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神様に殺された!  作者: 猫めっき
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神々への生贄


「君たち、そんな所で何をしているのかなぁ」


今日は、街へ出かける日である。


神々の森での採取を終え

一通り、お金に成りそうなものを

拾い集め

街で換金して

必要と思われるものを買い込み

合わせて情報収集を図る。


この間の起点造りで

街へのルートを押さえてあったので

ゲートで移動。


でもそこには

先日まで無かったモノが置かれている。


中には人影が・・・。


覗いてみると、三人。

女二人に男一人の様だ。


「何をしているのかな?」


「神様ですか?」


中の一人が答えた。


「違うけど」


「神様を待っているんです」


何かメンドクサイ予感。


「神様を待ってどうするのかな?」


暫くの沈黙ののち


「私たち、生贄なんです」



ビンゴ。

メンドクサイの、確定。

口減らしなのかな?

さて困った。


「神様、来ないよ。どうする?」


「来るまで待ちます」


「絶対来ないんだけど」


「来ないんですか?」


「来ません、断言出来ます」


中の人達は、困った様に


「私たちはどうなるのでしょうか?」


「それは判りません」



少し説明しなきゃ・・・。


「ここは神々の森ですが、神様は来ません。

そう呼ばれているだけです。


だから生贄って言ってますが

それは神様へでは有りません。


魔獣です。

魔獣に食べられる事です」


その言葉を聞いて、驚いたように


「魔獣に食べられるのですか?」


「だってこの辺には、魔獣しかいませんから」


そう言っている間にも

近くに魔獣の気配が近づいてくる。


「どうやら近くに来たようです。

どうしますか?

魔獣に食べられますか?」


「そんなのイヤです。魔獣に食べられるために

ここにいるんじゃありません。

神様にお願いが有っているんです」


どうやらホントに生贄の様だ。


「で、どうします?」


「ここから出して下さい。お願いします。

魔獣になんか、食べられたく有りません」


「わかった。じゃあ、ちょっとじっとしてて」


檻は木造で

それ程頑丈な造りでは無い。


すこし力を入れたら

簡単にバラバラになる。


中には人族と獣人族の少女と

人族の少年が居た。

身なりはそれなりに綺麗に

整えられている。

神様への生贄なら、そうかも知れない。

汚かったら、神様もきっと嫌がるだろうなって

思ったに違いない。


普通なら、美少女が二人いて

(オトコは余分だけど)

きっといい感じになって

恋愛感情が芽生えて

あんな事やこんな事になるのだろうけど

今の自分はそれどころでは無い。


これから街に行って

生活費や生活必需品を

手に入れなければならない。


「じゃ、そういう事で」


そのまま街へ向かおうとすると


「私たちはどうすれば良いんでしょうか?」


そんなもん、知らねーよ。メンドクサイ!

と言うのをぐっと我慢して


「そのまま帰れば」


「それは出来ません。家族に迷惑になるから・・・」


「迷惑?」


「何故生贄に成らなかったんだって?

期待させてしまっているんです。

神様に願いを叶えて貰えるって。

帰ったら、みんなに責められてしまいます。

それじゃ、困るんです」


「そういわれてもなぁ?」


三人をきちんと見直すと

小奇麗な身なりに、大きな包みを持っている。


「その包みは何かな?」


「母さんが持ってけって、持たせてくれました」


「見せてくれるかな?」


包みを開いてみると、綺麗な洋服と

少しばかりの金銭と、僅かな装飾品が入っている。


それを見た途端

こちらの涙腺が崩壊しそうになった。


誰だって自分の子供を

生贄に出すなんてしたくない。


でも仕事が無くて

収入も無くて

多分口減らしで

生贄って体で

子捨てを考えたのではないのか?


多分魔獣に食われるなんて

思ってもいなかったはず。


ここは神々の森だから。


ここに戻っては欲しくない。

どこか他所の街に移り住んで

幸せになって欲しい。


そんな母親の気持ちが

包みの中に見え隠れする。


それ程までに、この世界はひどい状況なのか?


少し考え込んでしまった。

このまま放置して

魔獣の食べられでもしたら

寝覚めが悪い。


でも、と思う。


この三人を森の中に連れて行く事は

出来ない。


この森の中には

絶対に人を入れたくない。

そんな例外は認められない。


一度でもそれを許せば

それは蟻の一穴。


ここが聖域である事が

崩壊する危険性を孕んでいる。


だから今の自分には

何も出来る事は無かった。


「同情はするけど、今は何もしてあげられないから。

ここにはいない方がいいよ。

魔獣、ホントに出るから」


そういってその場を離れる事しか

今の自分には出来なかった。





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