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第 二十四 回

 キツネの妖魔だ。つなぎの服を着ている。ズボンから肩にかけてつながっていて、後ろは×(バツ)印。サロペットと、運良く私は、分かった。

 それから、Tシャツとブーツを履いている。

 顔だけキツネで身体は人間だ。

 十人ちょっと人の状態の人も幻・世界に入ってしまっている。

「予備見さん、人の方、お願いします」

「うん、任せて…」

 鬼襞さんは、いつも通り、仕事の場だと真剣だ。妖魔に対して、どんな動きでも止められる姿勢で臨んでいる。

 何を話さずに、いるのだろう。

 しかし、今は仕事だ。

 私はちょっとずつ木刀から影を伸ばして、チョロチョロ動かしていた。この動きは、いやしだと思ったからだ。

「話して、解決しましょう!」

 少し、時間が経つと妖魔から人に戻ってくれた。


「普通のやり方でも素晴らしい、ロボットを開発するためのシステムを、遠回りでも何とか作りたいと、思います」と、責任者の方は言ってくれた。


 研究所を出て、少し時間が経過をして、鬼襞さんは発言をした。

「冬美、俺はお前に何をしてやれたんだろうな」

「えっ…」

「俺は一度、戻って修行をし直さないといけないなって、考えていたんだ」

「そんな…。決めたんですか…?」

「俺の作った地獄のザルの目は半端だし」

 予備見さんが、話す。「鬼襞さん、近頃の妖魔は落ち着いています。でも、事故とかそういう方面で大変になるかも、しれない。そうなっても負けない鬼襞務という存在は貴重ですよ、どうなんですか?」

「ウーム、そう言われると、そうか。初心の思いが乱れていたのかも、しれない」

 私は鬼襞さんに両手で握手をした。いつもは握手などしない。今日は特別だ。

「妖力点のエネルギー体をたくさん集めたら、地獄のザルの目だって完全に近くなるんですから」

「つい、強くなったら、魔力で地獄のザルの目を良く出来るかもしょれないと、思ってしまった。俺の考えが半端だった、すまない」

「いいんですよ」

「あまり冬美さんを心配させちゃ、駄目ですよ」

「ああ」

 予備見さんは切なそうな顔になっていた。ただの普通の言葉でも、失恋爆弾だ。

 でも、私だって負けている感じがする。結局、予備見さんの説得で思い直したって気が。というか、また、中途半端な想いの面々になっているな。けど、まだ仕事が落ち着いている訳でも無いのに、心の場が乱れてしまうと、手に負えないはず。

 だから、待たせるんだろうな、恋の神様。妖力点をもっと、理解しないと。



                      続く

時間がマズいな。

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