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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・予選2日目
80/115

45.激突!シュパルツVS祇亞

こんばんは、ロンロンの弟子です。遅くなりましたがクリスマスに間に合いましたね。

さて、今回はタイトル通りの内容ですが少し戦闘短めかもしれません。

それではどうぞ!

過去

泰人君こんなところに呼んでごめんね。


いや別にいいんだが一体何のようだ希衣成?


えーっと、あのね・・・その・・・・・・。


???


・・・あの、私・・・泰人君のことがその・・・


いや、無理しなくていいぞ。祇亞の奴がまた何か


ううん、言わせて欲しいの。私は・・・貴方が






好きです!






現在

「なんで・・・希衣成がここに・・・?」


「何故あの時死んだ希衣成がここにいるかってか。・・・まぁ、そうなるのは分かっていた。優しい俺は軽く説明してやることにする。」


少女の姿をした祇亞は思い出すように語りだした。


「ずっとどこかをさ迷っていたんだが、気がついたらこの街の路地裏にいたんだよ。そんでなんか見覚えのある猫、プレストって名前が首輪にあるんだがこいつと一緒で、急に噛み付いたと思ったらこの女、希衣成の姿になってな。能力アップだけは凄くて嬉しいんだがこの姿は慣れん・・・と思っていたがそうでもないかもな。」


急にニヤリと笑う少女祇亞は中学生位に見える少女とは不釣合な笑みを浮かべている。


「お前に復讐するならこの姿の方が効果的だ。そうは思わないか?」


そう言ってゆっくりと泰人に近づいてくる祇亞。対して泰人は


「い、一体何が起こって・・・。」


目の前で起きた出来事についていけずにパニックを起こしてしまっていた。


「泰人さん!正気に戻ってください。相手来ますよ!!」


ラルゴが呼びかけるが一向に正気に戻る気配はない。

あっという間に距離を詰められた。

祇亞が右手を前に出すと急に爪が長く鋭く尖る。


「ふはは、希衣成に愛されながら死ね!」


「・・・あっ。」


爪が降り下ろされる。もう駄目だとラルゴは思った。

だが急に人影が割り込んでくる。


キンッ


甲高い鉄がぶつかる音がする。

目の前にいたのは・・・ナイフを持ったシュパルツだった。


「間一髪でしたね。今のうちに泰人君から身体の所有権借りて下がっていてください。」


「・・・あ、はい!」


フィルディアは驚いたがまた助けてくれるようなのでその通りにする。

泰人から身体の所有権を奪うと姿がフィルディアになる。

フィルディアは乱戦に巻き込まれないように二人から距離をとる。


「ほう、俺の邪魔をするのか。いい度胸だな!」


「元々私は泰人君と戦いたかったですからね。君の方が邪魔ですよ。」


ギンッ


甲高い音を立てるとお互いに距離をとる。このままでは進まないからだ。


「あんた、マジで俺に勝てると思ってるのか。とてもそうには見えないけどな。」


「うーん、負けるでしょうね。しかし、ここで貴女に泰人君が倒されてはこちらの計画に支障が出るんですよ。それは避けたいので仕方なく戦うことにしましょう。」


そう言ってシュパルツは構えた。・・・それが合図だった。









場所は変わって雪美の屋敷前


ミーアが泰人たちの場所を探し転移の術式を作り上げるまでフロンは他のメンバーに泰人のことを聞くことにした。どうやら自分を全力で助けた泰人に興味を持ったようだった。誰に話そうか悩んだがティルスに話しかけた。王子隊のリーダーだから泰人のこともよく知っていると思ったからだ。


「ティルス君、ちょっといいかしら~?」


「あ、はい。何でしょう?」


昨日の戦いの後、服装は少女ものではなく動きやすそうな格好になっていた。フロンは少女ティルスを結構気に入っていたので少し残念そうだったが、普通のティルスも気に入っているので問題ない。どうやら可愛ければいいらしい。


「泰人君について教えて欲しいの。彼はどんな人なのか・・・とかね♪」


「泰人さんの人柄ですか・・・・・・。」


ティルスは考えた。ティルスは泰人よりも沙汰との付き合いの方が長いが少しの間で感じたことをまとめる。

ティルスは少し寂しそうに


「人付き合いが苦手な人だと思います。だから一人で抱え込んで自分を犠牲にして莉麻さんや沙汰さんを助けようと考えているんだと思います。僕達の旅にも最初は乗り気じゃなかったのですが、何だかんだ言っても来てくれました。本当は他の人よりも精神面的に強くないからもっと仲間を頼ってもいいのに。だからこそ一番辛いであろう思い出と向き合っている今の泰人さんは危険すぎます。すぐにでも助けなくちゃいけない・・・・・・そう思うんです。」


