謎の老人
今回は日曜のゆっくりした話です。
それではどうぞ!
次の日
茅野家の日曜日の朝はゆっくりだ。父が休みなので、朝食は9時。それに合わせて起きることになる。でも、母は8時に起きて朝ごはんの支度をし、泰人も朝の散歩をするのでゆっくり寝ているのは父と莉麻だ。
朝食を終え部屋に戻る泰人。今日は午後から沙汰が来る予定なので、とりあえず午前中は勉強をすることにした。ちなみに、ティルスは莉麻の部屋で遊んでいる。なにやら楽しそうな声が聞こえてきたが、集中する泰人。どうやら泰人が勉強していると分かっているのか、莉麻は部屋まで来なかった。
昼食も終え午後になった。家のチャイムが鳴り、沙汰が来た。とても眠そうだ。
「・・・おはようございます、おばさん。」
「あらあら、おはよう沙汰君。さぁ、入って入って。」
母が出迎える。
「・・・んじゃ、お邪魔します。」
そう言うと真っ先に泰人の部屋にきた。ドアが開く。
「よぉ、元気か・・・・。」
泰人は唖然とした。入ってきたと思ったら、勝手に人のベットで横になる。
「・・・寝かせてくりぇ。」
そう言って寝てしまった。さすがの泰人もなんか言ってやろうかと思ったが、彼のミニパソが目に入ったので少し中を覗かせてもらう。すると、ディオールに行く前よりもデータファイルが大量に保存してある。前よりも性能が上がっているようだ。
「・・・こいつはこいつなりに頑張ってるようだし、今ぐらい寝かせてやるか。」
そう呟くと沙汰を起こさないように勉強を再開した。
その頃、莉麻はティルスを連れて散歩をしていた。特に行くあてもなく気分転換の為だ。そんな莉麻が昨日泰人も通った公園の前を通ると、また例のおじいさんがいた。
「そこのお嬢さん、ちょっといいかね?」
その言葉に振り向く莉麻。
「え・・・、私ですか?」
「ふむ、君は茅野泰人君の妹君だね。」
それに驚く莉麻。
「私と兄を知ってるんですか?」
「まぁな。実は・・・・・」
莉麻は昨日の泰人と同じ説明を受ける。
「それで何だが、これを彼に渡してくれぬか?いざというとき以外は開けるなとの忠告も言っといてくれ。」
そう言うと小さな箱みたいなものを莉麻に渡した。
「あ、はい。」
「では、頼んだぞ。」
そう言って立ち去る老人。不審に思いながら、莉麻も家に帰ることにした。
それから時間が経ち、夕方になる。ようやく沙汰も起きたので、莉麻とティルスも呼んで話し合いをする。
「明日、学校から帰ったら行こう。準備忘れるなよ。」
その言葉に頷く二人。無表情だがなんとなく了解したっぽい雰囲気を出すティルス。
「俺はバッチリだ。必要なデータも入れたし、バージョンアップさせたから。丸々二日掛ったけどな。」
「ティルス!」
「私も大丈夫。・・・そういえば、おじいちゃんの知り合いの人からお兄ちゃんにってこの箱頼まれたんだった。必要なとき以外開けるなって言ってたよ。」
ポケットから箱を出し泰人に渡す。
「お兄ちゃんが昨日会った人だよ。」
「そうか、ありがとな。(昨日の老人か。何者なんだろう?)」
考える泰人だった。
沙汰も帰り夕食も終え部屋に戻った泰人は、明日の準備をしていた。
「必要最低限のものだけにしないとな。メンテナンス道具は必須だし、この箱も何か分かんないけど持ってくか。」
中身を見ないところを見て、約束は守るみたいだ。
「よし、じゃあ寝るか。」
そして準備を終え、眠りについた。
次回から再び向こうに行きます。話も大体考えているので、できるだけ早く投稿したいです。
それではまた次回お会いしましょう!