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異世界で無双しない物語:翻訳スキルとコミュ力で生き延びます!?  作者: DAI


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第15話 晩さん会




晩さん会当日の昼。


僕らは王の間にいた。

「ケンタよ。今夜の晩さん会、よろしく頼むぞ。」

「はい。国王陛下。」

「各国の王族は、ほとんどが共通語を話すが、そうではない者もいる。ケンタのスキルが役に立つはずだ。」

「お任せください。」

「ミカは、くれぐれも魔王であることを悟られぬようにな。」

「エル、わらわを誰だと思っている。大丈夫じゃ。」

ミカとアンヌのことは、リリアに任せているけど、心配だ。

「では、今夜、また会おう。」

「失礼します。国王陛下。」


僕らは、ミカの部屋に戻った。

「わらわも晩さん会に出ないといかんのか?堅苦しいのは嫌いじゃ。」

「お願いだから大人しくしていてね。ミカ。」

リリアがくぎを刺す。

「だから、わかっておる!しつこいぞ。」

「本当に大丈夫か?」

心配だからしつこく言ってるんだけど。


今回の晩さん会は、各国から王族がやってくる。

東のイストリア国から、イストリア国王と王妃

西のウエス国から、ウエリス国王と王妃

南のサウザー国から、サウザン王子

北のノーザリア国から、ノーザリア国王

その他、王族やお付きの従者も含め多数。


特に、エルドランド王国に次いで二番目の大国イストリア国のイストリア国王は最重要人物だ。徹底的にマークしなくては。


この世界に転生してきて、僕の翻訳スキルもレベルアップしてきている。効果範囲が半径数メートルまで広がったり、自分の近くにいる人にもスキルの効果が及ぶようになったり(そのおかげで、僕の周囲の人は僕を介さずに直接会話できている。)、かなり使えるスキルになってきた。


