少女 クビになる(1)
カラ「ふぅー終わったー」
少女は一息ついて宿の中に戻る
カラ「女将さーん終わったよー!」
女将「あんがとね!いつも助かってるよ。」
奥から出てきた宿の女将は大きく笑いながら一つの包みを渡す
女将「弁当出来てるよ。今日はお前の大好物さ!」
カラ「ありがとう!」
パァッと笑いカラはそれをうれしそうに受け取る。
女将「それより速く行かないと遅れるよ?」
ハッとして振り子時計に目をやると少し余裕がある時間帯である。だがカラは慌てて宿を後にする
女将「気を付けるんだよ!」
カラ「判った!行って来まーす!」
女将「元気だねぇ…」
フッと笑って手を振る女将に手を振り替えして朝の市場の人混みを避けて通る
新鮮な野菜や果物の匂いから焼きたてのパンの匂いを振り切って慣れた道を全力で走るのはこの市場でのルーティーンみたいなものだった。
??「おはようさん!今日もギルドに行くのかい?」
果物を並べているおじさんに声をかけられる
カラ「おはようおじさん!ちょっと急いでるの!じゃぁまた後で!」
おじさん「おい!これ持ってけ!」
そう言って走り去ろうとするカラを止め一つの林檎を投げる。
カラ「ありがとうおじさん!行ってくる!」
おじさん「気を付けてなー!」
カラ(今日はいいことありそう♪)
カラは貰ったりんごをひとかじりしながら中央の一際目立つ建物を目指す。
ギルドと入口にでかでかと書かれている建物は不思議と威圧感を放っている。
カラは勢いよく扉を開け受付に向かう
カラ「スイマセン少し遅れました!」
受付にいる女性はフフフと笑いながら時間を見て言う
受付嬢「おはようカラちゃん、いつもどうり一時間前到着ね。」
カラ「皆さんは?」
受付嬢「まだ来てないけどいつもの所でいいかしら?」
カラ「はい!お願いします!」
そう言って一つの丸テーブルへ向かい机を拭き椅子を並べチョコンと座って待つさながら犬のようである。
しばらくして辺りがザワつき人だかりが出来ている。その人だかりの先には紅く燃えるような髪と瞳を持つ美しい女性がいた。
大柄な男「おい!来たぜ!」
小柄な男性「あれがルビー持ちか…美しいな」
杖を持った女性「あの人ってあのパーティーの1人でしょ?だったら他にも来るんじゃない?」
その女性は人だかりを避けてカラが座る席の向かい側に座る。
カラ「おn…じゃなかったリーダーおはようございます!」
席から立ち上がり大きく挨拶をする
??「おはようカラ、他の皆はまだか?」
カラ「はい!もう少ししたら来るはずです!」
??「そうか…」
~少しだけ補足~
この世界のギルドはダンジョンの攻略や傭兵の役割をしている。
そして彼女はそのギルドのパーティーの中でもトップの実力を持つ虹結晶リーダーである
~ ~ ~ ~ ~ ~
??「お待たせ~」
少しして眠たそうな男が席に着く。髪はボサボサで黄色い目が特徴で不潔そうな見た目をしている
カラ「コモさんおはようございます!朝ご飯いります?」
コモと呼ばれた男は眠たそうに目をこすりヘラっとわらう
コモ「卵サンドある?」
カラ「ありますよ!」
そう言ってサンドイッチを渡そうと手を伸ばすとカラは後ろから抱きつかれる
??「カラちゃ~んおはよ~そんな奴ほっといて一緒にたべましょ♪」
コモ「そんな奴って…」
後ろには妖艶な服をまとった女性が立っていた。正しく魔女のような青い瞳が特徴の見た目である。
カラ「サフィーさん!おはようございます!サフィーさんもたべます?」
サフィー「いただくわ♪」
??「やばっ俺たち最後じゃん」
??「少し遅れてしまったか」
軽そうな服を身にまとった緑の瞳の男と大柄で筋肉質な紫の瞳の男性が席に座る
カラ「ラルドさんジズさんおはようございます!」
ジズ「ウムおはよう今日も元気だな!」
ラルド「まーた人に朝飯上げてでかくならねぇぞガキンチョ」
そうからかってカラの隣の席に座る
カラ「誰がガキンチョですか!」
カラは頬を膨らませて怒る
ラルド「そういうとこがガキなんだよ~」
??「皆そろったな」
紅髪の女性が口を開く
ジズ「それでレア私たちを呼ぶってことは何かあったのか?」
紅髪の女性はおもい表情をして言う
レア「単刀直入に言う。」
そう言ってカラの方を見る
カラ「ふぇ?」
何が何だか判らずキョトンとしているカラにレアは告げる
レア「カラ お前を追放する」
カラ「……えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」