54.三姉妹救出作戦・中編
どうも、ロンロンの弟子です。すみません、遅くなりました。いつも元気にお会いしましょうとか言ってる自分が少し風邪をひきました。面目ない。
さて、中編です。今回は結構伏線回収しますよ。頑張りましたよ。着ぐるみの男の正体は何なのか、分かる人には分かるかもしれませんね。・・・バレバレですか、そうですか。
それでは本編をどうぞ!
悪夢神達は雪美が通う高校の会議室に集まっていた。会議室はあまり教室と変わらない造りになっているが、前に置いてあるやけに大きな映像機が目立つ。この部屋に悪夢神、祇亜、ミーア、着ぐるみの男の4人が座っている。どうやら誰かを待っているようで、着ぐるみの男が小さなパソコンを弄っている以外、静かに待っていた。するとドアが開き、誰かが入ってきた。その人物は白マントの男であり入ると適当な席に座る。
「あいつは体育館に置いてきた。ここに連れてきてもろくに会話もできないだろうからな。」
その言葉に黙って頷く悪夢神。あいつとは誰なのか詳しい話は交わさない。
「さて、揃った所でまずは説明を頼む。我はまだこの世界での詳しい事情を知らないのだ。」
「・・・・・・分かったわ。」
頷いたミーアは今まで起こったことを録画したものを悪夢神達に見せるため映像機を起動させた。だがそこで着ぐるみの男が席を立つ。
「悪いが俺は兵器の最終調整をする。パソコン室を借りるぞ。」
そう言い残し部屋を出た。
「・・・いいのか?あの場はああ言ったが、恐らく奴は裏切ったフリをしているだけだと思うけどな。」
「そんなことは最初から分かっている。あの部屋には細工をしてあるから問題ない。どうせ奴は抗えなくなるのだから。」
着ぐるみの男が立ち去った後、悪夢神と祇亜がそんな話をした。
「ったく、ティルスも水の芸術家も無茶しやがって。気付くの遅れた俺のミスでもあるが、クリスタ王国は恐らく・・・・・・」
着ぐるみの男はブツブツ呟きながら少し離れたパソコン室まで歩いていった。
そのまま中に入った着ぐるみの男だが、男が入った後ドアには何やら術式が浮かんでいた。
場所はクリスタ王国街中に戻る。
ティルスが物陰から出たとき目の前に犬のような生き物がいてこちらを見ていた。何やら嫌な気配を感じる。ティルスはすぐにそれがフロンの召喚した魔物と同じものであると気づく。
犬っぽい何かはティルスとの距離をじりじりと詰めてきている。一気に飛びかかろうとしないところを見ると多少の知恵はあるらしい。
「・・・どうしよう。恐らくこの犬も子供たちを生贄にして生まれた生物。倒すことはできない。」
というよりティルスは戦闘手段を持っていないためどうしようもない。徐々に距離を詰められながらティルスは考えた。そして腕輪と指輪をしていることに気づく。
「そういえば今の僕はティルアーネさんのはずなのに何故かこの二つを持っている。・・・・・!」
ティルスは何か違和感を感じ取り出す。それは赤紫色に光る石、レゾナールだ。
するとレゾナールを見た犬は急に怯え始めた。
「・・・・・・・!!!」
どうやらレゾナールを見てかなり動揺しているらしい。ティルスはレゾナールを持つ手を犬のような生物に近づける。すると生物は一目散に逃げ出した。ティルスはやっと一息つく。
「・・・助かったのかな。やっぱりこの石には何かあるみたいだね。」
「大丈夫ですか?いきなり飛び出すと危ないですよ。」
「す、すみません。今度から気を付けます。」
メイディアはティルスにこの辺には今のような生物の気配がするようだと伝える。
するとティルスは考え込むような仕草を取り
「どうやら事態はかなり深刻なのかもしれません。とにかく出来る限り生物たちとは接触せずに城まで向かいスィングさんと合流しましょう。」
「それが一番ですね。分かりました。」
