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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・準備
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13.変化

場所は変わり、佐野家。

夜も明け日が昇る初夏のある日、星音は目を覚ます。

辺りをキョロキョロ見渡すと突然ニヤッと笑う。

支度を整えリビングへと向かうと朝食が置いてあり両親の姿はもうない。

星音は朝食を済ませ身支度を整え自宅を後にした。











「さぁ、今日も頑張りましょう。」


フィルディアは今日も元気に生徒に挨拶しつつ出勤してきた。昨日と違い何か吹っ切れたように見える。


「まぁ、俺は奴を探すことが先決なんだがな。奴が動くならそろそろ動くか。」


融合サミーも姿を消して隣を飛んでいた。どうやらフェィルディアは融合を許可したらしい。


「それも重要ですが、まず莉麻さんと話しあう方を優先しましょう。誤解したままではいけませんよ。」


「誤解ではない、そのままの意味だ。あいつが怒っても仕方のないことだな。」


サミーは少し寂しそうに答える。少しは気にしているようで、彼も少しずつ変わってきているようだ。


「・・・とりあえず放課後にお話ししましょう。それまで私のそばを離れないでくださいね。」


「だから俺は奴を・・・。」


フィルディアの言葉にサミーは・・・


「・・・・・・・!?」


だったが、何かを感じたのか後ろを見る。

そこには一人の少女、星音が立っていた。


「先生、おはようございます。」


「・・・ええ、おはようございます。」


星音はそう挨拶して立ち去った。


「・・・遅かった、ヤバいことになったな。」


「これは一緒に行動した方がいいですね。」


そのまま二人も職員室へと向かった。






がらがら


「おはよう。」


星音は教室へとやってきた。しかし誰も挨拶は返さず数人の少年達が彼女を囲む。


「今日も来たか。」


「本当お前はいつまで通い続けるんだよ。あ、学園長の娘だからしょうがなくか。」


はははと笑う少年達。それ以外の生徒はそのやり取りを無視してそれぞれのことをしている。まるでそれがいつもの事のように。


「・・・うふふ。」


星音は突然笑い出す。


「おい、何がおかしいんだよ。」


少年の一人が星音の肩を掴もうとすると

・・・急に強い力が働き少年は吹っ飛ばされて教室の壁に叩きつけられる。


「・・・え?」


他の少年達は何が起こったのか分からず、ぽかーんとしている。他の生徒も叩きつけられた音に驚き反応している。


「・・・そうよ、悪夢はおしまい。いい夢に変えてあげる。」






それからしばらくして教師が入ってきてホームルームが始まる。


「そういえば今日はみんな静かだな。やっと自覚が出てきたかな。」


いつも賑やかだったそのクラスは今日は一変して静かだった。いつもうるさい少年達も必要最低限のことしか話さなくなった。少年だけでなく全員が、まるで感情をなくしたように。いや、ただひとりを除いて。


「うふふふふ。」


星音はその後もずっと笑っていた。その笑みは見る者を恐怖させるような不気味な笑みだった。











キンコンカンと鐘が鳴り、放課後となる。莉麻は今日も普通に登校し授業を受けていた。


「莉麻ちゃん、一緒に帰ろう!」


昨日と同じ少女が莉麻を誘ってきた。


「ごめんね、今日もフィルディア先生に呼ばれているんだ。」


そう、朝のうちにフィルディアに放課後昨日と同じ教室に来てくれと言われていたのだ。そっか、じゃあ先帰るねと少女は言いそのまま下校した。莉麻はそれを見送って昨日の教室へと移動した。




教室に着くとすでにフィルディアがいた。サミーも一緒だ。


「呼び出してごめんなさいね。貴女にお話しがありまして。」


「いえ、私こそ昨日はいきなり帰ってしまってすみません。」


莉麻は頭を下げる。流石に反省したようだ。


「いえ、いいんですよ。ではお願いしますね。」


フィルディアが一歩下がるとサミーが出てくる。


「・・・まぁ、なんだ。ラルゴ使いの事で黙っていたことは謝罪する。だが・・・。」


「ううん、何か理由があったことぐらい分かってる。私こそ話を聞かなくてごめん。」


莉麻は2度目となる謝罪の言葉を口にし頭を下げる。


「・・・まぁ、そのことはいい。ヤバいことになったからお前に伝えておこうと思ってな。」


「ヤバいこと?」


サミーの真剣な言葉に莉麻は耳を傾ける。


「今日俺の探してた奴が見つかった。だが手遅れでな、ちょっとまずいかもしれん。」


「・・・そんな!?一体どういうこと?」


「詳しく話してやる。ある事情で水晶になった俺は女の霊の捜索の為サミーを使い探していた。偶然にもティルスと会って奴の手伝いをしながらな。そしてその霊を見つけた俺は力不足だったためお前の肉体を借りて捕まえることに成功した。だが何が起こるか分からないと思った俺はもしもの時のためにラルゴ使いを知り合いに預け修行させることにしたんだ。そして俺は封印するためその方法を知っている人物に会いにこの世界に来た。その後は知っての通り逃げられて・・・その霊がある少女と契約をしてしまったらしいということだ。」


と一気に話すサミー。少し息切れしている。


「そっか、なんとなく分かった。お兄ちゃんが無事ならいいよ。でもその女の子は危ないんじゃ。」


「宿主に危害はない。だが周りにはすでに被害が出ている。今日一日学園内を調べてきたが、初等部という所の一クラスがやられていた。明日にでも手をうち奴を捕まえることにする。」


「えっと、じゃあ・・・・・。」


私にもできることはと言おうとしたが


「お前には雪美という女を見ていて欲しい。もしかすると俺の探していた人物かもしれないからな。できるだけ情報を引き出してほしい。」


「そっか、いいよ。何かあったら私が雪美さんを守るから!」


えっへんと胸を張り答える莉麻。


「ふむ、そうしてくれ。一応話は以上だ。じゃあ気をつけて帰れよ。」


「はーい!」


大きく莉麻は返事をしてその場を後にした。






「いいんですか、この世界の秘密を話さなくても。」


「いいんだ。余計なことを気にさせるとあの女の情報を集めるのに支障が出そうだからな。」


そう言ってサミーは窓から夕暮の空を見上げた。










異空間


「うん、順調だな。このままいけば・・・。」


「僕の出番って訳か。」


暗闇の中、謎の男と・・・白虎が何かしら話していた。

目の前の箱闇の中ぽつんと光っていた。











続く

どうでしたか。

また次回見てもらえれば嬉しいです。

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