今回の晩さん会でも、情報収集に翻訳スキルが役立つはずだ。


ぼくらは、晩さん会に向けて『作戦会議』をした。

僕とハックは、主に情報収集。リリアとゴラムはアンヌ王女とミカ姫の監視。

『魔物を統べるもの』の情報を出来るだけ多く集めるのが目標だ。


そして、ついに晩さん会本番がやってきた。


エルドランド城の大広間。円卓が並び、上座には国王と王女の席がある。

中央には料理が並んでいる。各自で食事をとりに行く、いわゆる「ブッフェ形式」だ。僕らは国王の席の反対側、一番端のテーブルに座った。


今回の晩餐会の参加者の詳細は、事前に調査して頭に入れてある。


・・・・・・・・・・


1. イストリア国


◎イストリア国王:アルフレッド・イストリア

* 種族: 人間

* 年齢: 50代後半

* 外見: 精悍な顔つきで、威厳のある佇まい。深い青色の豪華な正装を身につけている。顎には手入れの行き届いた短い髭。

* 性格: 冷静沈着で思慮深い。東の大国を治める王としての自信と貫禄を持つ。他国との外交を重視し、情報収集にも余念がない。

* エルドランド王国との関係: 表面的には友好的だが、その国力には常に警戒の目を向けている。


◎イストリア王妃:エレオノーラ・イストリア

* 種族: 人間

* 年齢: 50代前半

* 外見: 優雅で落ち着いた雰囲気の女性。深紅色の美しいドレスを身につけ、宝石の装飾品を身につけている。穏やかな微笑みを湛えている。

* 性格: 物腰が柔らかく、社交的。夫である国王の外交を内面から支える賢夫人。他国の王族との親睦を深めることを得意とする。

* エルドランド王国との関係: 好意的であり、アンヌ王女との交流を楽しみにしている。


◎従者:レオナルド

* 種族: 人間

* 年齢: 30代後半

* 外見: 規律正しい印象の近衛騎士。イストリア王国の紋章が入った精悍な鎧を身につけている。常に国王の背後を固めている。

* 性格: 口数は少ないが、忠誠心は厚い。武術に長けており、国王の身辺警護を第一としている。

* 今回の晩餐会での役割: 国王の護衛。周囲の警戒を怠らない。


2.ウエス国


◎ウエリス国王:テオドール・ウエリス

* 種族: 人間

* 年齢: 60代前半

* 外見: 白髪交じりの豊かな髪と髭を持つ、貫禄のある老人。紫色の豪華なローブを羽織っている。常に杖を手放さない。

* 性格: 好々爺然とした態度だが、西の国を長年治めてきた老獪さを持つ。計算高く、自国の利益を最優先に考える。

* エルドランド王国との関係: 隣国として、常にその動向を注視している。魔王との和平には懐疑的な目を向けている。


◎ウエリス王妃:アメリア・ウエリス

* 種族: 人間

* 年齢: 50代後半

* 外見: ふくよかな体型で、華やかな装飾品を好む。エメラルドグリーンのドレスを身につけ、常に笑顔を絶やさない。

* 性格: 社交的で明るい性格。他国の王族との交流を積極的に行う。政治的な駆け引きにはあまり関与しない。

* エルドランド王国との関係: エルドランド王妃とは旧知の仲であった。アンヌ王女との交流を楽しみにしている。


◎従者:バルド

* 種族: 人間

* 年齢: 40代

* 外見: 恰幅の良い体格の従者。ワインレッドの格式高い装束を身につけている。常に国王の側で世話を焼いている。

* 性格: 愛想が良く、機転が利く。国王の意向を察し、細やかな気配りを見せる。

* 今回の晩餐会での役割: 国王の身の回りの世話。他国の関係者との橋渡し役も担う。


3.サウザー国


◎サウザン王子:カイル・サウザン

* 種族: 人間

* 年齢: 20代前半

* 外見: 陽気で活発な印象の青年。鮮やかな黄色の装飾が施された白い正装を身につけている。日に焼けた肌と明るい笑顔が特徴。

* 性格: 好奇心旺盛で、新しいもの好き。形式ばった場は苦手だが、人懐っこく誰とでもすぐに打ち解ける。

* エルドランド王国との関係: 若い世代として、エルドランドの王族たちとの交流に興味を持っている。


◎従者:セリーナ

* 種族: 人間

* 年齢: 20代後半

* 外見: 知的で落ち着いた雰囲気の女性。サウザー王国の紋章が入った控えめながらも上品なドレスを身につけている。常に王子の傍で冷静に控えている。

* 性格: 聡明で礼儀正しい。王子の突飛な行動をたしなめることもあるが、基本的には温かく見守っている。

* 今回の晩餐会での役割: 王子の補佐。外交的な知識も持ち合わせており、必要に応じて助言を行う。


4.ノーザリア国


◎ノーザリア国王:グスタフ・ノーザリア

* 種族: 人間

* 年齢: 40代後半

* 外見: 厳格な雰囲気を持つ壮年の王。黒を基調とした重厚な正装を身につけ、鋭い眼光を放っている。口元は固く引き締まっている。

* 性格: 寡黙で警戒心が強い。北の厳しい地を治めてきたためか、他国に対して容易には心を開かない。

* エルドランド王国との関係: 距離を置いた関係を保っている。魔王との和平交渉には強い懸念を抱いている。


◎従者:ヨハン

* 種族: 人間

* 年齢: 30代前半

* 外見: 大柄で屈強な体格の戦士。ノーザリアの寒冷地に適した、毛皮の装飾が施された武具を身につけている。無表情で周囲を警戒している。

* 性格: 主君である国王に絶対的な忠誠を誓っている。口数は少なく、感情を表に出さない。

* 今回の晩餐会での役割: 国王の護衛。異変があれば即座に対応できる態勢を整えている。


・・・・・・・・・・



やはり、東国イストリアの国王は只者ではない気がする。情報を集めるなら、まずはイストリアからだろう。


大広間の正面には衛兵たちが左右に分かれて整列している。国王の席の横にはハンス大臣が、アンヌ王女の席の横には執事が座っている。

ハンス大臣が立ち上がった。

「アンヌ王女、エルドランド国王陛下、お見えになります。」

会場が拍手に包まれる。アンヌ王女とエルドランド国王が大広間に入り、席に着いた。

「これより、エルドランド王国主催の晩さん会を開宴いたします。」

「国王陛下より、お言葉をいただきます。よろしくお願い致します。」

ハンス大臣に促されて、国王が立ち上がった。

「今宵は、皆さま、よくお集まりいただきました。ささやかではありますが、食事を用意しております。ぜひお楽しみください。」

