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第 七 回

 前回、ハッピー屋で手がど真ん中の赤になった理由が分かったのは四、五日後だった。

 きっと店員の人が深刻な鬱だったからチェックしろって意味での赤だったのかな。その人は無事、保障もされて休ませてもらってるとの、ことで良かった。仕事が、もろに役立ったのだ!


 今回訪ねたのは、手紙屋さん。

 手紙を毎日たくさん書いて、依頼者のコーディネートをする仕事だ。

 失礼ではあるが仕事なので、さっそく捜させて貰う!私も、仕事慣れてきたな。

 一階は手紙を書くための文机がたくさん並んでいる。一番大きい机が店主のだな。一階は特に無しだ。

 二階は店主の住まいらしい。プライベート空間なのでためらうが、それでも触れていく。ブワッ。濃いしっかりとした黄色になった。店主が着ている服だそうだ。

 「手紙はお届け先へ結婚をする人を送っていくぐらいの気分で書いています」

 テクニックだけでは難しく、嘘を書きそうになっていた。


「この手紙を可愛がって欲しかったの…。破られたら、可哀想でしょう」


 一見、他愛も無い行為でもあるけど、手紙って封を閉じて気持ちをかなりストレートに渡す意味だ。こういうことが発端で酷い事件が起きるのかもしれない。


 十四、五人がゴリラ、に。もちろん全員て程では無かったけど店主の狂気に皆感化されたのかも。ゴリラのなんとなく特徴と言えば、タンクトップと短パンがつなぎになったようなピッタリした服と、靴を履いていた。まあ、人間の想像力で妖力点のエネルギーは姿を変えるって話、だからな。

 普通に闘うの厳しいですよ。鬼襞さんが「コレを使え。ビームの砂だ」

 ビームの砂、鬼襞さんが渡してくれる物が毎回変わる。鬼襞さんの出す道具が大した物なんだろうか、それとも私の実力がすごくなっているのか…。まあ、いっか。それどころじゃない。


 サッと木刀にビームの砂をかける。

 多分、振りが重要だ。後、砂の量的に二、三回しかビームは出せないとか、まず考えた方が良いだろう。


 ゴリラ、意外に動きが速い。私は思いっきり吹っ飛んだ。壁に叩きつけられるかと、思ったが右足から、軽めに溶岩を吹き出させ威力を半減させた。この程度なら攻撃でもないので妖魔にも後遺症は出ない。後で、いやしの回復術をしっかり受けないとな。一度じゃ、たりない時もある。

 ゴリラってやっぱ猿の一種だけあって結構、腕が長いなぁ。アッ、そういうことか…。ビームは腕だ。木刀があって、腕。「いくぞ…」

 私はしっかりとゴリラの動きを見る。

「魔力、右のビーム砂パンチ」

 私は木刀を片手に、ビームをパンチの感覚で射った。

「グッハ――ッ、ウヒョ――ッ」妖魔が一体、その後ろのもう一体と一緒に吹っ飛んでいった。

 次の攻撃の前に、また吹っ飛ばされたが、両足溶岩ブーストで止めた。

「二回目の魔力、左のビーム砂パンチ」によって、三体を倒すことが出来た。


 鬼襞さんが誉めてくれた。

「大分、木刀を使うのが上手くなったな」


 その時、最初に私を誘った妖魔が現れた。

「ウッヒョ、ウヒャッヒャッ」

 これを後から考えると妖力点の影を集めて、一年間、日本を天国も地獄も無い、『酷い孤島にする作戦』であった。妖力点から、そこまで分析するとは恐ろしい者たちだ。

 これは、早い者勝ちだ。影と現実を隠れコードのように繋いだら、その一年前が現実になってしまう。影は一定量あればいいのだ、そうだ。

 私は腕を斬りつけられた。結構、深手だ。思わず腕から、頭まで溶岩の身体に、なる。特殊な身体で、調べたので知っているが回復率は、十五倍である。転んだ程度のダメージで済んだ。しかし、痛みは立体的だから、あまり受けたくない。

 私の腕を斬り鬼襞さんが、怒る。普通と違うエネルギー量で少しの間、『伝説のスコップ』が影から浮かび上がった。

 これがタイムスリップの道具だった。閻魔様の次の次の次に偉い鬼の鬼襞さんを邪魔に思う心が、情報提供の量に影響を与えたのだ!!(後に、閻魔様から、『遠い地獄』へとその鬼は千年の左遷をされてしまった)


 妖魔たちは室町時代、南北朝時代の人間を連れてこようと、もくろんだ。


 歴史が詳しいとは言えないが多分、分かりやすく日本が二極化している時代だから、選んだのだろう。武士たちはどちらかの下へと、協力するために付き従った。


 鬼襞さんが言うにはきっと、妖魔は何にも考えず連れて来た室町時代の人たちを金持ちにしようとしている。


 五十年以上、分かれた荒れた時代だ。正に、妖魔の理想である住みやすい地獄へしてしまう、はず。それは、戦前の日本よりもマズいかもしれない。

「アッ……」

 荒れ果てた日本の、姿が一瞬、見えた。ギャングの抗争の後の如くの跡。私の記憶にものすごく不幸な記憶が、わんさかと増えようとしてきている。冗談じゃない、こんな罪、人々に、背負わせたくない。

 私は溶岩になっていない側の手で拳を握って腹部に手を当てた。妖力点の本体はこっちにあるんだ、好きにはさせる訳にはいかない。どうすればいいのか分からないが、叫んだ。

「帰ってこい、影!!」

 ヒュ―――クァ――ルルッ――ッァール――ルー。

 聞いたこともない笛のような電子音のような音が、聞こえた。

 私は黒い野犬の中型犬に腹部へ跳びつかれたような、衝撃を受けた。

「ぐふぅあ…」

 今日の妖力点の会社の方、それから前の妖力点での様々なこれまでの働いてきた場所の失敗した使用をした、嘆き…。

「う――あ――っ、ゴッフォ――ンッ」

 私、これから仕事頑張っていけるのかな。



                    続く


もう過ぎ去ってしまった、残念。

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