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神様に殺された!  作者: 猫めっき
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領主会議と今後


「リチャード、聞いたぞ。

女神を見たそうではないか!」


領主会議の席で

一人が声を掛ける。


「ワシも聞いたぞ。女神はどんなだった?」


その質問にリチャードは苦笑いしながら


「それは後でお話しします。

今回はその件も含めて、重要な会議ですから」


「勿体ぶらずに話せ。聞きたいのだ」


領主全ての目が、リチャードに向けられる。


「それではお話ししますが

その前にもっと重大な御報告が有ります」


その言葉に、全員が静まった。


「我が国に“神々の落とし子”が見つかりました」


その報告に、領主たちは目を見開く。


「本当か? 本物なのか?」


「どんな人物だ。どこに住んでおる?」


矢継ぎ早に質問が飛ぶ。

待ち望んでも手に入らぬ慶事である。


「お待ちください。

その事の説明は少し長くなります。

みなさん、宜しいですか?」


その言葉に、皆が頷いた。



************************************



「という訳で、これは前モーガン公のお手柄なのです」


その言葉に、モーガン家現当主は嬉しそうである。

気付いたのが父親とは

思っても見なかったからだ。


「先ほど話に出た女神モカの出現も

“落とし子”の神殿に対しての忠告が

発端でした。

神像が間違っている。

崇めてもならないと。

正確な神殿内の配置も

“落とし子”の助言によるものです」


その言葉に一同は溜息を付く。


「合わせて前王の失態をお詫びいたします。

父も猛省して居ります」


その一言に、誰もが苦笑いした。

その出来事を、全員が疑っていなかったのである。

それ位に、道化師の大賢者は真に迫っていた。


「それは我らにも責任がある。

前王を責めたりはせんよ」


「そう言って頂けると有難い。

父はこの一件で、憔悴して居りますから」


「それは全て、水に流そうではないか」


領主の一人が、そう提案したことで

この一件は終了となった。



************************************



「ここからが本題です」


そう切り出したリチャードに

領主達は驚く。


「まだ何か有るのか?」


皆もう満足との表情であったが

これまでのは序章に過ぎない。


「御座います。

それも“落とし子”が

もたらしてくれました。


魔石の使い方についてです」


「それはどの様な?」


「国力を上げる事の出来る使い方です」


その一言に

誰もが沈黙した。

思っても見ない一言だったからである。


「魔石は魔力を貯める事が出来

その貯めた魔力を使う事も出来るのです」


「貯めて使えるだと?」


「それだけでは有りません。

使い手本人の

魔力を上げる事も可能なのです。


我が王妃も、それを実行できました。

現在、魔力のアップに挑戦して

着々と成果を出しています」


「それは真か? ウソでは無いだろうな」


「本当です。それ故に実は問題なのです」


「何が問題なのだ?」


「他国に知られてはなりません。

それでは我が国の優位性が保てません」


「秘密にすればいいだけの話しだろう」


「“落とし子”から情報が流れて行く

可能性が有るのです」


国王は“落とし子”のこれまでを

全て報告した。


本人が、出来るだけ目立たない様に

生きようとしている事。

それにも関わらず、

目立つ状況を作ってしまっている事。

魔石の使い方を

スタッフには簡単に教えている事。

スタッフもそれを普通の事と思っている事。


つまり“落とし子”の周りの者は

常に新しい恩恵を受け

知識として持っているのである。


「ちなみにその一人は

私が送り込んでいる暗部です。

この情報もその暗部が、手に入れました」


この難題に対して

各領主がアイデアを出すが

どれにも問題が有った。


“落とし子”がその存在を

周りに知られてしまう危険性が

有るのである。


その事を知られたと知った“落とし子”が

どんな行動に出るのか

それは誰にも分からない。


この地を去ってしまうかも知れない。

それだけは避けねばなるまい。

触らず、近付かず、見守り、

そして情報を得る。


それをどう実現して行くか。


領主の一人が、口を開く。


「先ず、魔石の流出を止めねばなるまい。

上質の魔石は特に持ち出しを制限せねば」


その一言に

全員が納得する。

他国へ流さねば、かなりの優位性を保てる。

勿論他国でも魔石は産出しているが、

しかしカデナ王国ほどの質の高い石は

少ない筈だ。


この件は、領主全てが納得し

すぐに実行出来る様に手配する。

買い取りの指示だ。


ここで困った事が発覚する。


「“落とし子”が魔石を欲しがったらどうする。

手に入らなければ、この地を去るのでは無いのか?」


その考えには、一理有った。

彼は魔石を必要としている。

魔石の使い方を、開発もしている。

その恩恵を捨てかねないのだ。


「店頭に魔石を

普通に並べさせれば良いのではないのか?

“落とし子”が買いに行ったら

その時は、売れば良いだけの話しであろう」


「その手は有るな! 

暗部に先回りさせて、店主に売らせれば良い。

その者が王国の関係者と言えば

店主も顔を覚えるであろう。

要はそれ以外の良石は

国外に売らせなければ良いのだ」


こうして領主会議は終わった。


終わった後で

誰もが女神の話しの事など

すっかり忘れていた事に気付いたのだが

時すでに遅しである。


その件は

次回の領主会議まで

持ち越しとなった。






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