「・・・少し分かった気がするわ。ありがとうね~。」


どういたしましてと返しティルスはミーアの方へ向かった。フロンは自分と似ているんだと思った。妹たちを救う為に自分を犠牲にしようとしていた彼女自身と・・・。そして


「多分私たちも助けようとしているのね。」


泰人がフロンたちも助けようと思っていたことも理解する。


「でもあの子を犠牲にしてまで助かりたいとは思わないわね~。・・・・・・もし泰人君がやられそうなら私は・・・。」




「準備できたわ。すぐにでも出発するわよ!」


そうこうしているとミーアの術式が完成する。そして全員中へ入りで手を繋ぐ。


「何があるか分からないし、別々に飛ばされるのは避けたいからね。・・・・・・じゃあ行くわよ!」


そう言ってミーア達は術式に吸い込まれるようにその場から消えた。






シュパルツたちの戦いは続いていた。

祇亞が恐るべきスピードでシュパルツに切りかかったと思うと、既に姿はなくそのシュパルツは背後に回って一撃を決めようと繰り出すが避けられて祇亞が再び切りかかる・・・の繰り返しでお互いに決定的ダメージを与えられずにいた。


「・・・しつこい奴だな。まさか一瞬で背後に回られるとは。俺と似たような速度アップ能力なのか。」


「やはり手強いですね。ですが・・・このまま付き合ってもらいますよ。」


そう言って再び構えるシュパルツ。

しかし祇亞は何か違和感を感じていた。シュパルツは祇亞を倒そうという気が感じられない、そう思った。


「(時間を稼いで何をするつもりだ。・・・・・・なるほどな。)」


何かに気づいた祇亞。シュパルツの一撃を避けて話しかける。


「よく分かった。予選が終わるまで時間を稼ぐつもりか。・・・茅野泰人がこれから俺より強くなるあてでもあんのかな。本当はもっと苦しめてやりたいがこっちも失敗したくないからな。・・・さっさとケリつけるか!」


「・・・む。」


祇亞は意外に勘が鋭く用心深いようだ。そして一気に力を高める。

その周囲を漂う力の波動のようなものは白虎・・・そして朱雀を超えていた。


「・・・これはまずいですね。一旦退いて・・・・・」


prestプレスト!」



気づいたときにはもう遅かった。

シュパルツは鋭い爪で刺されていた。爪は左胸を貫通し傷は深かった。


ドサッ


そのままシュパルツは倒れた。




「だ、大丈夫ですか!!?」


フィルディアは駆け寄る。だがシュパルツは既に瀕死の状態だった。


「・・・いやはや、まさか真の名まで使ってくるとは。・・・・・・予想・・・がはぁ。」


「ちょ、ちょっと!?」


血を吐き出すシュパルツに驚くフィルディア。

だがシュパルツは続ける。


「・・・泰人君、聞こえていますね。今すぐ逃げなさい。今の君では瞬殺されて・・・しまいます。」


ハァハァと荒い呼吸をしながら話すシュパルツはとても苦しそうだった。

フィルディアは泰人に身体の主導権を返す。すると再び泰人の姿に戻る。


「それよりあんたの方が危ないだろう。今すぐ蝸牛結界で・・・」


「最後に・・・一つだけ・・・。」


シュパルツの勢いに押されて黙る泰人。シュパルツの最後の言葉を聞く。


「ヴィントルの許可があるまで覚醒スネイラーは使わないでください。例えどんなに挑発されても・・・ね。・・・・・・頼みましたよ。」


そう言って光の粒子になって消え・・・




「ふむ、まさかこんなに強いとは予定外だったな。」


・・る直前白マントの男が現れ手を挙げると粒子が全て吸い込まれるように集まり白マントの体内に吸収された。


「あ、あんたは?」


「・・・とにかく予選を生き延びろ。そうすれば全てを教えてやる。」


そう言って白マントは立ち去っていった。




その場をゆっくりと見ていた祇亞。

退屈そうに欠伸をしながらようやく終わったのかと言い


「これくらいは待ってやろうと思ってね。さて邪魔者も消えたし、お前も希衣成の所に送ってやるから覚悟しとけ!」


「・・・・・・・俺は、一体どうすれば?」


泰人はやはり祇亞と希衣成のことにまだ動揺しているようだった。

そして身体を赤く染めた少女は泰人に一歩一歩近づいていった。










続く

どうでしたか?

最初の方からいたキャラクター、シュパルツが遂にやられてしまいましたね。

最初はここまで重要キャラクターにする予定はなかったのですが、僕の姉もお気に入りのようなのでここまで残しました。

今後の予定ですが、年内に予選は終わらせたいのでそれまでは頑張ろうと思います。次は明後日辺りを予定しています。

それでは皆さん、風邪には気を付けてまた次回お会いしましょう!!

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