:「……それが、“普通”ならね」
カイラ:「でも……私たち、まだここにいる」
セリファ:「つまり……」
ルチフェロ:「主は、まだ生きている。この“世界のどこか”で、確かに息をしている」
リェン:「それが、私たちの“存在証明”。主が生きている限り、私たちは消えない」
ユイナ:「……よかった……」
スイ:「だから……まだ、終わってない。物語も、シンも」
アリア:「……あなたが戻る場所は、ここにあるからね……シン」
——そして、夜空に一筋の光が降る。
赤子の泣き声が、空に響く。
スイの腕の中へ、ふわりと光が落ちる。
その瞳は――「人間」としての始まりを告げていた。
第18因子 ― ニンゲン
アダイブがついに姿を現す。そしてシンの魂は、世界に何を託すのか。
次回――
第2章・最終話!!




