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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・幕間
90/115

55.三姉妹救出作戦・後編

こんばんは、ロンロンの弟子です。今回は思ったより早く投稿できたので良かったです。体調も回復してきたので、なんとか頑張ります。

さて今回は後編ですが・・・・・・正直言って難しかったです。どう難しかったのかは後書きにしましょうか。

それではどうぞ!

「ふむ、王女様とメイド、それに・・・男か。何故動けるのか興味があるね。」


男はそう言うとティルス達の前に降りる。

ティルス達は当然警戒し、スィングが前に出る。


「あんたが黒幕か。一体何者なんすか?」


「名乗るほどの者ではない。私はこの国に雇われたただの科学者さ。でもここでの仕事は終わったから次の仕事へ向かおうと思ってね。」


確かに本人が言うとおり男の姿は白衣に眼鏡というどこにでも居そうな感じだった。

だがほかの科学者達と違うのはティルスには分かる。


「・・・貴方、相当強いですね。見たところ持っている力が桁違いです。」


「ふむ、貴女は見たところティルアーネ様だが、中身は違うようだね。・・・なるほど、3人とも外部から来たのか。」


「!?」


驚く3人。だが男はこう続ける。


「別に驚くようなことではないさ。この世界は作られた世界だ。外部から誰か来るのも珍しいことじゃない。・・・だが今来ているのはおかしいんだよ。この世界に来ていた人間は全員動かないのだから。」


