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神様に殺された!  作者: 猫めっき
21/82

神々の森・再び


森の自宅を出ると

その光景に目を疑う。


昨日あれ程枯れて弱々しくなっていた

“カミノムラサキ”が

以前にも増して生命力に溢れ

その辺りに広がっているからだ。


何がどうなった。


その原因を考えてみる。

思い当たる事は一つだけ。


自分だ。

ここに自分が居るのである。


前にこの家に居た時

“カミノムラサキ”は生えて来た。

そして街に行っている間に

元気を無くしている。

昨日見た状態は

まさにそうだった。


でも今朝は違う。

その生命力を取り戻している。


ここから導き出される結論・・・

それは自分がいる。

でも、それが理由では無いだろう。


神々の寵愛を受けた自分。


つまりこれは神々の力だ。

その力を得て

“カミノムラサキ”は

成長しているので有る。


名前の由来も

当然そこに違いない。

神々の力によって成長した

薬草が

神々を治癒するのだ。

人間には強大過ぎる力の薬草。


それ故の毒草なのである。


理由が判ってすっきりすると

これは後で採取するとして

先ず神水の湧きだす湖へと向かった。



****************************



湖畔に

ゲートで転位すると

意外な光景を目にする。


シンケの鳥だ。

元気に動き回っている。


動き回っている?

いや、何かが違う。

元気過ぎるのだ。


数を数えると

あれっ、何か増えて無いか?


10羽以上いる。

確か番いで三組だったよなあ。


そう思って見て見ると

元気な若鳥が二羽。

そして見慣れないのが二羽。


なんだ、この辺りに仲間がいたのか。

その姿を見かけて

近寄って来たに違いない。


卵を産んだのがどれかは知らないが

少なくとも絶滅の危機は、免れたらしい。


まあ、卵を期待するのは

もうしばらく後にしてからが

良さそうかな?


そう思って見ていると

何やらシンケの鳥が近づいてくる。

ポケットに嘴を

突っ込んでくるヤツもいる。


なんのこっちゃ、と思ったが

多分あれだなって気付いた。


貧乏豆が欲しいのだ。


でもそれは

今はあげられない。

貧乏豆は量産しなければならない。

今持っているのは、種である。

これから育て

今後の保険としなければならない。


シンケの鳥につつかれて

しっかりと思い出した。

この鳥のいない所で

育てなくては成らないと。

ここに蒔いても

すぐにこいつ等がほじくって

食べてしまうに違いない。


どこかに畑を作って育てなければ。

多分この森のどこか安全な場所が

適当だろう。

管理はスケルトンに任せればいいかなって

こいつ等の顔を見ながら決心した。



辺りを見渡すと

相変わらず神獣が安らいでいる。

前回と同じ顔触れかな?

何となく見覚えが有るから

多分そうなのだろう。


そう思って見ていると

赤い龍が何かを吐き出す。

ポチャリと落ちたのを見て

慌てて近付いてそこを探す。


龍の何だ。何を吐き出した?


その辺りを目を凝らすと

赤い物が見える。


赤い石だ。


なあんだって思って納得する。

ここに散らばっている石は

全て龍が吐き出した石に違いない。

だからここだけ

色取り取りの石が有るのだろう。


赤い龍が赤い石を吐いたとすれば

その色の数だけ

龍がいるに違いない・・・のかなぁ?