「それでは、我が国と皆様の繁栄を祝して、乾杯!」

「乾杯!」


様々な思惑が渦巻く中、晩さん会が始まった。


僕とハックは、料理を取りに行くふりをして、来賓に近づくことにした。

年齢が一番若いサウザン王子が、真っ先に食事をとりに行っている。

まずは彼から接触してみよう。僕も食事をとりにテーブルに向かった。


「サウザン王子、お初にお目にかかります。私はケンタと申します。転生者です。」

「ああ、君の噂は聞いてるよ。魔王との交渉をまとめた立役者だって?」

サウザン王子は、人懐っこい感じで肌は浅黒く、スポーツマンという雰囲気だ。

「私は、魔王と国王の仲介をしただけですよ。」

「また、ご謙遜を。アンヌ王女とも仲がいいって聞いてるけど。彼女、紹介してくれない?」

「もちろん、良いですよ。その前に、最近、魔族に不穏な動きがあるって噂なんですけど、ご存じですか?」

王子の表情が一瞬、険しくなった。

「僕の国にもその話は伝わってるよ。一応探りは入れてるけど、今のところ何もないね。」

「そうですか。」

「ウエリスの爺さん、いや、国王なら何か知ってるんじゃないかな?実際に魔物に襲われた村があるらしいし。」

「ウエリス国で、そんな事件が・・・。」

「それはそうと、アンヌ姫の所に連れて行ってよ。」

サウザン王子は、どうしてもアンヌ王女と仲良くなりたいらしい。

「わかりました。行きましょう。」

僕は、サウザン王子をアンヌ王女の所に連れて行った。


「アンヌ王女。」

「あ、ケンタ。楽しんでる?」

「はい。こちらは、サウザ-国のサウザン王子です。王子、こちらはエルドランド国のアンヌ王女です。」

「ご無沙汰しています。アンヌ王女。また一段と綺麗になられた。」

「サウザン王子、ありがとう。嬉しいわ。」

僕は、情報収集に行かなくては。

「それでは、私は、これで失礼します。」

僕は、料理とグラスを持って、ウエリス国王のテーブルに向った。


ウエリス国王は、参加者の中でも最年長で、長年国を治めている実力者だ。経験豊富なだけに一筋縄ではいかないだろう。

ウエリス国王は、足が悪いらしく、テーブルから動かない。食事も従者に持ってこさせている。僕は、ウエリス国王の席の向かい側に行った。

「ウエリス国王陛下。初めまして、私は転生者のケンタと申します。」

「ケンタ殿、話は聞いているぞ。大変な活躍だったそうだな。」

「ありがとうございます。少しお話はよろしいでしょうか?」

「そうじゃな。少しだけならよいぞ。」

「ウエス国とエルドランド王国は以前から交流が深いと聞いております。王妃様とエルドランド王妃が旧知の仲だとか。」

「そうじゃ、アメリアとアン王妃は同じ学び舎で学んだ同級生でな。」

「そうなんですね。」

「アン王妃が亡くなった時には、アメリアも悲しんだ。」

「それは、お察し申し上げます。」

「ところで、ケンタよ。魔王と会ったそうじゃが。」

「はい。魔王とは、意見の相違があったようですが、国王陛下との話し合いで、和平が結ばれたのです。私は、会談の仲介をしただけです。」

「正直、魔族と人間の和平など信じられぬと思っている。」

「魔族にも話が分かる者がいます。歩み寄ることが大事かと。」

「そうじゃな。これは一本取られた。」

「ウエス国には魔物の不穏な動きの噂は無いのですか?」

「我が国では、聞かんの。魔物はいるが、大人しいもんじゃ。」

「そうですか。何かあれば、教えてください。」

「うむ。わかった。」

「ありがとうございました。」

僕はウエリス国王のテーブルを離れ、次のテーブルに向かった。


ノーザリア国王は、若いけど近づきがたいオーラを放っている。僕は怯みそうになる気持ちを抑えて、近づいて行った。

「ノーザリア国王陛下!初めまして。転生者のケンタと申します。」

「・・・。」

怒っているのだろうか?返事が無い。

「国王陛下。少しお話をよろしいでしょうか?」

「・・・かまわん。」

怒ってはいないようだ。僕は言葉を続けた。

「私は、エルドランドで国王陛下に仕えています。魔王との交渉も仲立ちしました。」

「・・・だから、どうした。」

「えっと、、、今後とも、宜しくお願い致します。」

あまり、話を引き出せなさそうだ。僕は、一旦、離れることにした。

「国王陛下、失礼します。」

緊張で、汗びっしょりになってしまった。


気を取り直して、イストリア国王の所に行くことにした。

今日の来賓の中でも要注意人物だ。

「イストリア国王陛下。初めてお目にかかります。転生者のケンタと申します。」

「おお、そなたが魔王と渡り合ったというケンタか。話は聞いておる。」

「ありがとうございます。光栄です。」

「魔王とエルドランド国王との仲介とは、難儀なことだったろう。」

「はい。魔王が話の分かる相手で良かったです。」

「しかし、魔物は魔物じゃ。足元を掬われんようにな。」

「はい。肝に銘じます。」

「ケンタよ、そなたの冒険の話を詳しく聞きたい。我が国に一度来てはくれないか?」

「イストリアにですか!?もちろん、喜んで行かせて頂きます。」

「楽しみにしておるぞ。」

「ところで、国王陛下。最近の魔物の不穏な動きについて、何かご存じのことはないでしょうか?」

「我が国でも、魔物の被害がでておる。今は、部下に命じて探っているところじゃが、特に情報はないのう。」

「わかりました。ありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。」

「うむ。わかった。」

僕は、席を離れた。


一通り、話は聞けたけど、特に目立った情報は無かった。僕は一旦、自分の席に戻った。

ハックも席に戻ってきていた。

「ケンタ、どうじゃった?」

「ほとんど成果は無かったかな。」

「わしも、王妃や従者に話を聞いたが、特に何もなかったな。」

「ただ、イストリア国王には、是非、国に来てほしいと言われたから、情報収集は出来ると思う。」

「それなら、わしら4人で行く段取りを取らないといかんのう。」

「そこで、何か出てくればいいけど。」


ミカは、お目付け役のリリアがいるおかげで、大人しく食事をしていた。

アンヌ王女は、まだ、サウザン王子に絡まれているようだ。


晩さん会も、終盤を迎えようとしていた。





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