「・・・まさか!?」


ティルスは思い出す。この世界に来た者たちは動かないという言葉、それがヒントとなった。今動けない世界・・・それは。


「その通り。なぜかは分からないけど君たち現実世界の人間たちは今時間停止状態のはずだよね。」


ティルスの考えは的中した。泰人達の世界は今停止状態にある。つまりこの世界は泰人たちの世界と関係があるということになる。


「作られた世界・・・となると沙汰さんが言っていたネットというものでしょうか。」


「・・・なるほど、君たちは現実世界とはまた違う場所から来たようだね。ならば聞きたいことがあるんだ。私の今している研究についてなんだが・・・」


研究。その言葉に3人が目を合わせた。そう、この時点でこの男がどういう男かだいたいの予想はついたのだ。


「それって・・・悪魔のことですか?」


「その通り!活きのいい子供達がここには多いから実験にはピッタリだったんだ。でも最近減ってきてそろそろ本拠地を変えようと・・・む。」


言葉の途中でスィングが殴りかかるがあっさり避けられる。


「何するんだい。私の素晴らしい話の途中だろう?」


「・・・・・うるせえよ、てめえみたいな糞野郎は俺っち達がぶっ倒す!」


そう言い切ると石を取り出しシロミャーを召喚する。

科学者はそれを見て危険を察知したのか再び浮遊する。


「全く、誰も苦しまないようにオートモードを作動したというのに。私の親切心が分からないのかい。」


「そうして何をするつもりなんですか?これ以上他の人たちに手を出すのなら・・・容赦はしません!」


ティルスはそう言い、腕輪を構える。スィングは右腕を液体に変え、戦闘準備を整える。メイディアは特に何もしないようだがサポートする気満々である。


「・・・・・・そうかい、私と戦う気なのかい。別にいいが君たちが負けた場合は生贄になってもらうよ!!」


科学者は目の前に空間の歪みを発生させるとそこから何かを取り出す。それは二人の少女のように見える。そしてティルスたちのよく知る人物だ。


「サロンさんと・・・ミカゼさん・・・?」


「ほう、よく知っているな。この二人には悪魔になる素質があってね。素晴らしい素材だよ。」


そう言ってポケットから注射器を取り出すと二人の身体に刺そうとする。

スィングはそれを阻止するため液状の腕を伸ばす。


「君のその能力は危険だね。足止めするなら・・・この魔物かな。」


再び空間が歪み魔物が出現する。羽の生えた犬で中型クラスである。

スィングはすぐに気付くが、かなりの熱を持った魔物らしく触れたら蒸発しそうだ。直前で腕を止めて引っ込める。


「・・・俺っちとの相性最悪じゃないか。あの野郎、考えたな。・・・ってこれじゃ間に合わない!」


そうこうしている間に二人への注射が完了してしまった。それと同時に二人の身体がどんどん変化していく。


身体全体に刺青のようなものが入り、頭から角が、背中から蝙蝠のような翼が生える。二人は目を開く。そして視界に科学者が入るとこう言った。


「はじめまして、どうぞご自由に命令ください。」


ティルスは唖然とした。助けると約束したのに・・・間に合わなかったのだ。

残りの二人もそうだ。声すら出ない。


「ふむ、そうだね。そこの3人を捕まえてくれ。」


「承知致しました。」


二人とも声がぴったりと合う。手を繋ぎ、あいている手をティルスたちに向ける。明らかに危険な状況だ。ティルスは咄嗟にレゾナールを取り出すと彼女たちに向ける。


「捕縛!」


二人が声を合わせてそう言う網状の光がティルスたちに向けて放たれる・・・がレゾナールが光ると術が消滅する。それを見た科学者は少し驚いた顔をする。


「レゾナールを持ち出していたか。・・・仕方ない、ここは一度引かなくてはいけないな。君達、頼むよ。」


そう言うと二人は頷き、転移の術式を描く。


「く、逃げられちまう。だがあの魔物のせいで俺っちは手が出せん・・・。」


「この魔物は残しておこうかな。さて皆さん、機会があればまた会おうではないか。さらばだ!!」


その言葉を最後に科学者たちは姿を消した。残ったのは熱気を放つ翼の生えた犬のような生物だけ。

ティルス達は3姉妹の願いを叶えることはできなかったのだ。


「・・・・・・失敗したのか。俺っち達じゃ救えないってことなんすか!!」


「落ち着いてください。まずは目の前のことから対処していかないと。」


メイディアはそう言うが思った以上にティルスとスィングのショックは大きかったようだ。目の前にいた、助ける人物は手の届く範囲までいたのに・・・駄目だったのだ。


「そう言ってもますたーの能力じゃあの犬に触れない限りどうしようもないんだよねー。」


「僕たちはあの生物さえ抑えられないんでしょうか。」


そう言っている間にも生物は体勢を整えティルスたちに向けて火を吐き出した。

純粋な炎のためレゾナールは反応しないようだ。


「・・・ここまでなんすかね。」


誰もが諦めかけていた・・・その時だった。

一人の少年が割って入る。




「全く、こんなところでやられているようじゃ王にはなれんぞ。」


「・・・ティライズ君!?」


その少年はティライズだった。彼は大剣で炎を払いのける。

そしてナイフを取り出すと魔物に向けて投げようとする。


「待って!あれも元は子供みたいなんだ。傷つけないで元に戻さないと駄目だよ。」


「・・・仕方ないな。ティルス、私にレゾナールを渡せ。」


ティライズは少し上を向き考える素振りを見せた後、ティルスにそう言った。

もちろんティルスは素直に渡す。


「さてと、やるかな。・・・少し無茶するが気にするなよ。」


ティライズは誰にも聞こえないようにぼそっと喋ると大剣を地面に置き、両足に力を入れ思いっきりジャンプする。魔物との距離は4,5mはありそうだが軽々と辿り着く。


「輝けレゾナール!その者の邪悪を払え。」


ティライズがレゾナールを魔物に向けると輝き出す。そしてその光が魔物を包む。その光を抱きかかえるとティライズは地面に着地する。ここまでほんの数秒だが流れるような動きだった。そして着地すると同時に光は消え、まだ5,6歳ほどの小さな男の子が姿を現す。疲れているようでティライズの手の中で眠っている。


「こんなものだろう。さて、そこのお前。この少年を受け取れ。」


「えーっと、分かったっす。」


ティライズは男の子をスィングに渡す。それでも少年は起きないようでどれだけ深い眠りについているか分かる。

そしてティライズはティルスにレゾナールと何かを渡すと背を向けて去ろうとする。


「待ってティライズ君!!僕は君に聞きたいことが山ほどあるんだ。」


ティルスは言いたかった。あれほど重傷だったのになぜここにいるのか、沙汰はどうなったのか、この渡されたものはなんなのか、今一体何が起こっているのか・・・だが聞けなかった。振り返ったティライズの真剣な、何も聞かないでくれと言いたそうな表情を見たらその後の言葉を続けることはできなかった。


「ティルス、頼みがあるんだ。聞いてくれ。」


「・・・頼み?」


もちろん悪い予感しかしなかった。だがティルスには聞く以外何もできなかった。


「もし次、私や沙汰に会って普通じゃなかったら・・・・・・お前達の手で倒してくれ。」


「・・・!?それってどういう・・・・・・」


だが最後まで話す前にティライズは背中を向ける。そして片手を上げて一言。



「・・・頼んだぞ。」



その言葉を最後に、ティライズは姿を消した。






「さてこんなところか。ったくティライズめ、せっかく苦労して手に入れた強化アイテムをあっさりと使いやがって。だが、あれを渡せたしいいとするかな。・・・・・・そろそろ気づかれたか。」


