第 十 回
新キャラ、登場!
二、三日後。とびきり風船の、色の意味を理解した。自分の身体の反応なので、やっぱり頑張ったら解読は出来る。
うっすらと青みが強い感じの、紫。
熟れていないみかんとか緑で青かったりして美味しかったりもするけど、酸っぱい。
紫はブドウのイメージだって思う。昔の外国の童話で、狐が手に入らなかったブドウを酸っぱいに違いないって決めつける話を、思い出した。
多分それに当てはめた感覚が出たのだ。
「今日の行き方はコレだ」
コマを出された。葉がないカブに太いつまようじを葉の辺りから真下へ突き刺した感じの、小さくて可愛いヤツだ。
分かれ道の度、コマのつかむところが示す方角に行くらしい。私が誰かの邪魔にならないようによく丁寧に危なくないように確認をして鬼襞さんが回していった。
商店街にある〈車窓屋〉に辿り、着いた。
景色の絵やイラスト、写真などを販売する店。コンセプトがあって、必ず乗り物の窓の景色をイメージする物しか売らないとのことだ。それしか売らないという姿勢に私は中々出来ないことを大したものだなって思っていたのであった。
さっそく妖力点捜しだ。
絵はまず、許可を貰って額縁に触れていく。絵に触れるのはマズいと思うがどうしても見つからなければ、相談するしかない。もっといい発見方法があればいいのに。
ピアノに触れると、ドッキューンってなる。「アレッ…?」
これは、妖力点だ。
もうちょっと、触れるとペダルの部分で色が変わる。これはえ――と黒かと思いそうになったけど、ちょっと違うな。濃いグレイって感じだ。
ピアノは時々店の雰囲気作りに店主がピアノを弾いていた。ここで楽器演奏会もあったりするようだ。
結構広いもんな。
「こんにちは」
「えっと、どなたですか?」と言って、私はびっくりした一応。一つ目だったから…。一つ目一本足明後日見さん関係の方?
「あなた方にあんまり壊されても困るので地獄から来ました」
正体証明カードを出して…指ではじいて、三つ折りのカード入れを開いた。
3D映像的な感じで一つ目さんが現れた。
「どうも、何の用事?」一つ目の女性はカードを私たちの方向へ向ける。
「アッ、鬼襞さんに冬美さん。…ああっ、そういうことか、この娘はね、実は僕の三つ子の妹なんですよ。どこかと思ったら、ここの所属になったのか…」
「一つ目三本足予備見です。どうぞ、よろしくお願いします」
「…えっ、三本足…」
よく見ると、三本足だ。…二本足かと思っていた。
予備見さんはスーツに、ガウチョパンツを穿いていた。オシャレに着こなしている。スカートのしなやかさと、ズボンの便利感。優雅さまで入っているからすごい。靴もカーブが綺麗で動きやすいモノを履いている。
予備見さんはいい休日を上手く、過ごしてそうだな。
私は話を進めるため、冷静に店内を一周見回してみた。奥の方も…。
私は店主に「何かの理由であまり売れてないんじゃないですか?」と、聞いてみた。
「ウウッ…」アッ、妖魔化しそうだ。
「『幻・世界』に行きましょう早く」予備見さんは真剣に特に私を見て言った。目が普通にあうな予備見さんは…。
「えっ、どこなんです、それって」
「説明している暇が無い」予備見さんは上を向いた。「予備見・異界・フラッシュ」目が淡い黄緑色に光った。今、周りが真っ暗だけど床の石が白く輝いて周りはしっかりと見える。
「ここが『幻・世界』ね」
取りあえず私は「妖力点の影っ」
実は今回、四つ足ではなく靴の外側の周り、二センチ程に影を留め、素速さを増させる方法が出来るようになった。十五、六人がトナカイの妖魔になった。まるで、プロレスラーのような体格。長距離移動には向かないかもしれないが重い荷物は持てそうだ。
しかし、妖魔が速い。ギリギリとらえられるかどうかのスピード。
「どういうこと、予備見さん…」
「こっちの世界だと、妖魔は一.八五倍強くなってしまうの」
「んな、ムチャな」
「その代わり、物も壊れないしいいでしょ」
予備見さんは、自分の心に向かって呟いているみたいだ。そりゃあ、いいけど私がやっぱ死ぬかもだ。
「私が、フォローします」
予備見さんはキリッとした目で、胸も張った。
「肉体・妖力強化」
予備見さんの周りに少し蜃気楼が起きた…?二、三度温度が上がった気もする。しばらくして気にならなくなるけど。
「安定回転キック」
予備見さんはストレートに蹴らずに、二本足で安定した状態で回転をかけたキックを放った。妖魔が吹っ飛んでいく。
他にも、「バネ力最強アッパー」で妖魔はぶっ飛んだ。
私は五人くらい人間のままの人もいるので木刀でなんとか守っていたら、鬼襞さんが後は倒してくれた。
助かったけど、予備見さんの強さは正直、木刀を使った私より少し強いかどうか。鬼襞さんと比べるとどうやったってアレだが。私も戦闘にはかなり慣れたとはいえ、一.八五倍。
「冬美さん、一番初めぐらいの強さに戻った程度で。ここだと死んでも三、四十回に一回しか『幻・世界』に死を置いていけるから本当には死なないっていう素晴らしい特典もあるのよ」
「……」私は、無言だ。また、最初の頃の不安感と戦わなくちゃならないのか。誰が死ぬか…。それっきりになってしまったんじゃ次は多分天国って、なる。
続く
次の回もなんとか終わっていたい!




