第 四 回
運命は動き出した。
地獄で、五ヶ月のそれなりに厳しいトレーニングの、おかげで私は溶岩体質の火力調整が出来るようになった。
けど、鬼襞さんに、似ている妖魔が現れたらなんの問題も無しで上手く対処出来るかと言われると自信はない。
今日も、仕事が終わって、ふと何か違和感。
ただの、人。
「冬美ちゃん、お疲れさん」
地面から、半身を出して妖魔が声を掛けてきた。「こうやっていると、移動が楽なんでな」影に入られた人は、少しボ――ッと留まっている。
すれ違う妖魔と、ぼんやりとしていた、今の私。
鬼襞さんは「コラ――ッ」と悪い虫を追い払うように、して迫る。何も知らない感じの人間もちょっとドキッとしている。上手く、人間を盾にして、妖魔は今のところギリギリのライン辺りで捕まらない。
傘工場に、やって来た。色々、工場内を見せて貰った。ここは金属の骨組みに布を付ける場だ。
機械のほとんど自動と、手縫い両方力を入れてやっているのだ、そうだ。
ただ、工場長さんがこっそり言うには機械で縫う方が人気が出てしまったようだ。
私は妖力点探しのため様々触れていく。少し疲れ施設入り口をつかんで軽く休憩状態に、なっていた。「アッ…」
すると、手が黒さの強い紫色が着いていた。
この色って分かんないけど、きっと……。
勘で、最初に目があった人に手の色を見せて話かけた。
唯一、人気で勝っていた子供向けの蛙を題材にした、傘が機械に負けてしまった。特に早番の登板の日、電気のスイッチを押すのが怖くなってしまった。
手縫い班は十一人、この会社の機械班は十三人、いる。
実はデザインが二回、うっかり交換されてしまっていた。二、三日後にはデザイナーの人が見に来る予定だったので、多分知らばくれ押し通す予定だった。
妖力点のエネルギーが狙いが定まったシャワーのように降り注いで身体がバルーンのように膨らみ『かまきり』に似ている人の姿へ変わってしまった。機械の班の人もちょっと同情で協力をしていたので、十五、六人くらいいるようである。私は小さい子用の木のおもちゃみたいなモノを木刀に変えた。しかし、かまきりの鎌は肉を切り刻むぐらいは楽勝で出来そうな雰囲気だ!やっぱ、怖っ。
鬼襞さんが小ビンをくれた。
「宇宙の砂だ、使え」
全くいつものように、意味深なことだけ言う。もう、かけて使うしかない。死ぬしな…。
宇宙の砂の効果か、向かう方向に宇宙の虹が敵のかまきりの方向へと、伸びていく。ギョア――ン。不思議な音が、した。鎌と刀がぶつかって跳ね返った音だろう。形的にはただ壁に、杭を打つって感じだな。狙いをしっかりすれば…。
「アッ…。鎌が切れた」
などと、やっているうちに鬼襞さんが、あっという間に倒した。
照明の方じゃない電気のスイッチがつながっているコード。スイッチより周辺の方が色が濃かったのだ。
鬼襞さんは爪を長めに、伸ばす。
そこのブレーカを切っているから、大丈夫だと思うけど。
爪でアイスクリームを食べるかのように周辺を切り取った。
そして、また仕事終わりの妙な、違和感があった。
「冬美ちゃん、お疲れさん」
また、人の影に入って私に近づいている。きっと妖力点を狙っているのだろう。
私も呼ばれて閻魔大王から、話を聞いた。
噂の出は鬼襞さんのことをちょっと邪魔だと思っている。閻魔様の次の次の次に偉い鬼らしい。
妖魔、タイムスリップをもくろむ。三つ、四つは時間移動の手はあったりするらしい。
逃げようとしているのか?
ずっと、妖魔が変にうろちょろしているのが気になる。そのうち私に仕掛けてくるの、かもしれない。想像が追いつきそうもない奇妙な緊張感だ。
続く