第122話『契約の胎動、リリスの選民』
1,時空の裂け目
場所:旧地球 最深領域《虚核宙域》
空に開いた裂け目から―
降りてきたのは、白銀の輪郭を持つ“人ならざる”存在だった。
その姿は、ヒトのようで、ヒトでなく。
その声は、母のようで、無慈悲だった。
リリス:「……お前たちを見ていた、人間よ。“可能性”という幻想に縋り、因子に抗い、未来 を選ぼうとする者たちよ―」
アネモネ:「……あれが……第0因子……!」
ミゼル:「姿が……“見えすぎる”……っ!」
カリナ:「待って、リリスの存在自体が……この空間を書き換えてる!?因子じゃない…… これは“始原”そのもの……!」
2,“選民”の問い
リリスは言う―
アダムとイブは因子を創り、この星を浄化し、滅ぼそうとしている。
リリスは、人間を創り、この星に“命”と“感情”を与えた。
リリス:「だが人間よ、お前たちは未だ、答えを出せずにいる。選べ―因子か、人間か、シン=アークライド」
その名を呼ばれ、シンが一歩前に出る。
シン:「……どっちも、選ばない」
リリス:「その答えは“愚か”だ。選ばぬ者は淘汰される。
アダムとイブは、明日、この星を喰らうために降臨する」
リリス:「だが―お前が私と“契約”すれば、僅かに対抗の道が拓かれる」
3,契約の儀式
リリスが右手を差し出す。
その掌に現れるのは―因子核。
“始原の因子”―それは、記号では表せぬ概念そのものだった。
リリス:「この力を受け取れ。お前の中の“因子の系譜”がすべて統合され、その存在は“第∞ 因子=アダムス”として覚醒するだろう」
だがその瞬間―
アネモネ:「待って、シン!!そんな契約、簡単に―!」
ミゼル:「あたしが……壊れかけた時、誰に頼ったか思い出して!!“力”を選ばないで!! シン自身を選んで!!」
カリナ:「お願い……戻ってこられなくなる……私たちが、わからなくなる……」
4,覚悟と拒絶
静かに、シンはリリスの手を掴みかけ―
その手を、そっと払いのける。
シン:「違う。“契約”は、する。だけど―俺の意思で。お前がくれる力じゃない。俺が、俺の意思で選ぶんだ」
シン:「そのために、俺は―“お前の記憶”を見せてもらう。
アダムとイブ。そして“人間”の始まりを―!」
5,始まる追憶の旅
リリス、静かに頷く。
リリス:「ならば―見せよう。この星が因子に覆われる前の“起源”を。かつて、“神”と呼ばれた存在たちの記録を」
空間が歪む。
視界が白く染まり、世界が反転する。
―シンたちは今、“太古の旧地球”、原初の記憶世界へと転送される。
シンと仲間たちは、まだ語られていなかった因子誕生の秘密を知る。
そこにあったのは―“楽園”と“裏切り”、そして“リリスの罪”であった...
次回―
リリスの過去。




