天界のロミオとジュリエット?
もう一人の爺さん神様は
どうやら
そう言う爺さんだったらしい。
自分への相談事をこっちに丸投げしようと
思い付いた様だ。
神々の森の神殿に向かった時の事。
誰も居ない筈の神殿に
一組のカップルが身を潜めていた。
聞けば宙の帝に
『ここにこういう人間がいるから
そいつに相談するとよい。
ヘタな神に相談するよりも
よっぽどちゃんと解決してくれるから』
なんて
そんな風に言われたと言う。
褒められたようにも聞こえるが
早い話しが
どう考えても丸投げである。
訪ねて来ている神様カップルから
取り敢えずあらましを聞くと・・・
何の事は無い。
敵対していない弱めの
ロミオとジュリエット天界バージョンだった。
“神はこんな事も解決出来ないのか”
そう思ってしまう。
このカップルは
それぞれ違う天界の
男女神の組み合わせらしかった。
出会ったのは
例の天界戦争の現場で
見物に来ていて
出会って
お互いに一目ぼれしたと言う。
どちらも跡継ぎなのと
異なる天界の神である事も有って
話しは決裂し両親は猛反対。
先の見通しが立たないので
駆け落ちして
宙の帝に相談に行ったと言うのだ。
単純な問題である。
自分は秘策を授けると
この神様カップルを自分の星に匿う事にした。
実は前回の天界戦争の謝礼として
何か欲しい物は有るかと尋ねられ
特段欲しい物は無かったので
「星を三つ四つ貰えますか」
何て冗談とも取れる無茶なお願い事をしたら
それぞれの天界から四つずつ
計八つもの星を貰う話しになってしまって
どうしたものかと考えていたのだけれど
案外使い道は有ったみたいだ。
まだ何も無い星なので
身を隠すには丁度良かった。
後は何柱かの神様にお願いして
早期の決着を図るのみである。
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この駆け落ちは
二つの異なる天界が絡んでいる為に
天界評議会でも
大騒ぎになっていたみたいだったが
自分の住む人間界にその余波は来なかった。
無理も無い。
まさか人間に相談しているとは
神様でも知る由も無かった。
後で宙の神様だけは
どうなっているのかと尋ねて来たのだが
簡単に自分の考えた解決方法を
説明すると
ニンマリと笑って帰って行ったから
多分問題は無いだろうと
そう考えている。
協力をお願いした女神達も
事情が分かるとノリノリで力を貸してくれた。
こういう恋愛事は
女神にとっても大好物らしかった。
その分チョコレートも
随分と使う羽目になったのだが
こういう時の為でもあったのだから
まあ良しとしようと勝手に納得している。
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例のカップルから連絡が入る。
どうやら上手く行ったようだ。
それぞれの両親に
これから挨拶に行くと言って来る。
念の為、宙の帝にも連絡を入れて
同席して貰うようにとアドバイスしておいた。
これで上手く行かなかったら
自分にはどうする事も出来ないし
後は彼と彼女の頑張りに掛っている。
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それぞれの両親を伴って
例のカップルが神々の森の神殿を訪ねて来た。
御礼を言いに来たらしい。
「おめでとうございます」
そういうと
双子の子連れになっていたその夫婦は
嬉しそうに
「有難う御座います。
両親にも認めて貰えました」
そう言うと
それぞれの両親からも
熱烈な御礼の言葉が繰り返される。
簡単な解決方法だ。
子供を複数作って
その子をそれぞれの家の跡継ぎにすれば
それで神の家系は繋げられるのである。
神も孫には弱いのだ。
ましてや跡継ぎでもある。
異論など出る筈も無かった。
重要なのは
子供を早期に複数産まなければならない事で
それ故子宝の神と安産の神の
援助が必要だった。
双子以上妊娠し生む事が、最優先。
これで一気に短期間でこの問題を終結させる。
長引かせてはならない。
長引けばそれだけ
両家の不満も募って行くからだ。
怒りに変わる前に、一気に片を付ける。
これが秘策だった。
思った通りの結果である。
何か御礼を、と申し出が有ったのだが
「この件は決して口外しないで下さい。
神様から相談事を持ち込まれても
人間の手には余りますので」
とだけ言って、お引き取りを頂く。
「そなたに助けが必要な時は、何でも言って来い。
必ずや手助けしよう」
そんな風にも言われたのだが
こっちとしては、
出来るだけそんな状況には
成りたくないと思ってるし
出来る事ならあの爺さん神様の
無茶振りを
止めさせて欲しいのだが
まあきっと無理なんだろうなって
思っている。
何処ぞの神様に
あの爺さん神様を遠ざける方法を
こっちが相談したいくらいだった。
これが神様から依頼を受けた
初めての神様案件で
出来れば最後にしたい案件でも有った。




