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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・集結
64/115

29.決戦前夜

私は正直混乱していた。

いつもママって呼ぶサミーがあの時は

おかあさん

って呼ぼうとしていた。

何があったのか、あの子の心境の変化は、とても苦しんでいたのではないか

そればかり考えてしまっていた。







ティルス達はひとまず雪美の屋敷に来ていた。

フィルディアの部屋は学園内にあり危険だと判断し、ミーアの力が影響しないここに来るしかなかった。

全員居間に集まる。いつの間にか泰人に戻っていた。一通りのあいさつを済ませて莉麻が拾っていた水晶を机の上に乗せる。


「・・・・・・・・・・。」


どうやら力が戻っておらず会話ができないようだ。しかしまだ起動していることはなんとなく把握できた。呼吸音が聞こえた気がしたからだ。水晶が呼吸するかは知らないが、エネルギーを供給するための機関が働いていてその音だろう。

それを確認し、泰人が話を切り出す。


「まずは情報の整理をする。簡単にまとめると、サミーと星音という少女を助けるには光の精霊が主催するゲームとやらで勝ち残ること。そしてこれには雪美を除くここにいる5人全員強制参加ってことだ。」


そう言って泰人は辺りを見回す。ここにいるのは自分を含めて6人と2つ。

莉麻、ティルス、梓由、雪美、スィング、ヴィントル、フィルディアである。


「とにかく俺もできる限りフォローする。まずは予選とやらを全員で生き残ること。作戦は生き残ることを第一に、とこんな感じか。・・・でも強制とはいえ、みんなを危険に合わせたくないしやっぱりミーアと交渉して・・・。」


それに参加者4人は首を振る。


「私は出るよ。お姉ちゃんの大事なお姉ちゃんを取り戻すためにね。」


「僕で力になれるか分かりませんが、精一杯がんばります。」


「・・・・・・元々私の問題。・・・参加は当然。」


「危険なんてあんたも同じだろ。じゃあ俺っちも行くさ。」


どうやら参加の意思は固いらしい。泰人は尊重させることにした。


「分かった。だったらやって・・・・・・」


「ちょ、ちょっと待ってください!!」


雪美がストップをかける。


「み、皆さんが戦いに行くなんてやっぱり駄目です。私・・・。」


そんな雪美の手を梓由が握る。


「・・・大丈夫、みんな強いから。・・・私たちがきっと全て終わらせて、貴女も、梓由もみんな助けるって約束するから・・・ね。」


「ねえさん・・・うん。」


そう言い終えて梓由に抱きついた。相当寂しかったのだろう。梓由もなだめるように頭を撫でている。


「さて・・・と、そろそろ出てきてもいいぜ。沙汰!」


と泰人は不意に声を出す。しかし誰も答えない。当然である。


「全くあいつも人が悪いな。せっかくの再会だからってドッキリでも仕掛けてるんだろうけど。」


「・・・あの、泰人さん。沙汰さんのことで少しお話が・・・。」


そう言って話を切り出した。

沙汰が朱雀との戦いに勝利したが意識不明の重体で病院に入院していることを。






「・・・・・・あいつがそんなことになる訳が・・・。」


泰人は周りを見る。莉麻も驚いているようで梓由とスィングは目を逸らしている。これだけで彼には本当であることが分かる。


「・・・すみません。僕がもっと早くに沙汰さんの限界に気づいていれば。」


「・・・・・・・・・沙汰。」


そうポツっと言うと泰人は動かなくなってしまった。相当ショックで理解するのに時間がっかるようだ。

莉麻も泰人ほどではないにせよ落ち込んでいるように見える。


「・・・とりあえず明日のこともあるし部屋割り決めて早めに休んだ方がいいっすね。えーっと、部屋割りは・・・。」


「・・・・・・決めてある。」


梓由はそう言うと紙を取り出す。どうやらもう決めているらしい。それを机の上に広げる。

そこにはこうあった。


りま、ゆきみ

わたし、ティルス

たいと、スィング、変なの


「・・・後、今の私は梓由じゃなくてミュアだから・・・宜しく。」


そう言い終わる。




「ちょ、ちょっと待ってください!!もう男に戻ったのにミュアさんと一緒ですか!?」


「そうだよ、ね・・・ミュアさん。女性と男性組に分ければ問題ないよ。」


すると梓由・・・ミュアはティルスに近づきポケットから例の道具を取り出し・・・

指にはめる。


「ちょ、ま・・・」


少女になった。


「・・・・・・問題ない。」


「ありますよーーーーーーー!!」


というわけでこの通りの部屋分けになった。











莉麻、雪美部屋

「・・・せっかく会えたのに一緒にいれないのは寂しいかも。」


雪美はそう呟く。二人は一緒に雪美の部屋で泊まることとなった。

莉麻は少し立ち直ったようだ。


「莉麻ちゃん、お兄さんのお友達はきっと大丈夫!貴女が信じてあげないとお兄さんも立ち直れないでしょ、ね。」


「・・・うん、ありがとうお姉ちゃん。」


「さぁ、じゃあ温泉に行きましょう。今日の疲れを取ってゆっくり寝ましょう。」


ということで二人は温泉へと向かっていった。






ミュア、ティルス部屋

「もう、どうしてここまでして・・・。」


空き部屋を借りたミュアとティルス。もう指輪は取ってしまっていた。

まぁ、寝る場所はベッドが二つあるので問題ない。


「・・・修行する。」


「・・・え?」


気がつくと別空間に来ていた。あまり大きくない空間だが小学校の教室位はありそうだ。


「・・・今の状況で戦えるのは私と泰人だけ。・・・あの道化師みたいのは何とかなりそうだけど、それでもミーアと青・・・マントの男に勝つことは無理だと思う。・・・だから貴方にも一通りサポート位できるようになってもらいたいの、少しでも勝算を上げるために・・・。」