そう決めるとティルス達は周りの気配を探り、見つかりにくいルートを通りながら城を目指した。
街中を移動しているとあることに気付く。街を徘徊している生物は犬のタイプのみであること、感情を失った住人達には決して襲いかかろうとはしないこと、そしてティルスとメイディアが合流してから突如出現したということだ。このことから分かることがあった。ティルスはその考えをメイディアに伝える。
「恐らく僕達は相手側に敵対する者たちだと思われているようです。犬のような生物は偵察用で僕達の力を図っているんではないでしょうか。」
「だとすれば今から向かう場所も特定されていますね。慎重に向いましょう。」
とここで街中を抜ける。そこには何やら古そうな城が建っていた。
そこでティルス達は目撃したのだ。一人の男が犬のような生物と戦っているところを。その姿は
「・・・スィングさんですね。」
スィングだった。どこからどう見てもスィング以外には見えなかった。
スィングは4、5体の生物に囲まれていた。だが別に怯えた様子もなく懐から白い石を取り出すとポンと音がしてシロミャーに変わった。
「ますたー、こいつら倒しちゃ駄目なんだよね。だったらドロドロぼちゃんで固めちゃおー♪」
「うーん、これで分かる俺っちは一体・・・・・・。」
そう言いつつもスィングはシロミャーを肩に乗せると右足の爪先で地面をトンと叩く。
すると犬たちの下の地面がドロドロになって犬たちはぼちゃんと地面に吸い込まれていく。それを見たスィングはもう一度地面をトンと叩くと地面は元通り固まった。犬たちは顔を残して後は地面に埋まった状態となった。見ていると奇妙な光景だ。
「まぁ、こんなもんっすね。さてティルス君達を探しに行きますか。」
「スィングさん!!」
「・・・ん?」
ティルス達は倒したところを見計らってスィングに声をかける。・・・だが
「・・・・・・誰っすか?」
「ほうほう、なるほど。ティルス君は女の子と縁が多くていいっすね。」
「いやいや、そういう問題ではないですよ。」
ティルスはこれまでのことをスィングに説明すると何故かからかわれてしまった。
「さて、冗談はここまでにして本題に入るか。何で君たちはこの世界の住人の姿を借りてるんすかね。」
「それは僕も思いました。それでなんですけど、スィングさんがこの世界に来た時のことを教えてもらえますか?何かヒントがあると思うんですが・・・。」
ふむと一言言って考え込むスィング。そして
「何か知らない空間で響いてきた声に色々質問受けたんすよ、俺っちについて細かくね。何かここに貴方の適格者はいないとか何とかで今から作成するとか言ってたっすね。」
「・・・・・・なるほど。ありがとうございます。」
そう言って考えをまとめるためすぐに城に入らず一度街中に戻り物陰に隠れる3人。
「戻ってきてどうしたんすか。早く向かったほうが・・・」
「いえ、ここで僕の気づいた事実を皆さんに知らせたほうがいいと思いまして。」
ティルスの表情は真剣そのもので2人とも異論はないようで黙って聞く態勢をとった。
「結論を言います。この世界は・・・・・・」
「そうだ。この世界は作られた世界なのだよ。」
「え?」
いきなり声が聞こえて驚く3人。声がした方、上空を見ると
・・・・・・一人の男が宙に浮いていた。
続く
どうでしたか?何か前に登場キャラ出揃ったとか言ったのにも関わらず、懲りずに新キャラ出してすみません。あの時は気の迷いでした。もしかしたらまだ出るかもしれません。
さて今回でかなり話を動かしました。謎の男の正体と目的はまた次回です。・・・・・・ちゃんと考えていますよ、本当ですよ、信じてください!
次回はまた不明です。今年は恐らくずっと不明になるかもしれませんが、見ていただければ嬉しいです。
それでは皆さん、自分のように体調管理に失敗して風邪などひかず、元気にまた次回お会いしましょう!!