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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・再出発
42/115

7.変身の指輪

沙汰達が穴に飛び込んですぐのこと。


「・・・・・・・・んん?」


沙汰は洞窟のような所にいた。

どうやらここに転移してきたようだ。

全員ちゃんと揃っている。


「どうやらここが目的地のようですね。」


ティルスが前を向いて言う。

それにつられ残りのメンバーも同じ所を見る。


「・・・おお!!」


そこはまるで村のようだった。家や小屋、ちょっとした施設があるので間違いないだろう。


「では行ってみますか。」


一同は村の中に入り学者を探すことにした。





しばらく村をまわり、ある程度情報が集まった。どうやらここにその学者がいるのは本当らしかった。

・・・だが。


「どうやらあそこにいるらしいよ。」


スィングが指さした先には、かなり古い小屋があった。


「俺っちの聞いた話によるとかなりの変わり者らしくて、よそ者とは話をしないらしい。」


「・・・・・・・・なんかゲームとかでよくある展開だな。」


げんなりとして沙汰が言う。


「だけど例外があるそうっす。なんでもよそ者でもかわいい幼女ならいいとか・・・。」


「最低だ。」


「それはちょっと・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


みんな引いてしまった。





「さて、どうするか。」


学者からどうすれば話を聞けるか考える一同。


「やはり、ちゃんと話をするのが一番だと思います。僕が行ってきます。」


そう言ってティルスが小屋に向かった。




こんこん


「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」


小屋の戸を叩いて声をかけてみる。・・・すると


「・・・だれかな?」


一人の女性が出てきた。見た感じまだ若そうだ。


「あの、こちらに物知りの学者さんがいると話を聞いてきたのですが。」


ティルスがそう言うと女性は少し困ったような顔になる。


「うーん、多分聞いてもらえないと思うけど。まぁ、入ってください。」


とりあえず小屋に入れてもらいとある部屋の前まで案内される。


「先生お客様です。外部から来た少年が先生のお話を聞きたいと。」


扉越しにそう言うと


「男には興味ない。」


と吐き捨てるように一言。


「えーっと、僕ティルスと言いまして試練のことで話を聞きに来たのですが。」


なんとか話を聞いてもらおうと試みるが


「君のことは知ってるけど、男に興味ないしパス。」


と言われてしまった。






「・・・駄目でした。」


結局成果はなく、手ぶらで帰ってきた。


「ふむ、だったらミュアちゃんに行ってもらうか。」


沙汰はそう言ってミュアを見る。


「・・・・・・・・会話はちょっと。」


どうやら話をするのは苦手のようだ。


「・・・・・・・だったら、こいつを使うしかないなぁ。いやぁ、本当は使いたくないんだけどなぁ。」


やたら嬉しそうに沙汰は何かを取り出した。指輪のようだ。


「こいつが俺のつくった銀の発明の一つ、変身リングだ。本当は読心術の能力をインストールしようと思ったんだけど、あれかなり重いし身につけるタイプにすると頭に負担がかかりすぎるからなぁ。残念だったよ。」


沙汰は本当に悔しそうに話す。


「という訳で代わりに入れたのが変身能力ってわけさ。ビー玉ほどじゃないが、物質変換システムは面倒だったよ。まぁ、まだ使ってないしどうとも言えないけどな。」


「・・・・・・・・まぁ、それはいいとしてどんなのに変身できるんだい?」


話が長くなりそうだったので途中に割り込んだスィング。


「今は見た目、姿、形くらいかな。能力強化や能力コピーなんてものもできるけど、もう少し時間がないと無理だな。」


そう言ってその指輪をはめてみる。


「これを指にはめて、なりたい姿を想像するだけで・・・。」


するとポンっと音がして


「じゃじゃーーーーーん。」


そこには6、7歳の少年がいた。どことなく沙汰に似ている。


「これは小学生のころの俺の姿だ。まぁ、年齢性別問わずなんでも変身できるんだけどな。見たことある姿、または自分で考えた姿ならな。」


そう言って指輪を外すと、ポンっと音がして元に戻る。


「(すごいなぁ。これを使えば、僕もあの人に話を聞いてもらえる姿になれるかな?)」


ふと考えたティルスは自分が少女になった姿を考えていると


「さてと、こいつを君にっと。」


沙汰はティルスの指輪をしている逆の腕の指にはめた。


「・・・・・・・え?」


ポンっと音がして、そこには





一人の少女が立っていた。














「・・・・・・・・なんで僕がこんな姿に。」


ティルスは嘆いていた。それはそうだろう、いきなりのことだから。


「いやぁ、ごめんごめん。だが、かわいいぜ!!!」


そう言ってティルスをよく見てみる。

服装そのものは着ていた男の子物の服だが、見た目はティルスを女の子にした感じみたいな。元々かわいい少年だったので、違和感は全くない。


「うーん、なんか違和感がありますよー。」


そう言って胸を触ってみる。あまり大きくないが膨らみがあるようだ。

次に下の方は、・・・・・・・・当然ない。


「これは恥ずかしいですよ。戻ります。」


ティルスはそう言って指輪を外そうとするが


「・・・・・・・・は、外れませんよ。これ。」


外れなかった。指にぴったりとくっついて外れないようだ。



「マジか?さすがに性別変えるのは無理があったかな。後で調べてみるからしばらくはその姿だな。」


沙汰は少し残念そうだったが、すぐに笑う。


「結果オーライ!!その姿なら変態学者から話を聞けるんじゃないか?」


「うー、そうなんですけど。・・・・・・・・僕が帰ってくるまでに原因探しておいてくださいね。」


ティルスが少し悲しそうな表情をして、再び小屋に向かおうとすると


「・・・・・・・・待って!」


突然ミュアに止められる。


「・・・その格好、駄目。・・・女の子の服、着ないと。」


そう言ってティルスを連れて近くの洋服屋に入る。





「・・・お待たせ!」


少しして、表情がちょっと明るくなったミュアが出てきた。

その後ろにはティルスがいた。

全体的に黄色っぽい色をした服で、スカートをはいている。


「ううう、なんで僕がこんな目に・・・・・・。」


「まぁ、嘆いても仕方ないさ。帰ってくるまでに原因調べておくから、そっちは頼むぜ。」


沙汰は嘆くティルスに慰めなのか分からない言葉をかける。


「・・・・・・じゃあ、今度こそ行ってきます。」


少しテンションが低くなったティルスは小屋に向かって行った。





「そういや、俺っち気になったんだけど、もしかして下着も・・・。」


「・・・ばっちり。」


スィングの言葉に少し嬉しそうに答えるミュアだった。











続く

どうでしたか?次回も見ていただければ嬉しいです。

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