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神様に殺された!  作者: 猫めっき
14/82

暗部レポート


暗部からの報告は

毎日届けさせる事に成っている。


本当に幸運だったと思う。

モーガン卿からの連絡を受けて

すぐに暗部を編成。

暗部とは、影の保安部隊の事。

“落とし子”の警護と

その動向を逐一報告させる為の

部隊である。


そのチームを送った矢先に

目的の人物が現れたのだから。

その機会を逃していたら

当分見つける事は

出来なかったに違いない。


その暗部から

文書で報告されてきたが

その内容は

ちんぷんかんぷんであった。

出来事が

全く伝わってこない。


これは

監視した本人から

直接聞かなくてはならない。

でないと

正確にその行動の詳細が

把握出来ない。

そう国王は判断する。


以来毎朝

暗部からの報告を直接聞く事が

国王の日課となった。


飲食店の経営。

これを“落とし子”を

始めると言う。


その報告は

まさに吉報だった。

少なくとも

“落とし子”を見失っても

再び見つける事は

容易いと考えられた。


神々の森に

帰ったとしても

再びその店に来る事は

想像に難くない。


暗部に

近くに見張り所を作らせ

四六時中監視体制を取る事とする。


その店は

経営には問題の有る場所だと

聞いていたが

何故そのような場所を選んだのかは

暗部には

皆目見当が付かなかったらしい。


しかし

正面に布が張られ改造が進むと

その変化に暗部は

驚愕したという。

最高の魔法師でも

そこまでは出来ないだろうと言うのが

暗部の見解である。

それ程までに

短期間で改造をやってのけたとの事。


暗部が言う事に

間違いは無いと思う。

彼らは常に

最高の魔法師と仕事をしている。

間近でその仕事を

見ている彼らの言葉は

重い。


とにかく一日で

外観が別物になったそうだ。

しかし外観が変わった所で

場所の不利が変わるものでは無いとも

思ったと言う。

しかしその判断は

間違いだったとすぐに判明する。


その店は

他の店と明らかに異なっていた。

開店直後から

その店はまるで昼間のように

光に溢れて居り

とにかく目立つ。


他の店とは別次元の

明るさで有ったという。


流石は“落とし子”


持って生まれた物が違うらしい。

人知を超えた方法で

客を集める様だ。


しかし当人は

表に出る事も無く

二人の女性に

営業を任せるみたいだと言う。


開店した初日に

店内に入った

暗部の報告もまた

驚くべきものであった。


調理場の

かまどや焼き場は

一般的な物とは異なり

炎が一定に保たれている様で

料理人が

火加減を気にする事無く

調理していたとの事だ。


火炎石を使っているらしいのだが

その使い方に秘密が有りそうだという。


覗き見程度の観察しか

出来ないので

その方法までは判らないという。

ここも詳細を知りたい所である。

時間が掛かっても

是非探らせなくては

ならない。


神殿に行った事も

報告される。

その神殿で

女神像に関して激怒したとの事。


その話を聞いて

国王も

静観は出来なかった。

前王にも関わる

問題だからである。


神官長代理と密談の後

神官長代理が主導と言う体で

新しい女神像をつくって

公表する事になったらしい。


これは大賢者も

黙ってはいないだろう。

神像比べをする方向らしいが

それは是非とも見たいものだ。


スケジュールを

組まなければなるまい。


なんでも

その後“落とし子”が持ち込んだ

女神像はとても愛らしく

戦の女神には、見えないらしい。

しかし神官長代理が

祈りを捧げると

天から光が差してきたと言う。


夜秘密裏に行われたにも

関わらず

遠目からでも

それはそれは

神秘的な光景だったらしい。


その話を聞いただけでも

その女神像の方が

どれ程のものか、想像に難くない。


それは是非とも行かねばなるまい。


神像比べの日が

国王にとっても

楽しみなイベントになっていた。





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