第1話『無印剣士の目覚め』
1,目覚め
まだ人通りは少なく、静かな街に朝日が差し込む。
???:「はぁっ!!.......また、この夢か.......」
壁の時計が午前7時を指す。
???:「やばっ!!遅刻する!!!!」
母さん:「シン!!朝ご飯できるわよ!!」
母さんが笑顔で朝食を用意しながら話す。
母さん:「今日、魔印適性検査があるんだってね」
シン:「うん、みんな一気に魔印が出るらしいけど……俺は違うから」
少し悲しげな表情で言うシン。
母さん:「あのね!!魔印が出るとか出ないとかそんなんじゃなくて、やるかやらないかな のよ!!」
シン:「….".でも俺には関係なよ」
更に追い打ちをかけるように、
母さん:「魔法大帝になるっていう夢があるんでしょう!?」
シンは、コクンっと頭を上下に揺らす。
母さん:「あんたならなれるわ。さぁ、朝ご飯食べちゃいなさい。」
シンはご飯を食べ、支度した。
シンが玄関を開ける。
「ガチャ」
シンが聞く。
シン:「母さん。前から気になってて、父さんが死んだ理由ってなんなの?」
母さん:「それが私にもわからないの」
シン:「じゃあどうして父さんはこの刀を作ったの?」
シンは、古びた刀を見せる。
母さん:「父さんはね。刀鍛冶でね。自分の形見にって作ったのよ。さぁ遅刻するわよ!!」
母さんはほそぼそとした声で言う。
母さん:「........本当のこと言えなくてごめんね.......」
すると、
シン:「母さん!!」
母さん:「ん?」
シン:「行ってきます!!」
母さん:「行ってらっしゃい」
母さんは微笑んだ。
2,魔法高等学校
「キーンコーンカーンコーン......」
先生:「さあ、みんな。今日は魔印適性検査を行います。いつも通りリラックスしてね。」
シンは周りを見渡すも、どこか距離を感じる
生徒A:「シンってさ、魔印無いらしいよな…変わってるよな。」
生徒B:「あぁ、何か怖いしな…」
そこへシンの幼馴染である
スイ:「シン!大丈夫?」
シン:「大丈夫だよ。ありがと。スイ」
生徒Aが言う
生徒A:「おい、あいつ…あのシンの幼馴染だぜ?」
生徒B:「なんであんなのと仲いいんだよ、変わってるのに。」
それにスイが反発して、
スイ:「シンは変じゃないよ!ちゃんと理由があるんだから!」
3,魔物襲来
……とその時!!
「がぁぁぐぁ」
その醜い声は、学校中に聞こえた。
生徒A:「うわあああ!!」
生徒B:「魔物だ!!!逃げろ!!!」
学校中がパニックに。
シン:「……俺が、やる」
シンが立ち向かう。
スイ:「シン!何してるの!?あなたじゃ無理よ!!」
シンは、真剣な顔で一言。
「「上等だ」」
シュッ!!
キーーン!!
シンと魔物はぶつかり合う
ギィッギィッ......
魔物:「お前...魔印なしか....面白い。」
魔物はニタリと笑う
魔物:「お前に俺を倒せるとでも?笑」
シン:「黙れ!!魔印がなくたって、俺は俺だ!!」
戦いは更に激しさを増す。
キーーン!
ドン!!
だが....
魔物は、一瞬でシンの腹に到達し、最後の一撃を放つ。
魔物:「終わりだ」
グシッ。
シン:「かぁはっ.....く...そ」
その一撃は、腹をえぐるように刺さる。
膝をつくシンに、魔物が嘲るように言う。
魔物:「所詮…….お前はそんな力しかない。」
それは、シンの心に深くささる。
シン:「ま.....だまだ.....だ」
魔物:「戯言を言うな….お前は弱いんだよ!!」
シンは、叫ぶ。
シン:「まだだぁぁぁ!!!!!!」
4,シン、覚醒
すると、シンの体は、ひかり、異様な空気を出す。
ビシッ...ビシッ...
シンの目は鋭くなった。まるで別人のように......
シン:「.....魔法.....魂断裂.....!!」
シンは、体・刀に光をまとわせ、一瞬で、魔物の腹の前に移動し、一撃を入れた。
バシュッ!!
魔物:「な...に...!?]
魔物は倒れる。
バタッ。
魔物:「つい...に目覚め...たか。面白く.....なってき....た」
魔物は、その言葉を残し塵となり消え、シンも気を失い倒れた。
バタッ。
???:「ついに...目覚めたか...」
5,始まりの印
スイ:「.....ン!!...シン!!!」
母さん:「良かった!!シンが目覚めたのね!!」
スイ:「もう!!心配したんだから」
シンが目覚めるとそこは、学校近くの病院で、3時間目、覚まさなかったらしい。
シン:「....ごめん....心配かけて」
スイ:「そういえば、シンから光が出てたけど、どうしたの?」
シン:「え?そんな事あったの?」
母さん:「え!?覚えてないの!?」
シンは答える。
シン:「うん。魔物と戦う前は覚えてるんだけど....それ以外が思い出せなくて........。」
その時、右腕がキランと光る
シン:「ん?」
右腕をみると、魔印?が一部だけ入っていた。
シン:「俺の...右腕に魔印が!!!」
母さん:「本当だ!!良かったじゃない!!」
シンが嬉しそうに言う。
シン:「これが俺の魔印..........!!」
それからシンは、異常な回復を見せ、その日の内に退院した。
6,星空の夜
シュッ!シュッ!
母さん:「シン!!退院したばっかだし。今日は、練習やめたら?」
シン:「練習やめたら、魔法大帝なれないよ。もう少ししたら、やめるね」
母さん:「わかったわ。無理しないでね」
シンは、練習を続ける。
シュッ!シュッ!
シンは星空を見ながらつぶやく。
シン:「父さん。俺.....魔法大帝に.....少しは近づけたかな?」
シンの夢は、まだまだ続く............
次回──
新たな魔印を手に入れたシン。
これから、新たな物語が始まる。