発言
「相変わらず情報が遅いわね。あたしが暴言吐いたって、師長とか部長にけちょんけちょんにお説教されたのよ」
「それはそのー、ちょっと前に病棟で何かトラブルあったまでは聞いてたんですけど、誰が誰にとか、その詳細までは……」
「はー」
「ちょっときつい言い方してしまったとかですか?」
「あたしからしてもヤバいレベルのこと言ったよ」
「……でもそれを言わなきゃいけなかった理由があったとか」
「頭に来たからね」
「ええと、大変でしたね」
「はいはい。でも後悔はしてないから」
「やっぱり言うべき内容だったという事――」
「どうせおんなじ場面になったら我慢できずに言っちゃうから」
「はあ……」
「当然でしょ。前にここで亡くなった青山さんのお孫さんが入院してるのは知ってるでしょ?」
「はい、びっくりしました。何か先天性の心疾患でしたよね」
「それで結構危ない時に親戚のおっさんが、二回目じゃないからもしもの時はしょうがないよ、とか言い出して」
「なんてことを。それはある程度の物言いになっても理解されるのでは。お孫さんの気持ちを考えると――」
「忙しくてイライラしてたからついメチャクチャ言っちゃったのよ」
「はあ……」




