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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・予選1日目
67/115

32.武者蜥蜴隊VSスィング・前編

佐野星音の夢の世界は今、光の精霊ミーアの支配下にある。

そして開始されたサバイバルゲーム。参加者は泰人達以外はミーアによって作られた存在・・・と思われていたがそうではない。

シュパルツ、白マントの男のようなイレギュラーが存在する。とはいってもこの二人のような自分から参加した訳ではなく、強制的に参加させられているものもいた。

時の止まっている泰人達の世界の住人や重症者の夢は今とても不安定な状態にあり、このゲームによる影響も大きい。夢の欠片が悪夢に迷い込んでしまうこともあるのだ。

無意識に存在を作りだしたためその事実に気づくのが遅れたがミーアはメイドの少女を見たときその事実に気づいてしまった。

確認をとる。迷い込んだ欠片の数は・・・・・・7。そのうち2人は知っている人物だが残り5人は一般人。メイド少女がその一人だった。夢の欠片がゲームオーバーした場合消滅し、現実からも消えてしまうのだ。

ミーアは考えた。別に自分には関係ない、雪美を救うことには繋がらない。・・・だが手助けしなくてはいけないと思う心があった。何故かは分からないが宇木風梓由と共にいた期間が長かったせいだと思う。

仕方ないと思いつつ放送に入ろうと思った・・・・・・・がやめる。

武者蜥蜴隊との対決、これに勝てたらご褒美として救済処置をあげよう。そう思った彼女は放送しようとしていた手を止め、再び静かに観戦することにした。






ここはどこ?

私は誰?

気付くと私は森のような場所の入り口にいた。

しかし記憶が曖昧で一般知識以外は全くと言っていいほど思い出せない。

名前も、自分がどこの出身なのかも。


「君どうしたの?」


そんな私に男の人が話しかけてきて説明をしてくれる。

どうやら今ここではサバイバルゲームをしているようで私はその参加者らしいのだ。

でも覚えがない。そんな物騒なことに私が参加するはずがなかった。

聞けば今この町全体が戦いの舞台らしくここにいる人達は雪美という女の子を除いてみんな参加者らしい。

でも私はやっぱりサバイバルゲームなんかしたくない、一刻も早くここから離れたい。そのことを男の人に話すとその人は私を町の外に連れ出してくれると約束してくれた。

この人が信用できるのかどうかは分からない、でも今の私にとってはとてもありがたいことだったので頼ることにした。

そんなときに武者蜥蜴隊と名乗る人達が現れたのだ。

私が狙われていたようで男の人は私をかばって大きな人にやられてしまった。

私は逃げ出したが、すぐに大きな手に掴まれてしまった。

怖かった。何をされるか分からない恐怖でリーダーみたいな人の話もちゃんと耳に入ってこなかった。

すると大きな人が大きな口を開けて私を食べようとしていた。私はもう駄目だと思った。目を閉じて終わりを確信した。






気がつくと私はメイドになっていた。身体も自由に動かせなくなっておりリーダーの男の人の操り人形になっていた。

なんか身体が変に感じた。先ほどより重いような、まるで自分が土でできているような感覚だった。

リーダーの人は私に命令をした。どうやら手配書の男の人を騙さなくてはいけないらしい。見ると優しそうな青年だった。私はこの人を騙さなくてはいけないのか、胸が痛かった。

ことはスムーズに運んだ。男の人は私を助けてくれた。演技とは言え凄く嬉しかった。

・・・言いたかった。逃げてと。このままでは私は貴方ににひどいことをしてしまう。その前に逃げてほしかった。でもその男の人と残りの二人は私に騙されて森の入口まできてしまった

今私は写真の男の人の後ろにいる。警戒はしていないようだ。このままでは私は・・・・・・。

懐から先ほど渡された針を取り出す。

止めたかった。止まって!!

そう願うも身体は勝手に動いてしまう。

そして・・・・・・ついにやってしまった。


ブスッ


「・・・・・・え?」


そう言って男の人は倒れた。

・・・やって・・・しまった。助けようとしてくれた、優しい人を私は・・・・・・・・・・。

いや、いや、いやああああああああああああああああああああああああああ!






