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序章

 読んで戴けたら嬉しいです。

 暖かな光が枝葉を輝かせ、降り注ぐ林の中、広げた毛布の上で若い男女が寛(くつろ)いでいた。


 女は二十代後半くらいで長い髪を胸まで垂らし、自分の膝に頭を預ける男の髪を静かに撫でていた。


 男は大人びた表情を持つが、高校生ぐらいだろう、まだ顔に幼さが残っている。


 男は女の膝を枕に寝転がり、三島由紀夫の「豊穣の海」なんぞを読み耽《ふけ》っていた。


 女はおもむろに口を開いた。


「ねえ、ラプンツェルって知ってる? 」


 男は視線を女の顔に向け言った。


「知ってるよ

 グリム童話に出て来るお姫様だろ? 」


 女はふっと微笑みを漏らし答えた。


「彼女はお姫様なんかじゃ無いよ

 彼女はただの女の子

 ねえ、ラプンツェルは突然現れたのが王子様じゃ無くても恋をしたのかしら」



『………………………恋をしたのかしら』



 その言葉が重く響き、隆一朗は目を覚ました。


 タバコに火を点け、ゆっくりと吸い込むと煙を吐き出した。


 暫(しばら)くタバコを燻(くゆ)らせ想った。


『アナタは塔の中で、誰を愛していたの? 』







 読んで下さり有り難うございます。


 初めて書いた小説で思い入れが深く、一人でも多くの人に触れて貰えたらと思いました。

 ちまちまと直した処はありますが、内容は変わらないです。

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― 新着の感想 ―
[一言] わーっ! なんかラジオドラマみたいな、大人っぽいロマンとミステリーを感じさせられる出だしですね。 このオープニングに会う曲は『As Time Goes By』かな… とても興味ある好い序章だ…
[一言] じっくり拝読させていただきます。 最初の作品が一番その人の気持ちを反映している気がします。
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