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神様に殺された!  作者: 猫めっき
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発芽


世界樹にとって

それは嬉しい誤算だった。


シンイチの種子が発芽した。

しかも出会って直ぐの事だった。


“出会う事で発芽したのかしら”


思わず笑みが零れてしまう。


種子を持って生まれて来る事は

神は勿論のこと、人はもっと珍しかった。

神でも種子持ちである事に気付ける者など

いないし

人なら尚更である。


しかも種子持ちで有っても

過去に発芽した例は一度として無い。


種子持ちとして生まれて来るのは

世界樹が知る限り

何故か全て女性だったし

それが理由かどうかは判らなかったが

発芽する事は無くいつも消滅して行った。


世界樹にとって発芽は

永遠の願いでもあったのだが

種子は発芽する事無く

尽く消滅しているので

その願いはすでに忘却の彼方だった。


そこにオトコの種子持ちの出現である。

眠っていた期待が呼び起こされ

しかも出会って直ぐにそれは発芽した。


“初めてのオトコだからかな”


種子が発芽した事によって

世界樹は尚更

シンイチを守らなければならないと

思っている。


それと同時に

この“新芽”持ちの今後と

それの可能性をもっと広げなくてはならないと

そうも思っていた。


“初めて発芽したのだから

この“新芽”を大事に育てて後世に繋げなくては”


この発芽した芽が

今後どうなるかは世界樹にとっても未経験で

判らないのだが

発芽した事自体が重要だった。


芽さえ出てしまえば

シンイチが生きようが死のうが

それは世界樹にとっては

何の意味も持たない。


“芽さえ生き続ければ良いのだから。

最悪自分の中で育てても良いわけだし”


それが世界樹の本音だ。


しかしその一方で

何故種子持ちのオトコが過去いなかったのか

その事にも疑問を持っていた。


“もしかしたら

その原因は自分達に有ったのかも”


そんな思いもあった。


“もう少し様子を見た方がイイのかな?”


世界樹にとって

シンイチは新しい楽しみにもなっていた。

それは過保護な母親が誕生した瞬間でもあった。


“何をどう使おうかしら”


神も人間も

世界樹にとっては好き勝手に使える

命のコマでしか無い。


既にシンイチに関わりの有る場所には

何重もの根を張り巡らせて有る。

人の街も同様。

シンイチの行く所には

隙間も無い程の根を張り巡らせ

シンイチの動向を

常に自分の監視下に置いている。


発芽した種子。


世界樹の考えている事は

ただ一つ。

シンイチはオトコで有る以上

発芽する種子を生み出す

種馬に出来るかも知れない。


それがもう一つ出来た夢だった。


“新芽”の成長は重要だが

次の新たなる種子を

発芽させる事が出来るのは

この“新芽”持ちのオトコが

何らかの役割を担っているのでは無いのか

そんな風にも思っている。


この“世界樹”の思惑は

シンイチも神も人も巻き込んでの

壮大な計画なのだが

世界樹にとっては雑作も無い行為だった。


誰にも世界樹の思惑を

止める事など出来ないのだから。





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