ドサっと泰人が倒れた。どうやらメイドに刺されたらしい。泰人の右腕には僅かに刺し傷が見え、メイドの手には針が握られていた。


「よくやったね、こっちにおいで。」


森の奥から男の声がして姿を現した。

細い男と大きな男だった。メイドはその声に反応し向こう側へと移る。


「泰人さん!!」


「泰人!!」


ティルスとスィングは泰人に駆け寄る。

泰人はギリギリ意識はあるようだが苦しそうにしており危険な状態だ。


「さて、一番の危険人物を戦闘不能とした。残りは、王子と・・・・・・知らない男だな。まぁ敵ではないだろう。」


「兄貴、やっちまおうぜ!」


「・・・お二人とも頑張ってくださいね。」


そんな会話をしていた。

泰人の応急処置はスィングに任せてティルスは状況を分析する。

敵は3人。兄貴と呼ばれた細い男と明らかに強そうな大きな男、そしてメイドである。

こちらは最大戦力の泰人を失い、自分は戦闘能力が低くスィングは未知数。とても勝てそうにない。

逃げた方がいい、そう思ったがもう一度ちゃんと見る。メイドをだ。

メイドは笑っているように見えた。2人の男と仲がよさそうに・・・だがティルスが注目したのは目だった。

メイドの目は曇っていた。明らかに正常な人間の目には見えない。そう・・・何者かに操られているようなそんな目だった。・・・助けたいがティルス達に余裕はない。

ティルスは決心する。向こうは泰人を無力化したことで油断しているらしくまだ何か話している。

そんな隙を見てスィングと会話を交わす。


「スィングさん、泰人さんの具合はどうですか?」


「専門じゃないし、よく分からないがこのままだと気絶するのも時間の問題だ。ここは退いて早く薬を探した方がいいな。」


「そうですね。ここは一度退きましょ・・・。」


「・・・・・・待て。」


二人の意見がまとまろうとしている所で泰人から待ったが出る。

苦しそうに話す。


「・・・・・・ティルスはわかってるはずだ。あの子は助けなくちゃいけないと。」


「・・・分かっています。でも、僕たち二人では無理です。向こうは操る術を使っている以上強敵と判断しなくてはいけません。泰人さん抜きでは勝つことは・・・・・・。」


「・・・・・・スィングに頼むしかない。」


二人同時にスィングを見る。スィングは驚いた表情をしている。


「無茶です。スィングさんではあの人達には・・・・・・。」


「・・・・・・いや、分からないさ。こいつには秘策がある。何とかなると思うぞ。」


「・・・・・・確かにそうかもしれねぇな。」


スィングは頷く。それにティルスが反発する。


「駄目です。無茶はしないでください。僕はこれ以上仲間を失うのは嫌です。」


「・・・だがこう考えたらどうっすか、毒を持ってたなら奴らはほぼ100%解毒剤を持っているだろう。それを奪うためなら・・・とかね。それに手負いの泰人連れて強敵から逃げられる訳がない。本当は分かっていたんじゃないっすか。」


「・・・・・・・・・・。」


確かにそうだった。ティルスは逃げられる可能性が限りなく低いことが分かっていた。でも仲間を失いたくない、だから退くことを選んだ。


「俺っちを信じてほしい。さっき泰人が言った通りヴィントルから奥の手をもらっている。簡単には負けないっすよ。」


「・・・分かりました。泰人さんは僕が守るのでよろしくお願いします。」


ティルスは思った。信じてみると。それが、仲間だというものだと。

と決意した所で向こうも話し終わったらしい。


「さてお祈りは済んだかな?そろそろ終わりにしようかな。」


「いいや、そう簡単にはいかないっすよ。」


スィングは立ちあがり男たちの方に向かっていく。

すると目の前に下っ端が現れる。


「へへっ、無名の奴なんてリーダー達が動くまでもない。俺がやってやるぜ!!」


右腕を振りパンチを繰り出す。スィングはそれを顔面で受ける。


「さぁて、こんなもんじゃ・・・・・・・え?」


下っ端が倒れる。見ると殴った右腕からどんどん干からびていくのが見えた。身体の水分が蒸発して行っているのが分かった。


「なるほどね、君は結構やるようだ。身体を鍛えているのかな、もろに受けたようだたけど。」


「いや、痛かったっすよ。身体は軽く鍛えているけどね。俺っち漁師っすから!!」


と言い切り戦う構えをとった。











続く

どうでしたか?

また次も見てくれたら嬉しいです。

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