パソコン室にいた着ぐるみの男はパソコンを閉じる。そしてそれと同時に全身に電気のようなものが流れ出す。とてつもない痛みで目の前が霞んでくる。


「・・・・・・・・・後は頼むぜ、泰人。」


その言葉を最後に男は意識を失った。






その後クリスタ王国は元に戻った。恐らく科学者の男がオートモードと名乗るシステムを解除したからだと思われる。人々が元に戻るとティルアーネの意識も戻った。ティルスは今まであったことを全て話すとティルアーネは複雑そうにしながらもまた会えて嬉しいと言ってくれた。

城へ入り、ティルアーネが教えてくれた地下の牢獄にはフロンが捕まっていた。フロンはティルアーネやスィングを見てとても驚いていたがすぐに笑顔になり、自分の姉妹について聞いた。・・・・・・正直フロンは分かっていたのかもしれない。ティルスにはその笑顔が凄く痛々しく見えたからだ。姉妹はどこかで繋がっている、そんな話も聞くが本当にそうなのかもしれない。ティルスが全てを話すとフロンはそうですかと一言だけ、決して悲しい表情は出さなかった。だがティルス達は分かっていた。凄く、これ以上ないくらい悲しいのに命がけでここまで来たティルス達を思って表に出さないのだと。この時ティルスは誓った、もっと強くなると。力を合わせるのも確かに大事だが、ここ一番の譲れない場面で絶対に負けない力を手に入れたい。そう思わずにはいられなかった。

その後、城の者が男の子の自宅を見つけて彼は家に帰っていった。魔物化していた時の記憶はないようだが、ティルス達に助けられたことは覚えているようで、最後にお姉ちゃん達ありがとうと言っていた。ティルス達はそれだけで少し救われた気がした。そして別れの時間も迫っていた。ティルス達はずっとこの世界にはいられない、帰るべき場所はある。ティルアーネはまたティルスと別れるのが少し寂しいと思っていた。



「それでは僕たちはそろそろ帰ろうと思います。皆さんお世話になりました。」


「うふふ、姫様に言われるとなんかティルス君って感じがしませんね。」


そんな言葉を交わす。フロンは少し城にお世話になったら姉妹を探しに旅立つと言っていた。ティルアーネ達も全力でサポートすると言ってくれた。レゾナールがあれば、魔物になった子供たちや悪魔とかしたサロンとミカゼを助けられるからだ。それに自分達があの科学者を雇ったことを後悔しており少しでも償いたいとのことらしい。

・・・そして別れの時


「それじゃ、また来るっすよ。今度来たらあいつを今度こそ倒してやるっす。」


「それでは、皆さんさような・・・」


「待ってください!!」


とメイディアから待ったがかかる。皆驚く。


「どうしたのですかメイディア?ティルス様とスィング様の旅立ちをちゃんと見届けましょう。」


「・・・ん?」


今のは本当のティルアーネの一言だ。ティルスは疑問に思った。今のメイディアは違う人物、ティルアーネのメイドなはずだ。だがそれを分かったということは・・・。


「皆さんには黙っていましたが、すべて思い出したんです。私はメイディア。この国、クリスタ王国のお城で働くメイドです。誠に勝手ですが私もここに残ります。私の能力は全てを見通す力、この力でフロンさん達のお役に立ちたいのです。」


すごく清々しい顔をしていた。全てを思い出しすごく嬉しそうに見えた。そんな彼女を止めることはティルスたちには出来ない・・・それ以前に止める必要もない。


「勿論ですよ。記憶が戻ったようで良かったです。」


「こっちのことは頼むっすよ。あっちのことがすべて終わったらまた会おう。」


「皆さん・・・・・・はい!!」




こうしてクリスタ王国を去ったティルスとスィング。残念ながら二人を救うことはできないのが心残りであり、泰人に何と言えばいいのか考えずにはいられなかった。




舞台は再び悪夢へと戻る。果たしてどうなるのか、決戦の時は迫っている。

・・・・・・泰人達の世界が動き出すまで残り1日!











続く


どうでしたか?後編はなぜか少し長くなるんですよね。あれこれ足したくなるのでこうなってしまいます。

さて結論からいくと三姉妹救出作戦は失敗です。最初はティライズがピッタリ来て助ける話にしていたんですが・・・訳あってこうなりました。まぁそれは今後説明していきましょう。

残り1日・・・ディオールが夢と融合したためそのまま時間が進み当然のごとくディオールにいられる時間も減ります。さて最終日は凄く濃い1日になりそうですね。一体何戦するのかというほど戦っていきますよ。

ということで次回は最後の休憩回、その次からついに決戦が始まります。ちゃんと最後まで書いていきたいと思っていますので良ければお付き合いください。

次回は未定です。来週中には投稿したいですね。

それでは皆さん、元気にまた次回お会いしましょう!!

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