表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

死を望む魔族

作者: kaenn

何年振りか分からないけど思いつき1時間くらいで書いてみた。


 カンッ!キンッ!


 金属と金属がぶつかり合う音が響く森の中で、コートを着た青白い肌をした貴族風の男と銀色に輝く鎧を纏った剣士が、剣と剣をぶつけ合う。


「なかなかやるな…しかしその程度で私に勝てると思いましたか?…フンッ!」


 そう言いながら剣士の剣を弾き飛ばした貴族風の男は、倒れた剣士に剣を突きつけて睨みつける。


「くっ…さすがこの地域を統べる魔王軍幹部カマセ・イヌ…だが…俺にはまだ……」


 剣士が、目の前のカマセに言葉を紡いでいると、2人の間に拳大の火の玉が放たれる。


「…仲間が居る。」


 ピンチを離脱した剣士は、満面の笑みで視界の向こうから駆けてくる仲間達に手を振る。

そして反撃の為に剣を拾い構え直して居ると…


「やっと来たか、皆!此処が正念ばッ!?……ッッッ………え?」


 駆けつけた仲間は3人

1人は斧を持つ2メートル近い重戦士

もう1人はヴェールを目深に被った教会のシスター

そしてもう1人は…


「なぁー〜にが…「仲間が居る。」よっ!…馬ッッッ鹿じゃないの?えっ?なに?勝手に行くなって言ってたアタシ達の事を、わざわざスキルまで使って置き去りにして…探すのどんだけ苦労したと思ってんの?」


 と、喋って居る剣士の頭を勢い良くコークスクリューブローで打ち抜いた赤い髪の魔法使いの少女だった。


「リョーマは聖剣のお陰で魔族の場所分かるから良いんだろうがこっちは戦闘音から探すから手間なんだが…」


「そうですよ?重鎧でヒィヒィ言うザックスさんに速さの強化魔法を掛けて、オロオロしてるティアちゃんに精神安定の支援魔法を掛けてで大変だったんですから〜」


 疲労で額に汗をかく30代位の中年戦士ザックスが

汗を拭いながらボヤく

 続けて、ヴェールからはみ出した紫色のロングヘアーを掻き分けながら、シスターのドーラが困った笑顔を浮かべる。


「ア!?アタシオロオロなんかしてないっ!」


 1番小さい130センチ位の赤い髪、紅宝玉の付いた杖を持つ少女が髪に負けないくらい顔を真っ赤にしてドーラに反論する。


『…コイツら…私の事を無視して何を…まぁいい…このままコイツらを亡き者にすれば私も晴れて大幹部の座に⁉️…』


 茶番劇を見せられていたカマセが魔力を溜めて魔法を放とうとした瞬間、恐ろしい気配が全身を襲い、溜めていた魔力が霧散してしまった。


「と!とりあえずっ!話はコイツやっつけてからだからっ!」

 ティアが真っ赤な顔のまま、カマセに対してファイアーボールを連発、続けてリョーマが剣を構えながら突っ込んでくる。


「チッ!まぁいい!此処が貴様らの墓場だっ!」






「手強かったな…」


「まぁ…アタシ達に…かかれば…こんな……もんよ…」


 カマセをなんとか倒したリョーマとティアが大の字で横たわり、息を切らせながら話している。


「ふぃ〜…お前さん達は元気だねー…おじさんもう一歩も動けないよ。」


 と、言いながらザックスは斧を杖代わりにして周囲の警戒をしていた。


「そう言えばティア?さっきの続き何だけど…」


「!?そ、そう言えばっ!ドーラは?ドーラはどこに行ったの?幹部倒したとは言えまだ魔族がいるかも知れないわよ?」


 先程の話が蒸し返されるのを恐れたティアが話題を居なくなったドーラにすり替える。


「ん?…んーー…いや…"おはなつみ"だそうだ…」


 話を振られたザックスは頬を掻きながら言いづらそうにそう告げるとリョーマとティアは揃って顔を赤くした。






「…チッ…アイツら勇者だったとは…クッ、アレが噂の聖剣か…傷が完全に塞がらねぇ…アイツらが強くなる前に仕留めねぇと…魔王軍総力を上げて…」


 少し離れた廃墟で癒えない傷を抑え、片腕を犠牲にしてなんとか逃げ延びたカマセが蹲っている。


「あら〜〜それは困ります〜、私の目的が果たせなくなってしまいますので♪」


「っ!?て、お前は!?…ふん…まぁ好都合だ、戦力的にお前1人なら今の私でも充分に殺せる?」


 カマセが魔王軍の総力を上げて勇者抹殺計画を練っているとシスターのドーラが登場時と全く同じ困った笑顔を浮かべながら目の前に立っていた。


 弱って居てもたかが教会の女1人に負ける程弱い訳はないと身体に鞭打ち立ち上がり、ドーラの首に残っている右腕を伸ばす。

 しかし、その伸ばしたはずの腕が一向に届かない…何故?と思って自らの右腕部を見ると…


「あら〜〜"りょううで"無くなっちゃいましたね〜…これからご飯食べるの大変ですね〜?」


「なっ!?腕!?俺の右腕が!?何故だっ!貴様!何をしたっっ!!」


 無くなったカマセの腕を嬉しそうに笑顔で見るドーラ

 対象的に何が起きたのか分からず錯乱するカマセ


「……貴方がいけないんですよ?……だって…あの子達はワタシのキボウ…ソウ…」


 ドーラが俯きながらぼそぼそと言葉を紡ぐ…その最中にバキバキメキメキと音を立てながらドーラの身体が…大きく…歪に変化していく…


「ワタシヲコロセルカモ…シレナイノヨ?」


「ま…まままま、まさか!?ヒュドッ…!?」


 ドーラがいた廃墟は完全に倒壊し、カマセを建物ごと押し潰した、代わりに現れたのはあまりにも巨大で美しい紫色の鱗を纏った九つの首を持つドラゴンだった…


「マオウゴトキジャ…ワタシシネナイノヨネ……アーハヤクアノコタチツヨクナラナイカナ〜〜♪」

過去作の方も構想は練ってるから書けたら投稿するかもしれません。

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