もしかしたら

他の神獣も石を吐いているのかも。


まあ、龍の吐しゃ物と判っただけでも

良しとしよう。


今回の本題はそこではない。


転位ゲートを開くと

酒造所に繋げる。


中からスケルトンが

大樽を持って出て来る。

そう、神水を確保するために

ここに来たのだ。

この大樽を手に入れるのに

どれ程苦労したのかは語るまい。

収納に入れるのに

どれだけ人目を避けた事か。


スケルトンに水を汲ませ

樽に入れさせると

持てる量がどれ程か試させる。


何とか一体で一樽の水は

持てそうである。

手持ちの樽の全てに

神水を満たすと

それを持たせゲートで帰らせる。


あとはこれを

どう使うかだ。


一仕事を終え、治癒の温泉へと向かう事にした。



****************************



温泉に転移して見ると

相変わらずそこは大賑わいで

神獣、魔獣、大小の獣たちが

体を癒していた。


大型の神獣、魔獣も

相変わらずなかなか温泉に

浸かれないでいる。


やはりここは

早めに改造しなければと

思うのだが

今日は獣たちが多いので

日を改めた方がイイのかなって

思っていたら

大きい奴らが

こちらの方に向かって

並び始めた。


前回で味を占めたのが

何匹かいたらしい。

オレは三助じゃないんだけどなぁって

思ってはみても

何故か悲しそうな瞳で

見つめられると

魔獣でもかわいく思えてしまう。


仕方が無いか。


「そこに並べ」


収納からバケツを取り出し

湯を掛けてやることにする。


何匹か掛けたところに

割り込もうとするヤツが見えた。

黒い龍である。


その龍は偉そうに

前にいる神獣や魔獣を押しのけると

自分の前に顔を出すと

何やらオレに向かって

偉そうに指図をしているらしい。


しているらしい、と思うのは

ヤツの言っている事が

さっぱり分からないからだ。


偉そうなヤツ。

こういう手合いが、一番メンドクサイ。

大声で


「順番守れよ! お前は最後」


でも動こうとしない。


「最後だって言ってるだろう。

後ろに並べ」


それでも全く動こうとしない。

あんまり腹が立ったので

鼻っ柱を一発ぶん殴る。


そうしたらその黒い龍は

半回転する。

そうしたら尻尾が

こっちを横殴りになりそうになったので

思いっきりそれを蹴飛ばして

再度半回転。


戻って来たところで

鼻っ柱を

再度ぶん殴った。


最後尾まで吹っ飛んで行く。

その龍はむくって起き上がると

きょとんとしながら

呆然としている。


「お前は最後尾! 判ったか!」


ぶん殴って言うのもなんだが

自分自身の力に少し驚いた。

神々の寵愛は、凄まじい様だ。

黒い龍も、それからは大人しくなった。

力の差を身を持って実感したらしい。


まあいいいことだ。

それって大事よ!


順番に湯を掛けて

並んだ獣たちの傷を癒して行く。

最後になった黒い龍にも

その怪我の部分に湯を掛けてやると

治って行くのを確認し

三助を終了した。


でもこのままだと

来る毎に、列が出来てしまう。

その度に、三助をさせられたら

堪ったものでは無い。


今のうちに、大改造をしてしまおう。

そう思うと、大声を掛ける。


「お前ら、ちょっと湯から出て離れてろ」


そう言うと

ジェスチャーで両手で

外に出るように促す。


それを察したのか

中に入っていた獣たちは全て

湯から出て距離を作る。


イメージは

大型の入りやすい野天風呂。

源泉を生かし

上から順に小、中、大、特大と

棚田の様に階段状に配置した湯船を

イメージする。

これなら小さい獣に

湯が流れて来ないし、被害が出ない。


イメージが固まった瞬間

その野天風呂は

瞬時に完成していた。

流石は神々の寵愛。

この時ばかりは、この力を

有難く思う。

三助も二回で終了だ。


湯量は十分である。

下の大浴槽がお湯で満杯になるのに

それ程時間は掛からなかった。


その大きさの意味が分かったのか

獣たちは

自分達に丁度良い湯船を選んで

入って言った。


神獣や大型の魔獣にも

特大は十二分なサイズである。


どの奴らも

きちんと浸かっているのを見て

安心してその場を離れた。


御湯を採取する事を

すっかりと忘れていた事に気付くのは

自宅に帰ってからの事である。


まあ、まだ日はあるし

次は三助をする必要も無いので

ひょいって行って、ひょいって

ポーションを作って

とっとと帰ろう。


そう決心する。



****************************



次は前回気になっていた

洞窟だが

今回はパス。

奥の炎が気になるが

そこはまあ

次回でも大丈夫だろう。


家に帰って生えて来ていた

“カミノムラサキ”を

ありったけ採取する。


今のところ、確実な収入源は

これだけである。

実入りもでかい。


生えてきたら一つ残らず採取。

ここに居る間は、これは絶対だ。

最優先事項。


売値が十分の一になっても

十倍の量があれば

それなりに金にはなる。


売り先はあそこ限定。

毒薬なのだから

人が死んだらシャレに成らない。

こちらが犯罪者になってしまう。


これは困った時の保険だ。


そう言い聞かせながら

薬草摘みにいそしんだ。







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