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神様に殺された!  作者: 猫めっき
9/82

魔石の世界


懐も温まったところで

やっとゆっくりと

街中を見回す余裕が出来た。


これからこの街で

人として生きて行かなくてはならない。


その為には

拠点作りが必須だ。

寵愛も加護も失っても

大丈夫なように。

生きていける様に。


その為には

生活基盤の確保が

何よりも大切になる。


時間を掛けて

ゆっくりと街中を散策すると

やたらと魔石の店が目立つ。


どうやらこの国は

魔石の世界らしい。


細かく見ていると

魔石には

色々な使い方が

有る様だ。


でも、と思う。

例えばパソコンの機能全てが

自分には必要で無い様に

魔石にも

必要なものと

必要で無いものが有る筈。


だったら

全部を覚える必要は

無いんじゃねぇ?


必要になったら

その時に学べばいいし

今は

必要最低限の魔石さえあれば

事足りるはず。


そう考えたら気が楽になって来た。

今大事なのは

衣食住。

これに関わる物だけ見て行けば

当面の心配は必要無い筈。


中でも現代人の自分に

一番必要なのは


灯り。


これが最優先。

だって夜暗いのは嫌だし

ロウソクの明かりなんて

暗すぎて

とてもじゃないけど

安心して夜も眠れない。


まずこれが最優先だ。


最初に目に付いたのが

夜光石。

大きなものから小さいものまで

色んなのが有る。


太陽の光を浴びると

その光を蓄えて

夜光ってくれる優れモノ。

値段もマチマチで

これは持続時間の差で

金額が分かれるらしい。


結構値段はするのだが

安全だし

半永久的に使える・・・のかな。


どの程度の時間

光ってくれるのかは不明だが

日常生活では

まあ第一候補だろう。


そう思って

さらに灯りを探していたら

店の奥の暗闇で

周りを照らすものが有る。


魔光石。


この明るさは

ロウソクや夜光石に比べたら

別格の光だ。


魔力を注入すると

その魔力の量に応じて

光る時間が持続するらしい。

石の質が良ければ

明るさも室内灯クラス。


この灯りを見た時に

これしか無いと思った。


店主に話を聞くと

魔力の無い人には

向かないし

それでもべらぼうに高いので

魔法師を雇っている

王侯貴族が

一番の顧客との事。


そんなの知るか!


こっちはとにかく明るさが

必要だ。

何としても欲しい。


で、結局かなりの金貨を使って

魔光石を手に入れる。

数を買ったものだから

店主が喜んでくれて

燭台も付けてくれた。

使い易そうな物を選んで

収納に突っ込んでいく。


店主によれば

何でも“神光石”というのが

有るらしいのだが

秘石クラスらしく

誰にでも手に入る石では

無いとの事。


心に止めておこう。


これで当面の灯りの問題は

解決。


あとは

食事問題だ。

煮焚き関係。


こちらでは

かまどが基本。

薪が一般的である。


下から直火を使うヤツ。


まあそれでも日常生活には

問題無いのだが

いちいち火を付けるのが

結構面倒くさくって

一番多いのが

かまどに種火を残して置いて

次の日に

薪を突っ込んで

火起こしするパターン。


でもこれって

火事の元なんだよね。


ガスレンジみたいに

使えるのが

欲しいって思ったら


火炎石


というのが売っていた。


まあ、感じとしては

石炭に近い、のだが

一度火が付くと

一週間は燃え続けるらしい。


それって結構使えそう。

24時間×7日ずっと

御湯を沸かし続けてくれる。


24時間いつでも風呂に入れるじゃん。


まあ、熱湯に成っちゃうので

水で薄めないと

熱過ぎて風呂へ入れないけど・・・!


でも、種火感覚で

少量の火炎石で温め続ければ

それ程難しくは無い筈。


これも購入決定。


残るは水回りだ。


この世界に水道は無い。

有って井戸。

地下水を汲み上げなくてはならない。


それらしき魔石を売っている所を

探してみるのだが

見つからない。


森では地下水を汲んでいるので

特に不自由は無いのだが

これだけは解決して置かなければならない

必須事項。


生きる根幹に関わる問題だ。


異世界収納を持っているので

水を貯めて置く方法は

いくらでも見つかるのだが

それとて限界は有る。


水を生み出す魔法も

無い訳ではないが

それは基本、転移に近い。

ずっと生み出し続ける事は

不可能だ。


地下水の利用が基本だが

それは逆に

井戸が無い所では

水を買うと言う選択肢しか

無いとも言えた。


水を手軽に手に入れる方法を

是が非でも見つけたい。


高台(たかだい)にある城では

どうしているんだろうと

色んな店に尋ねたら

どうやら魔水石というのが

使われているらしいと

小耳に挟んだ。


魔水石。


何でもその石一つ見つければ

生涯水を売って

生活出来ると噂される

魔石中の魔石。


探しても見つからない

魔石らしい。


欲しい、何としても欲しい。


その石一つあれば

生涯生活に困る事は

無さそうだ。


誰かに聞いた方がいいのかな?


でも

当分は井戸水のお世話に

なりそうである。





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