表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Mystic world  作者: ロンロンの弟子
ディオール編・旅立ち
7/115

ティライズ

ロンロンの弟子です。今回はついに料理教室の話です。少し話も動きます。それではどうぞ!

泰人達が元の世界に帰ってすぐのこと。ディオールのとある街道を歩く変な人の姿があった。

彼の名はシュパルツ。泰人にやられたが、すぐに意識を取り戻しテミールから結構離れた街道を移動している。どこかに向かっているようだ。


「とりあえず、あいつの所に行きましょうか。」


そう呟くと、しばらく道なりに歩く。

10分くらい歩くと、町が見えた。町の名はゴルデールといい、お金持ちが暮らす街だ。シュパルツはその中でも最も大きいお屋敷に入った。そこのメイドたちに連れられ、大きな客室に通される。そこには一人の少年がいた。

彼の名はティライズ。王子である。今は用事がありこの町にいる。


「久しぶりですね。元気そうでなによりです。」


嫌な笑みを浮かべながら話すシュパルツ。


「・・・何しに来た。要件を言え!」


ティライズは不機嫌そうに話す。


「まぁ、落ち着いて。ついにティルスを見つけましたよ。」

「何?」


ティライズは驚いた。行方不明だったもう一人の王候補が見つかったのだ。無理もない。


「彼には何もしていないだろうな?」


その言葉にシュパルツは笑みを浮かべ


「今のところは何もしていませんよ。ただし、面倒なやつが護衛をしていましてね。早めに消します、あなた様のために。」

「ふざけるな!私は彼こそ王にふさわしいと思っている。人や精霊に好かれ、時空転移も使える彼こそ適任だ。貴様らのふざけた情報操作のせいで彼と敵対してしまった。消えるのは貴様らだ!」


ティライズは興奮して話す。貴様らと言っているところを見て、シュパルツには仲間がいるのだろう。


「そうはいきませんよ。我らはあなたになっていただかなくては困るのですから。それではこの辺で。」


そう言うと姿を消すシュパルツ。


「・・・こうなれば早くティルスに会わなくては。」


考え込むティライズだった。




場所と時間は変わり、茅野家

土曜日だというのにいつも通りに起きる茅野一家。・・・莉麻を除いて。

母は食事の支度をし、父は出勤の準備をしている。どうやら休日も仕事があるようだ。泰人は、休みの日は30分くらい家の周りを散歩している。今回はティルスも一緒だ。

8時になり父も出勤し朝ごはんを食べ終える。9時になりようやく起きる莉麻。母曰く、休みの日くらいは寝かせたいということらしい。莉麻も遅めの朝食をとり、料理教室に向けての準備を始める。


「お兄ちゃん、1時に文化センターだからね。私はケーキ作るから!」

「分かった、分かった。」


莉麻と母は出発し、家には泰人とティルスだけとなった。


「時間まで余裕あるし、ラルゴのメンテナンスでもするか。でもラルゴの後ろのネジ1本取れてんだよな。どんなネジも合わないし・・・・・。」


ぶつぶつ言いながらメンテナンスを始める泰人。後ろでティルスも見ていたが、表情は変わらない。

その後、適当に朝食を済ませて文化センターに向かった。ティルスは留守番だ。家から文化センターまで、自転車で5分ほどの近さなので時間はかからない。

ちょうど1時に着いた泰人。料理教室内では幼稚園児から老人まで、たくさんの人たちがいる。みんな講師の先生に教えてもらい頑張って作っている。その中でも一際目立っているのが母と莉麻だ。どうやらチョコレートケーキを作っているみたいで、とても手際がいいので皆の手本になっている。泰人は外の待合室から見ていて、それに気づいた莉麻が手を振ったので振り返す。

3時間ほど経ち、ようやくみんなの料理が完成した。試食の時間で泰人は母と莉麻のケーキを食べさせてもらった。元々甘いものが好きだった泰人だが、このケーキはいつも以上に美味しく感じられたみたいだ。


「うん、美味いよ。」

「莉麻が頑張ってたから、お母さんの出番が無かったよ。」

「えへへ、お兄ちゃん、いつでも作ってあげるよ。」


莉麻はとても嬉しそうだった。その後の片付けは泰人も手伝い早く終わった。友達と話している莉麻を見て、早めに帰ることにした泰人。


「母さん、俺帰るから莉麻宜しく!」

「はーい。」


文化センターを出て、いつもの道を走る泰人。しかし公園の前を通り過ぎたとき


「そこの少年。ちょっと止まってくれんか?」


見知らぬおじいさんに話しかけられた。公園の中のベンチに腰かけると、おじいさんが話しかけてきた。


「君が玄武の孫か。」


玄武というのは泰人の祖父の昔のあだ名である。


「・・・そうです。祖父の知り合いですか?」

「うむ、ということは君が泰人君か。実はな、君に話があるのだ。」

「話・・・ですか?」


泰人は聞いてみた。


「実は、玄武に君を任されてな。困ったことがあれば頼ってくれ。」


いきなりで泰人は混乱した。


「・・・例えば異世界についてとかな。」


その言葉に驚く泰人。


「ディオールについて何か知っているんですか?」

「まぁな。だが今は教えられん。本当に困った時に来なさい。」


そう言うと家の住所の紙を泰人に渡し、去って行った。泰人はあまり理解していなかったが、紙をポケットに入れると家に帰った。その後、老人のことを気にしつつも泰人は就寝した。




その頃、沙汰の家では


「よし、いい感じだぞ。もう少しだ。」


まだ何かやっていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