ミュアは本気だった。この一日でティルスを一通りできるサポートキャラに仕上げようというのだ。


「・・・そうですね。僕も足手まといだけは嫌です。どうかお願いします!!」


「・・・・・・始める。」


こうして二人のティルス強化訓練が始まったのだった。






泰人、スィング部屋

「・・・・・・・・・・。」


一応歩いてきたが椅子に座ってから泰人は言葉を発そうとしなかった。まだショックから立ち直っていないようだ。


「・・・・・・どうしようか、うーん。」


スィングはとりあえず泰人落ち着くまで一人にさせることにしたらしく部屋を出ようとする。と水晶が光りだした。どうやら起動を開始したようだ。

「・・・さてと、ようやく喋れるようになったか。聞け、ラルゴ使い。」


机の上に置いていた水晶が復活した。だが泰人は相変わらずである。どうやら話だけは聞くようで水晶の方は向いている。


「谷田沙汰のことだ。さっきティルスの話を聞いた限り、あの朱雀を倒したらしいな。朱雀を倒したってことはとんでもなくドーピングしたんだろう。大方生命力を力に変換して無理やり強化したんだろうが、普通の奴ならそんな強化したら持たずに即死だ。どうやらまだ生きているらしいが医者たちじゃどうしようもないことだ。このままだと・・・間違いなく数日で死ぬだろうな。」


「ちょ、ちょっ・・・・」


スィングが話を切ろうとする・・・が水晶からの圧力でそれ以上話せなかった。

泰人は変わらないように見える。どうやらそこまでは分かっていたようだ。


「・・・奴の意識を取り戻す方法が一つだけある。」


ガタッ


泰人が立ち上がり机の上の水晶を持ち上げて顔を近づける。


「頼む、教えてくれ!!どんなことでもするから・・・・・・頼む。」


必死に頼み込む。そして水晶を机の上に戻す。


「力に変換した生命力は使用後、使用者の周りを浮いているものだ。それを再び生命力に戻して奴の肉体に戻せば意識を取り戻すだろう。だが、そんな術が使える術師はほとんどいない。俺様位のもんだ。」


水晶は泰人を見る。泰人は頭を下げた状態から動かない。本気で頼んでいることがよく分かった。


「・・・・・俺も甘くなったな。仕方ない、取引でもするか。」


「取引?」


「あぁ、俺を奴の所に連れていけば奴を元に戻してやる。だがそれまでは俺様の命令は絶対服従だ。ミーア、青龍、そして・・・あの悪魔を倒すまでお前には手伝ってもらう。」


「・・・悪魔ってなんだ?」


泰人は気になって聞き返す。そういえばミーアが聞いた声、それなのではないかと考えてみる。


「大方分かっているとは思うがミーアを裏で操ってるいわばボスだな。悪夢神っていうらしいが俺は悪魔って呼んでいる。全ての元凶だ。」


「・・・やっぱりあんたが雪美の魂をここに連れてきたわけじゃないってことか。」


「当然だ。意味のない行動はしない。・・・万が一俺が死んだら全てが終わる。ディオールもお前たちの世界も悪魔の手に落ちるだろう。まぁ、そんなことは興味ないんだが玄武の頼みだから仕方ねえ。しょうがなくやってるのさ。」


最後の方は本当にめんどくさそうに言う。どうやら水晶が消滅すると世界が終わるようだ。


「・・・じゃあ協力するしかない。沙汰も救いたいけど、なんか大変になることも阻止したいから。お前の命令に従うよ。」


「いいだろう。さて、作戦会議でもするか。そこの小僧も来い、ミーアと青龍との対決について説明してやる。」


「え?あ、はい。」


そう言って3人で作戦会議を始めた。


「その前に、おいフィルディア。起きてるか?」


「・・・・・・はい。」


ラルゴが反応する。どうやら話は聞いていたようだ。


「・・・・・・サミーの事は俺の不注意だ。すまなかった。」


「・・・いいえ、気にしないでください。」


「ふん、ならいい。さて始めるぞ。」


水晶は少し照れくさそうにしながらも作戦会議を始めた。






そして思い思いの夜が更けていく。

それを上空から見ている者が一人。


「・・・・・・越えてほしいものだな。」


そう呟いた。

決戦の時間が刻一刻と近づいていた。











続く

どうでしたか?

今日はここまでになります。

明日はサバイバル編一日目を投稿予定ですのでよろしければどうぞ!

それではみなさんまた次回元気にお会いしましょう!!

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